悪女ミシルの最期!新羅に善徳女王誕生![50話~51話]

特集 韓ドラここが知りたい 2倍シリーズ
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用語については「新羅王国」豆知識を参考に。

勅書はなかったと嘘をつくピダムをトンマンは信じた。いや、嘘と見抜いてそれでも信じようとしたのだ。勅書をピダムが隠したことによって、ミシルを捕らえる最後の手段が使えなくなってしまった。
そんな時チュクパンの言葉にヒントを得たピダムが、ミシルたちのいる大耶城の生命線である川を塞き止め水路に毒をまくことを提案。敵を倒すためには手段を選ばないピダム。口の端をキュッと上に持ち上げる彼のしぐさがミシルに重なる。幼いあの頃、“三韓地勢”の本を取り返すため多くの人を皆殺しにしたあのころと、ピダムは何も変わっていなかった。
もちろん、いくら戦とは言え、そんな非人道的な作戦を実行するはずのないトンマンとユシンは、これを参考に、水路を断ち毒をまくと言う噂を流し、敵を撹乱しようと考えた。

戦略会議戦略会議こうしてミシルを窮地に追いやり、トンマンは彼女を自分の側に取り込もうと考えていた。ミシルと一緒に三韓統一の夢を果たそうとしたのだ。そこで、トンマンはミシルとの最後の対談をしたいと、ピダムに伝言させた。これまで幾度となく繰り返して来たミシルと、最後の対談は屋外で行われた。このシーン、どこかで見た記憶が…そうだ。「薯童謠」で、武王(チャン王子)と真平王との対談が、このような形で行われていた。
最後の対談で、トンマンは「人材としてミシルが欲しい」と正直に打ち明け、自分に仕えるのが嫌なら、自分を“新羅の主”の後継者として育ててはどうかと提案した。それは、かつてミシルも考えたことのあったことだった。しかし、自らが“王”になる夢を見てしまったミシルにとっては、もはやそれは到底受け入れられない提案だった。ここで、はじめてミシルが新羅にかけてきた熱い情熱、愛する気持ちをトンマンに吐き出す場面がある。交渉は決裂だ!しかし、トンマンはこのとき、はじめてミシルの中に王の姿見た。
それでも何とか説得しようとするピダム。ここで、ピダムがミシルからあることを聞かれ、ミシルを“オモニ(母)”と呼ぶシーンがある。短いシーンだが、この場面がミシルに最期の決意をさせる重要な場面。絶対に見逃すことのないように。

ミシルの決意ミシルの決意勝ち目のない戦と知ったミシルは、自分の死んだ後のことを考えていた。その時、ある部隊がミシルに協力しようと百済との国境を離れてしまった。そんなことをすれば百済が攻め込んでくる!百済との国境の地は、ミシルにとって捨てることできない地だった。これまで、頑是無い子供のようにただただ新羅を欲しがっていたミシルは、ここで始めて新羅の地と新羅の民を救おうとした。その姿はまさに“民を思う王”の姿だった。それにしてもミシルとトンマン。敵同士でありながら、実によく似ている。それがよく分かるのが、互いの陣営で行われる戦略会議。まったく同じ考え方なのだ。もったいない!二人が力を合わせれば三国統一はもっと早くに果たせたかもしれない。

ミシルの最期ミシルの最期全てが終わった!最後にソルウォンと二人で詩を詠むミシルの姿は、ドラマ全編を通して最も美しく気高かった。ミシルとソルォン、この二人の愛についても後日また詳しく紹介したい。
ソルォンに全てを託した後、ミシルは自らの命を絶った。その最後を看取ったのはピダムだった。最後に母子の情愛に訴えようとするピダムを、あざ笑うミシル。しかし、その心のそこにはピダムへ託す強い思いがあった。ミシルを演じたコ・ヒョンジョン、最後のカリスマ演技を目に焼き付けておこう。
50話で、ミシルの長きにわたった野望が果てた。そしてそれは、ミシル第2の野望の始まりでもあったのだ。

ミシルの最期を見ることのできなかったトンマンは、ミシルの死にショックを受け、自分にとってミシルがいかに大きな存在だったかを思い知った。そして、自分以上にショックを受けているピダムにミシルとの関係を問いただした。ピダムはミシルが母であること、そしてミシルから捨てられたことを遂に明かした。泣きながら辛い胸の内を語るピダムに、生後すぐ城外に出された自らの身上と重ねたトンマンは、静かにピダムを抱きしめた。この場面は余計な見どころ紹介はやめておこう。

ミシルが自決して全てが終わったはずだったが、ミシルの時代に幕を引かない男が二人いた。チルスクとソクプムだ。たった二人では到底成し遂げることのできない野望。それでもミシルから受けた恩義を命がけで果たそうとした。幼少の頃からいけ好かない奴だと思っていたソクプムが、ドラマ後半に来て抜群の存在感を魅せてきた。演じたのは、ホン・ギョンイン。幼少期はノ・ヨンハクが演じている。ホン・ギョンインは、子役出身の俳優。彼が注目されたのは映画「ハリウッドキッドの生涯」「我らの歪んだ英雄」などで、ドラマでも「砂時計」「若者のひなた」などの名作に出演し、子役時代から早くもスターダムに上った俳優だ。

さあ、チルスクが決死の覚悟でトンマン殺害にやってきた。迎え撃つのはユシンとピダムの二人。不死身のチルスクもついに倒れるのだが、致命傷を負うシーンは、さすが“本格派医療ドラマと歴史の専門家、クライムアクションを成功させたスタッフ”たちだ。チルスクの命を絶ったのは、華麗な袈裟斬りでもなく、潔い真っ向斬りでもない。鎧の隙間を狙った胴斬り、それも一撃ではない。何度もギーコギーゴとやるのだ。そのリアルさに、「痛いっ!」思わず自分の腹をまさぐってしまった筆者だった。

善徳女王誕生善徳女王誕生全ての決着がついたとき、真平王が逝去し、ここにトンマン改め、善徳女王が誕生した。632年のこと。トンマンは、今回の反逆を“チルスクとソクプムの乱”と公表し、ミシル一派への処罰をせず、新羅のために彼らを生かそうとした。こうして、ミシルの乱は歴史から抹消された。

さあ、善徳女王の第1部はいかがだっただろう。第2部ともいえる52話からは、ミシルの遺した次なる野望が始まる。さあ、いったいどんな物語が始まるのか?乞うご期待を!

kandoratop【作品詳細】【「善徳女王」を2倍楽しむ】


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(c) MBC 2009 All Rights Reserved.
2009年MBC作品全62話
キャスト:イ・ヨウォン(トンマン)、コ・ヒョンジョン(ミシル)、パク・イェジョン(チョンミョン)、オム・テウン(ユシン)
演出:パク・ホンギュン、キム・グンホン/脚本:キム・ヨンヒョン、パク・サンヨン