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用語については「新羅王国」豆知識を参考に。
ついに朝鮮半島初の女帝の誕生だ!即位式の日、王座への階段を踏みしめるトンマンを見つめ、ユシンとピダムはまったく逆の誓いを立てていた。「陛下、惜しみなくすべてを捧げます」、「陛下、惜しみなくすべてを奪います」。さあ、どちらがどちらの台詞なのかは説明要らないだろう。
女王となったトンマンはミシルの残党たちを殺さず、ピダムに統制させ、彼に司量部の地位と任務を与えた。

トンマンは最終的にはすべての民に土地を与え、新羅の発展がそのまま民の希望となるように次々と対策を打ち立てた。そのためには伽耶族も新羅の民と同じく扱うことで新羅に対する忠誠心を持たせようとした。そこでトンマンは復耶会を解散させ、ウォルヤたちを新羅の軍に組み込んだ。しかし、ウォルヤたち復耶会は未だに伽耶系のユシンを王位に就けようと水面下で活動していたのだ。
そんな中、ユシンは次々と戦争で手柄をたて上将軍として軍部や民から圧倒的な支持を受けていた。それはそのまま伽耶系の筆頭としての勢力拡大にもつながった。
ユシンの活躍はピダムにとって大いに脅威だ。なにしろピダムはトンマンも新羅も自分のものにしようとしていたのだから。ユシンは力を持ちすぎた。
そこでピダムは、伽耶族の使う暗号を利用して復耶会が今も暗躍していることを暴きだした。これが見どころ⑧で紹介したあの暗号だ。そうして、ソルチとウォルヤを捕らえ、ユシンを窮地に追いやる作戦に成功した。
留置場の隣に取調室が設えられてあるのだが、なんだか現代の刑事ドラマに出てくるようなセットだ。さすが「H.I.T」を手がけた脚本家たち。ただし、当時の拷問の器具をさりげなく壁に並べるあたり芸が細かい。今後ピダムはここで取調を行うのだが、鳥の羽の扇を手に冷たい笑顔で取調べする姿はまるでミシルそのもの。
ところで、52話中盤で、ユシンたち軍部のものが勝利の美酒を酌み交わすシーンがある。貫禄はついたものの相変わらず美しいトンマンに対して、花郎たちの老けようは少々激しすぎるのではないだろうか。中でも劇的に変わったのは、チュクパンの相棒のコドだ。どれほどの変わりようかはドラマで確認してもらうとして、最も格好よく老けたのはウォルヤとアルチョン。筆者的にはかなりイケてると思うがいかがだろう。

そんな時、復耶会の首長ウォルヤが宮殿から脱走する。仕方なくトンマンは、伽耶を捨てないユシンの取調べをピダムに命じた。ピダムがユシンに伽耶を討掃せよと迫る。もちろんユシンは断る。
ところで、伽耶勢力の扱いについてトンマンと対話するチュンチュが、実に味わいのある台詞を言う。「正と不正は曖昧で、立場や時によって変わる。しかし、状況は常に的確だ」。うーん、深い。(53話)
取調室でユシンと話したトンマンはあくまでもユシンの無実を主張する。ピダムの「私もつらいですが…」と話す言葉をさえぎり、「ピダムに分かることが、ユシンにはなぜ分からないのか…辛い、だからユシンが恨めしい…」。これって今もユシンを信頼している証拠。またもやピダムの心の嫉妬の炎が大きくなった。
ピダムはユシンを宮外に移送させ、わざと復耶会にユシンを渡そうと企む。ピダムよ、どこまで悪になるのか!ウォルヤもユシンを王にするためにユシンの心を変えようと、彼を脱走させようとする。脱走したユシンは大反逆者となるので自分たちに同調するしかないはずとにらんだのだ。まったく、ユシンはこの復耶会に何度痛い目に合わされたことか…。
ユシンの脱走を知ったトンマン。かつてトンマンはピダムと聖君について語ったことがある。側近に厳

自ら宮に出頭してきたユシンによって、トンマンはユシンを捨てずに済んだ。トンマンは、ウォルヤの居所をユシンに問うが、もちろんユシンはそれを拒否。まったく、ユシンよ!いいかんげんにしろ!とは、筆者の声だが、トンマンもそう思ったのだろう、とうとうユシンを罷免し島流しの刑に処した。しかし、それはユシンに密かな任務を与えるためでもあった。
