
(まずは、(前編)ハ・ジウォンからどうぞ)
ドラマでは、チェオクを愛する二人の男性主人公が登場する。一人は、ハ・ジウォン演じるチェオクの上司で捕盗庁のエリートのユン。イ・ソジンが演じている。もう一人は、チェオクの兄のソンベク。こちらはキム・ミンジュンが演じた。共にこの作品が歴史ドラマ初挑戦だ。
イ・ソジンは、当時のインタビューで歴史ドラマ特有の所作や語り口には随分戸惑ったと語っている。しかし、彼はこのドラマで、臆することなく新しい型の歴史ドラマのヒーロー像を生み出した。これまでの歴史ドラマでは、主人公は、骨太でどちらかというと恋に不器用な男性像が多かったが、イ・ソジンは、「火の鳥」「恋人」などの現代劇で鍛えた(?)大人の男の色香を、余すところなくこのドラマに吹込んだ。これもこのドラマをこれまでにない、新しい型の歴史ドラマにした要因のひとつかもしれない。
刑事として活躍するチェオクが、何とかユンのためになろうと無謀な捜査に乗り出し、怪我を負う場面が度々ある。そんなチェオクをユンが梅畑で手当てをするシーンが実に美しい! チェオクの傷に薬を塗るユン・・・「痛むか。私も痛む」この一言。
このシーンは、映像も幻想的で「すばらしい!!」の一言に尽きる。このワンカットだけで、ユンとチェオクの互いに恋慕する気持ちが手に取るようにわかる。チェオクもそうだが、ここで見せるユンが相当色っぽい。これまでの時代劇でこれほどまでに艶っぽいドラマにお目にかかったことがない。
全編を通して見せるユンの色っぽく切ない眼差しに、エンディングの悲劇を予感してしまう。ネタバレになるのでこれ以上は書けないが、チェオク、ユン、ソンベクの3人のせつない愛を残すには、こんな形でしか実現できなかったのかもしれない。
イ・ソジンは、昨年再び歴史ドラマに挑戦している。舞台は『チェオクの剣』から100年ほど時が流れた18世紀後半。朝鮮王朝第22代王“正祖イサン”という賢君の物語だ。500年の王朝史でもっとも波乱万丈でもっとも屈曲した人生を生きた王でありながら、もっとも開かれた考えを持ちもっとも民主的な方法で皆を包み込んだ名君だ。その劇的な人生の挫折、成功の悔恨、輝く業績と悲しい愛を描いたドラマで、視聴率30%を超えるヒット作となった。
私生活のイ・ソジンは、ドラマ「恋人」で共演し、実際にも恋人となったキム・ジョンウンとの恋にピリオドを打ったばかり。ドラマが生んだお似合いのカップルだっただけに、残念がるファンたちの声がたくさん聞かれた。
◆ 『チェオクの剣』(前編)ハ・ジウォン
◆ 『チェオクの剣』 (後編)キム・ミンジュン
(以下の作品詳細は、ドラマ「恋人」より)