全ページ手書き原稿画像付き、村上龍デビュー作「限りなく透明に近いブルー」がiPadアプリで登場

2011年03月31日11時30分iPad

株式会社G2010は、作家・村上龍のデビュー作「限りなく透明に近いブルー」のiPhone・iPad向け電子書籍アプリを3月31日、App storeにリリースした。価格は900円。

「限りなく透明に近いブルー」は1976年、当時24歳にして芥川賞、群像新人賞を受賞した村上龍の衝撃的デビュー作だ。東京近郊の基地の町で暮らす若い男女が次第に荒廃していく様を描いた本作は、当時の同世代を中心に強いインパクトを与えたことで知られている。作品発表直後に村上自らがメガホンを取って映画化されたほか、世界各国で翻訳され、今なお続く村上龍人気の源流となった。

今回リリースされたアプリは、通常のテキスト文章のほか、35年前の村上自らの手書き原稿を全ページ分スキャニングしたものを画像化し、読めるようになっている。まだ20代前半の村上龍の、作家としての息づかいが直接読み手に伝わってくるという、電子書籍だからこそできた表現手法が込められているというわけだ。かつて読みふけった読者なら、村上文学の深みになお浸かれるだろう。

さらに、芥川賞受賞当時のポートレート写真16点を収録している。

2010年に「歌うクジラ」で電子書籍表現に一石を投じた村上龍が放つ、新たなスタイル。今後もその動向から目が離せない。

限りなく透明に近いブルー 限りなく透明に近いブルー - G2010 Co.,Ltd.