倉持は犬たちを迎えに南極の地を踏めるのか…ドラマ「南極大陸」第九話予告動画と前回のあらすじ-TBS

2011年12月11日08時00分ドラマ

12月11日、TBS日曜劇場「南極大陸」は第9話「終幕へ…奇跡が起きる!」を放送、南極に残され過酷な生活を送る犬たちと、再び南極を目指す人間たちの闘いの日々が描かれる。犬たちを置き去りにした事で一時は暗礁に乗り上げていた南極観測の今後だったが、無事に第三次観測隊を派遣することが国によって承認される。犬たちの生存を信じ、もう一度南極へ行く事を胸に誓った倉持(木村拓哉)だったが、過去の参加者は第三次隊の選考から外されるという基準が定められてしまう。政府の役人として真っ先にそれを知った氷室(堺雅人)はすぐさま倉持を思い愕然とする。犬たちを残した懺悔の気持ちは、倉持を南極へ行かせんとして白崎(柴田恭兵)らをも動かす。

第八話「栄光なき勇者達」
宗谷はついに南極大陸を離れ、無念の帰国の途に就く。倉持をはじめ、第一次越冬隊員たちはみな犬たちを思って鬱々とした時間を過ごしていた。しかし調理担当の山里(ドロンズ石本)は助かった人間たちが体を壊したら犬たちに悪いといって、隊員たちの食事を作り始める。山里の言葉に一同はハッとする。その頃、外務省からの電文を受けた白崎は、沈痛な面持ちで隊員たちを召集する。予想以上にダメージを受けていた宗谷では日本までの航行が不可能であることから、ケープタウンに帰港して隊員たち全員はそこから空路で帰国することが告げられた。それと同時に、第2次越冬隊の派遣に失敗した上に犬たちを置き去りにした事への批判から第3次南極観測隊については派遣中止も視野に入れて検討される旨が伝えられた。一年間、必死に南極の地で過ごした日々が無駄になってしまうと越冬隊員たちは憤る。犬たちが無駄死にになると怒りの声を上げる鮫島(寺島進)に、白崎は帰国したら派遣継続を政府に掛け合うことを全員に誓った。そして星野(香川照之)は、犬たちのためにも顔を上げ、胸を張って帰国すべきだと主張した。隊員たちはその声に動かされるように全員起立し、自らが過ごして来た一年に想いを馳せるのだった。

南極に残された犬たちは、首輪を抜けたものと抜けられなかったもので明暗を分けた。抜けられなかったものはいつしかその場で死を迎えてしまうが、自由になった犬たちにも生き延びることはたやすい事ではなかった。首輪を抜けさえすればペンギンなどの生物を餌にする事も出来たが、崩れやすい氷に呑まれて命を落としたり吹雪で方向を見失って失踪する犬などが相次いだ。

隊員たちは空路で帰国し、それぞれが以前の生活に戻るために別れを告げる。倉持は自分の研究室に戻り、白崎宛てに残した書簡に退職届を学長に提出たことを記して大学を去る。倉持は海上保安庁の倉庫に預けた雌犬のシロ子と7頭の子どもたちを迎えにいくが、そこには氷室が待っていた。倉持が退職届を出した事を聞きつけ、第3次隊を成立させるために大学の職を辞したのかと問い詰める氷室だったが、倉持は残してきた犬たちの飼い主へ南極での犬たちの様子を伝えに行くことが自分に出来る唯一のことだと告げた。辛い旅に出る倉持を、氷室は黙って見送るしかなかった。
倉持は美雪(綾瀬はるか)の小学校を訪れていた。久々の対面で笑顔のこぼれる美雪だったが、既に犬たちのことは報道で国民全てが知る事となっており、それを思うと喜んでばかりもいられなかった。倉持が北海道へ行く事を聞くと、戻ったらまた南極へ行くのかと美雪は問いかけた。しかし倉持は行かないと思うと告げ、「行けることになってとしても俺は…」と続けた後は口を閉ざしてしまった。
北海道へは同じ犬ぞり係の犬塚(山本裕典)も同行すると言い張ったが、倉持は犬塚を郷里へ帰し、単身で北海道に向かった。はじめに倉持は北海道大学の樺太犬訓練所を訪問した。そこには南極へ連れて行くことは出来なかったが共に訓練の日々を過ごした犬たちが残っていた。懐かしさに犬たちに声をかける倉持だったが、同時に南極に残した犬たちの事も否応が無しに思い出された。そこへ訓練所の古館教授(山本學)の娘・綾子(木村多江)が現れ、リキを残してきたことを批難する。やっと子どもたちがリキとの別れに整理を付けたところに倉持が現れるとまた思い出す、帰れと泣きながら綾子は倉持を罵倒し、掴みかかった。騒ぎを聞きつけた古館教授が止めに入り、綾子を帰して倉持を研究室へ招き入れた。古館教授は倉持を責めなかったが、綾子の非礼を詫びると共にリキを失って消沈する遥香(芦田愛菜)らのために大変だった綾子のことを語った。倉持は南極に犬たちを残したことを改めて謝罪し、南極で亡くなったベックとテツの首輪を渡してシロ子と子犬たちを古館教授に託した。
それからの倉持は借り受けた犬たちの飼い主のもとに、南極での写真を持参して謝罪と共に犬たちの様子を語るために出向いた。行く先々で罵られ、留守で会う事もできない飼い主たちもいる中で根気強く一軒一軒を倉持は回った。

その頃東京では、大蔵省の氷室が第3次南極観測隊の予算案を事務次官に提出していた。南極を生き抜いた自分だからこそ立てた予算案だと自信を持って氷室は予算計画を進めた。そして宗谷もやっと日本へ戻ってきたが、今後が定まらないといって修理も保留されてしまう。

古館家ではリキの小屋を撤去し、訪れた倉持にも子どもたちは冷たい態度で拒否した。しかし熱心に飼い主たちの間を周る倉持の姿に心を動かされた綾子は、南極でのリキの様子を子どもたちに話してくれと願い出る。遥香たちにリキの事を語るうちに、亮(井上瑞希)や遥香も次第に南極でのリキが充実した日々を過ごしていた事を知る。リキは仲間だったという倉持の言葉に、綾子の頑なだった心も和らぐのだった。そして、帰ろうとする倉持に、以前渡すのに間に合わなかったという遥香たちの折った千羽鶴を渡し、次の観測隊が行かれたら持っていって欲しいと託した。南極でリキはまだ死んでいない、頑張っていると言い張る遥香の言葉に胸を突かれた倉持は、再び南極に行く努力をする事を古館教授に誓って部屋を去ろうとする。その時星野から古館教授に電話があり、第三次観測隊の派遣が決定したことが知らされる。倉持もその場で大いに喜びを噛み締めた。

氷室は事務次官に第三次南極観測隊の人選についてどうなっているか尋ねていた。具体的にはこれから決めるとしながらも、大体の骨子を決めた選考基準案を示された氷室は驚きに目を見張る。そこには「第1次及び第2次越冬隊に参加したものは除く」と記されていた。

第九話みどころ
倉持を第三次南極観測隊に入れたいという想いが白崎、星野、氷室たちの間に共通して存在し、そのために尽力する場面が描かれる。物語前半では倉持と相反する立場を取り続けてきた氷室が、犬たちに命を救われたことで一転して倉持の良き理解者として役人の地位をフルに活用して立ち回る様子も見逃せない。そして南極の犬たちは、そんな人間の事情は知らずに厳しい環境の中で必死に生きるためにあがく日々を日々を送っている。人間たちと犬たちの平行線をたどる日々がいつ交わるのか、胸に詰まるようなドラマ展開だ。

ドラマ「南極大陸」は11日(日)よる9時から10分拡大枠で放送。予告動画は、番組公式サイトで視聴出来る。

日曜劇場『南極大陸』|TBSテレビ

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