橋田壽賀子の実話をドラマ化「妻が夫をおくるとき」岸本加世子主演予告動画-TBS

2012年07月23日13時29分ドラマ

7月23日、TBS系で橋田壽賀子ドラマスペシャル「妻が夫をおくるとき」を放送、脚本家の橋田が自らの人生で最も辛かった出来事―夫との死別について24年の歳月を経て書き起こした作品、公式サイトで予告動画が公開されている。これまでに多くのドラマ作品でありのままの家族の姿を描いてきた橋田が、自らを振り返ると共にある夫婦に起こった出来事から改めて人との絆を考えさせる。

橋田作品と言えば、長年に渡り同局の看板ドラマとなった「渡る世間は鬼ばかり」を始めとする、丁寧な人間関係の描写が特長だ。親子喧嘩、家庭での様々な問題や喜ぶ出来事など、実際にどこかの家庭でも起こりうるリアリティと共感を伴うことで多くの視聴者を獲得してきた。そんな橋田が昨年、人生でもっとも辛かったと語る夫との別れを正面から見据えてこの脚本を執筆した。自らの苦しみと対面する作業を伴うこの脚本作りには、橋田の重大な決意が見て取れる。
ドラマの時代は橋田がNHKの大河ドラマ「春日局」(1989年)の脚本に取り組み始めたばかりの頃に遡る。夫・岩崎喜一はTBSを退職した後に大病を患ったもののようやく回復し、第2の人生を歩もうという矢先の事だった。岩崎は59歳、橋田は63歳。退職した岩崎は起業し、夢だった畑作りも初めて充実した日々を過ごしていた。そこへ岩崎が余命半年を宣告される病に侵されている事を橋田は告げられる。大河ドラマの脚本という大仕事を手がけている橋田に、テレビマンであった夫は理解を示し入院の付き添いも明るく断る岩崎。もう岩崎には延命しか残されていないと知った橋田が選んだのは、夫に病を告知しないというものだった…
橋田役には岸本加世子、岩崎役には大杉漣という渋みのある役者が揃った。その他出演者には中村梅雀、薬師丸ひろ子、小泉孝太郎、神田正樹、泉ピン子という落ち着いた雰囲気の俳優陣が揃った。撮影スタジオには橋田と岩崎が共に暮らした実際の部屋を忠実に再現し、室内の置物なども実物を借りるなどこだわったものとなっている。TBSと岩崎夫妻の縁があったからこそ実現した詳細な描写は、夫に先立たれる妻の心情をよりリアルに浮かび上がらせる。時にはバラエティで毒舌を披露する闊達としたイメージの橋田が人知れず抱えていた苦悩を曝け出すことで何を訴えたかったのか、深く考えさせられる作品だ。

橋田壽賀子ドラマスペシャル「妻が夫をおくるとき」は23日(月)よる9時から放送。予告動画はドラマ公式サイトで視聴出来る。

橋田壽賀子ドラマスペシャル『妻が夫をおくるとき』|TBSテレビ

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