多岐川華子、初の単独主演映画は“ツルゲーネフ”を元に

2009年03月29日18時10分映画

3月28日より公開となった映画「初恋・夏の記憶」は、主演の多岐川華子が扮する17歳の少女の一夏の危うい恋を情感たっぷりに描くが、その物語が19世紀ロシアの文豪・ツルゲーネフの「初恋」を原作とすることで注目を集める。

オトナびた雰囲気、そして母・多岐川裕美ゆずりの美貌が印象深い女優・多岐川華子。本作の舞台は、山梨の美しい山間地。彼女が演じる両親を亡くした孤独な17歳の少女・成島梨生は奔放的で神秘的であり、独特の雰囲気を放つ妖しさ漂う少女。そんな彼女の雰囲気を前にし、東京から家族とともに住まいを移してきた15歳の少年・穂波佑介は、梨生の存在に惹きつけられていき、そして恋に落ちる。だが、梨生は石黒賢演じる彼の父親と関係を持ってしまう。穂波の「初恋」のゆくえは、ただならぬまどろみに落ちていく。そう、ツルゲーネフの「初恋」におけるウラジーミル・ペトローヴィチは 山田健太演じる穂波佑介であり、ジナイーダは多岐川華子の成島梨生となったのだ。

初恋のもたらす胸の高鳴り、そして不安と焦燥。野伏翔監督の撮った映像はその青々とした脈動を逃してはいない。夏の山間地という舞台設定が活きている。そして、御しきれない自分自身を抱える少女の姿を、多岐川は瑞々しく演じた。引き裂かれるような初恋の叫びの先にある、さわやかな余韻。麻生祐未、竜雷太、石黒賢ら実力派出演陣の共演も大きな見どころだ。 現在、渋谷シアターTSUTAYAで公開中の本作公式「初恋・夏の記憶」のHPでは、予告編映像を配信中のほか、撮影中のフォトギャラリー、ロケ日誌なども公開中だ。

映画「初恋・夏の記憶」 公式サイト