ベルリンフィル・ライブ5月11日はペトレンコ指揮のベートーヴェン・ピアノ協奏曲3番ほか

2009年05月06日12時00分音楽
Kirill Petrenko
Photo: Hans Joosten/Komische Oper

2009年1月からベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は「Digital Concert Hall」と銘打って、ホールから公演のライブ配信とオンデマンド配信を有料で開始している(=既報)。

5月11日(月)午前3時(日本時間)からのライブでは、ここ数年でオペラ畑からコンサートホールへと活動の場を広げて注目されるペトレンコが登場する。

キリル・ペトレンコは1972年にシベリアのオムニスで生まれ、18歳でオーストリアに移り、ウィーン音大で学んで1999年にマイニゲン州立音楽監督に就任。2002年にベルリン・コミッシェオーバー(オペラ劇場)の音楽監督に就く。2006年にベルリンフィルに初登壇してバルトークのヴァイオリン協奏曲、プロコフィエフの交響曲を振り、オペラのみならず管弦楽指揮者としても実力を見せ付けた。次代の巨匠候補のひとりと目される。

この日のプログラムでは、1970年生まれのドイツ人ピアニスト、ラース・フォークトを独奏に迎えてベートーヴェンのビアノ協奏曲第3番と、エルガーの交響曲第2番を演奏する。

ルードヴィッヒ・ヴォン・ベートーヴェン(1770-1827)のピアノ協奏曲第3番ハ短調は、1800年とベートーヴェン初期の作曲で、ピアノ協奏曲としては5番の《皇帝》の陰に隠れた地味な楽曲だが、ハ短調という第5《運命》と同じ調性から、単なるメランコリックなだけでなく、英雄的な気分も含まれているというフォークトの解釈が聴きどころ。

エドワード・エルガー(1857-1934)の第2交響曲変ホ長調は1911年作曲。前曲とは打って変わって明るく伸びやかな曲想を持ち、ちょうどハ短調と同じ調性の長調にあたる。『威風堂々』で知られる英国の作曲家の雄大な交響曲だ。

陰と陽ともいうべき明瞭なコントラストをもつこの日のプログラム、ペトレンコの指揮振りが堪能できるだろう。


配信開始:5月11日(月)午前3時(日本時間)
視聴方法:公演ごとの視聴と年間通しチケットによる視聴がある。詳しくはこちらのナビコン記事を参照。

ベルリン・フィル「Digital Concert Hall」