ベルリンフィルライブ、5月25日はアバドの定演「ロザムンデ」「海」ほかを配信!

2009年05月20日12時00分音楽
Claudio Abbado
Photo: Cordula Groth

2009年1月からベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は「Digital Concert Hall」と銘打って、公演のライブ配信とオンデマンド配信を有料で開始している(=既報)。

5月25日(月)午前3時(日本時間)からのライブでは、アバドの定期公演を配信。
前ベルリンフィル音楽監督(1990-2002)のクラウディオ・アバド(1933-)は、退任後も毎年ベルリンフィルを振るのが恒例となっている。昨年はベルリンフィルハーモニーホールの火災騒ぎがあって、場所をベルリン市内の野外コンサート場、ヴァルトビューネに移しての公演だったが、今年はメゾソプラノのアンジェリカ・キルヒシュラーガーを迎えて、シューベルトの劇音楽『ロザムンデ』、マーラーの歌曲「子供の不思議な角笛」から3曲、そしてドビュッシーの「海」を演奏する。

フランツ・シューベルト(1719-1828)の劇音楽『ロザムンデ』は、ベルリン出身の女流作家ヘルミーネ・フォン・ジェジーの戯曲「キプロスの女王ロザムンデ」の舞台音楽として作曲された。舞台は1823年12月に初演されたが、評判が悪く、わずか2日で打ち切られた。音楽は、『魔法の竪琴』(1820)からの転用された序曲と、3つの間奏曲、バレエ音楽、アリア、合唱曲など10曲からなる。台本が失われたためそれぞれの音楽がどのような場面で使われたかは不明だが、劇音楽らしい表現力豊かな作品。

グスタフ・マーラー(1860-1911)の『子供の不思議な角笛』(1888-90)は、ドイツの民謡詩集に基づく歌曲集。原典はルードヴィッヒ・アヒム・フォン・アルニムとクレメンス・ブレンターノがドイツ国内に残る民謡を収集して1806年から1808年にかけて出版した3巻からなる詩集である。マーラーはこの中から12曲にオーケストラ伴奏つきの歌曲として作曲した。今回はそのなかから「高い知性への賛歌」「トランペットが美しく鳴り響く所」「ラインの小伝説」をアンジェリカ・キルヒシュラーガーの独唱で演奏する。

クロード・ドビュッシー(1862-1918)の「海」(1905)は、交響詩と呼ばれることもあるが、作曲者自身は「管弦楽のための3つの交響的素描(エスキス)」という副題をつけている。「海の夜明けと真昼まで」「波の戯れ」「風と海の対話」と題された3つの部分から成り、さまざまに表情を変える海の様子が色彩豊かに表現される。「牧神の午後への前奏曲」とともにドビュッシーの代表作であり、印象主義音楽を代表する標題音楽である。


配信開始:5月25日(月)午前3時(日本時間)
視聴方法:公演ごとの視聴と年間通しチケットによる視聴がある。詳しくはこちらのナビコン記事を参照。

ベルリン・フィル「Digital Concert Hall」