少年にナイフで刺され重傷を負ったタツヤ（AKIRA）、見舞いに来てくれた消防団たちと接することで本当の自分に目覚めることができたタツヤは日比野（稲垣吾郎）の利益最優先とするプロジェクトを阻止しようと立ち上がるのだが…「HEAT」第8話は25日（火）夜10時より放送。予告動画は番組公式サイトで公開。

前回（第7話）ではブラックなクローバー都市開発の強引な手法があからさまになった。その筆頭に上がるのが社長の日比野（稲垣吾郎）。演じるブラック五郎ちゃんが怖い、怖い…。タツヤの企画書を破り捨て、拾おうとするタツヤの手を踏みにじる。SMAPの五郎ちゃんにここまでブラックなキャラを演じさせるとは、恐るべし「HEAT」。何かウラがありそうな社長だったが、ここまで自社の利益優先、その街に住む一般の住民たちを追い出し、富裕層だけが住む街にするとは…そんな都市開発、聞いたことない。そもそも、これだけ大きなプロジェクトなのに、任されているのがタツヤ（AKIRA）と濱田（田中圭）と榊（井出卓也）の3人だけなんてありえない。大きなプロジェクトと言うわりには、リアリティーに欠けるところが多すぎるのが残念だ。

そもそも、祭の櫓を建てたり、いなくなったペットを探したり、商店街や公共施設のラクガキを消したり、消防団って本当にそんな仕事をしているのだろうか？　まったく消火活動シーンが出て来ないドラマなので、それを期待している視聴者には物足りなさがあり、幸多市消防団第十一分団は、単なる街のなんでも屋さん化してしまっている。タツヤが華々しく活躍するシーンが少ないのも、低視聴率の一因なのではないだろうか。

そんな視聴者の物足りなさを映画『DRAGON』で一気に解消するつもりなのだろう。ドラマ、映画の原作（原案）として、ある勇敢な消防士の死をめぐり、残された者たちの葛藤と再生を描いた小説『ファイアマンの遺言』（泰建日子著、角川文庫）が刊行されている。映画は東日本大震災をふまえ、石油コンビナートや化学プラントなどの被災にそなえて設立されたドラゴンハイパー・コマンドユニットが舞台となる。当然、タツヤもその一員になると思われるが、そこへ行くまでの過程として、ドラマがどう展開していくのか楽しみなところだ。映画『DRAGON』は来春クランクイン。映画公開までだいぶ先になるが、AKIRAの華々しい活躍ぶりを期待したい。

■前回のあらすじ
幸多市の住民に寄り添ったタツヤ（AKIRA）の再開発プロジェクト案は、日比野（稲垣吾郎）によって破り捨てられ踏みにじられた。日比野は自らグローバー都市開発の利益を最優先にしたプロジェクトを立案し、従わなければ担当を外すとタツヤに宣告。タツヤは日比野の命令に従わざるを得なかった。それ以来、人が変わったようにタツヤは利益優先、日比野のプロジェクトを実行に移した。そんな中、市役所内で住民説明会が行われた。住民に混じって消防団の面々、消防署の合田（佐藤隆太）も参加。開発側の責任者として壇上に上がったタツヤを見て、咲良（栗山千明）ら消防団は愕然とする。再開発は富裕層に向けたもの、それ以外の住民は工事着工までに速やかに退去するよう命じるタツヤ。ブーイングが怒るなか、タツヤは「なぜこの説明会が市役所で行われているかわかりますか？　行政もこの話に乗っているということです。建設予定地の地権者からの委任状も取り付けています。これはもう決定事項です」と言い、住民たちを切り捨てた。
商店街を一件ずつまわり、ショッピングモールに移転する条件を伝えるタツヤ。とんてもなく高い賃料を要求するため商店街の店はどこもモールには入れない。その中の1軒、消防団の石沢（菅原大吉）が営む靴屋。タツヤは情を捨てモール入店の条件を淡々と伝える。石沢は「タツヤくんの靴を磨かせてほしい」と言った。知り合ったころのタツヤの靴はよく手入れがされていて、靴底の減り方を見て仕事に情熱を持っている人と分かったと言う。しかし今のタツヤの靴底は、いびつな減り方をしている。石沢は「本当に君個人として納得して仕事をしているのか？」と問い、タツヤは「自分の仕事に誇りを持っている」と答えた。そんな中、幸多市市長・星乃周一郎（国広富之）との会合へ向かうタツヤは車中から、少年たちがイタズラに火事を起こそうとしているのを目撃。タクシーを止め、タツヤは少年らのもとへかけより注意するのだが、少年の1人が、ナイフでタツヤの腹を刺した。

■第8話あらすじ
いたずらで火の中にスプレー缶を入れようとしていた少年たちに注意しようとしたタツヤは、その中の1人にナイフで腹を刺され重傷を負う。榊（井出卓也）に救助されなんとか一命は取り留めた。この事件は思わぬ方向へ行ってしまう。タツヤを刺したのは再開発反対派だと賛成派が言いだし大もめに。ところが等々力（鈴木伸之）が真犯人を見つけ、タツヤが火災を防ごうとしていたことがわかる。咲良（栗山千明）は榊から、タツヤが幸多市の住民によりそった都市開発案を出したが、日比野（稲垣吾郎）に握りつぶされ、利益優先、富裕層向けの開発に方針転換させられ、その葛藤に苦しんでいたことを聞かされる。タツヤの本心を知った消防団はタツヤと和解。「もう一度チャンスをくれませんか」と言い、タツヤは日比野の元へ行くのだが…。

フジテレビ8月25日（火）夜10時より「HEAT」第8話を放送。出演はEXILE AKIRA、栗山千明、佐藤隆太、田中圭、菜々緒、工藤阿須加、鈴木伸之、井出卓也、吉沢亮、小芝風花、堀内敬子、正名僕蔵、菅原大吉、稲垣吾郎ほか。予告動画は番組公式サイトで公開。フジテレビオンデマンドにて見逃し配信中。

◇フジテレビ「HEAT」番組公式サイト
◇フジテレビオンデマンド公式サイト

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