「麗<レイ>」イ・ジュンギが史上最強のツンデレ皇子を演じたワン・ソ高麗4代王・光宗って?予告動画
高麗王朝第4代王・光宗(ワン・ソ)を主人公にしたドラマ「光宗大王-帝国の朝-」(主演キム・サンジュン)、「輝くか、狂うか」(主演チャン・ヒョク)に続いて、2016年にはイ・ジュンギ主演「麗<レイ>~」が放送され、日本でも各局で放送中だ!歴史に“聖君”であり兄弟を粛清をした“暴君”としても伝わる実在の光宗を紹介!公式サイトで予告動画が公開されている。
(【「輝くか、狂うか」を2倍楽しむ】よりリライト)
【「麗<レイ>を2倍楽しむ】では、ドラマの舞台背景や豆知識、放送にあわせて各話のあらすじと見どころを紹介していくので参考にどうぞ。
■光宗即位(在位:949- 975)
中国・唐の力を借りて高句麗、百済を滅ぼした新羅は676年に半島を統一したが、その後、旧高句麗領民の支持を集めて国力を強め、新羅、後百済を滅ぼした王建によって918年、朝鮮半島を再び統一して高麗王朝を建国。国内安定のために、豪族の娘と次々と結婚したり、位を与えたりしたが、これが豪族をのさばらせ王権を弱くした。次の王、恵王も、定宗も数年で王位を追われ、高麗は早くもピンチ。そんな中即位したのが第4代王・光宗大王。
⇒高麗王朝系図参照。
■光宗の3大偉業
光宗は弱体した王権を強化して統治機構の整備を行うため、次のような政策を実施。
①956年「奴婢按検法」公布
当時、豪族たちは、所有する奴婢の男と良民の女の結婚を強要して妻子を奴婢にして自分たちの財産=奴婢を増やしていた。奴婢は納税の義務がなく、農民の数も減って王朝は財政力も国防力も弱っていた。そこで光宗は無理矢理奴婢にさせられた者を解放する「奴婢按検法」を公布し、これに対応した。劇中(第19話)、以下のような壁書で告知する。
一、戦争で奴婢になった百済人の良民を元に戻す
一、今後、良民を奴婢にすることは地位を問わず禁止
一、解放された奴婢は出身地に帰し、一定期間、税を免除する
一、出身地域で差別する慣例を廃し、官職に登用して完全な高麗人とする
②958年「科挙制度」宣布
科挙の試験に受かれば、平民でも官職に就けるという画期的な改革。科挙は6世紀末の中国・隋に始まった人材登用試験制度の事。科目別に選抜(選挙)することから科挙と呼ぶ。光宗は、君主に対する忠誠心を本文とする儒教思想を持った人材を起用することで、王の支配を全国に行き届かせようと狙った。
※科挙制度の定着によって高麗は、官僚国家として発展していったが、官僚の地位も世襲化し、門閥が形成され、権力争いが起こるようになった。
科挙制度については【朝鮮王朝豆知識】「◆科挙 」で解説。
③960年「百官公服」制定
官僚制度の整備を目的として、官僚の等級に従って官僚が着る官服の色を定めた。
※「イ・サン」など朝鮮王朝時代でおなじみの官僚たちの赤、青、緑など色別された官服の色は、これに倣っている。官服の色については【朝鮮王朝豆知識】の「◆官職の品階・◆官職の公服」で詳しく解説している。
■聖君か暴君か?
この様な大胆な改革で名君と呼ばれた光宗は、どんな素晴らしい改革も民心を得られなければ無意味だとして、仏教を通して民心の安定に力を注ぎ、貧困層のために救済所を作ったりして、光輝く名君と言われた。だが、その反面、在位の後半には敵対すると思われる豪族や親族を徹底的に排除したため、狂った皇帝との批判もあった。
「輝くか、狂うか」の最終回では「狂った皇帝」を示唆する演出があり、「光宗大王」では、終盤で暴言を吐いたり、王の暴言を非難した忠臣の首を刎ねたりと暴君と化した光宗の姿も描かれている。
果たして「麗<レイ>」ではどんな描かれ方をするのか?気になる方は、【「麗<レイ>」を2倍楽しむ】(2)の「・最終回考②:ソとウク勝ったのはどっち?」をチェックされたい。
※同じ時代を描いた作品はコチラで確認できる⇒【ドラマの年表:統一新羅~高麗時代】
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