栗山千明ら朗読 「村上春樹 “物語”の力」配信-NHKオンデマンド

2009年07月15日21時36分暮らしと文化
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NHKオンデマンドは、新作『1Q84』が大ヒット中である作家・村上春樹氏が読者に向けて発したメッセージとは何なのかを読み解くクローズアップ現代「村上春樹 “物語”の力」の配信を開始した。

1979年、群像新人文学賞を受賞した著書「風の歌を聴け」でデビュー。その後「ノルウェイの森」、「海辺のカフカ」など数々の名作を世に送り込み、いまや世界45の言語に著書が翻訳され、ノーベル文学賞の有力候補ともされる作家・村上春樹氏。だが、村上氏は、文学賞にあまり興味を示さないことで有名だ。大事なのは賞ではなく、読者が存在することなのだと、その真摯な姿勢は一貫している。

そんな村上氏の新作『1Q84』は2巻合わせて200万部を突破。文芸書としては異例中の異例といえる大ヒットとなった。80年代までは都市生活者の内面やコミュニケーションのあり方をアメリカ文学を偲ばせる乾いた文体で描き、若い世代の圧倒的支持を得た村上氏。しかし90年代、アメリカ在住中に起きた湾岸戦争、阪神大震災(村上氏は関西出身だ)、地下鉄サリン事件などを経て、作品には「暴力」、そして「悪」がこれまでの作品と違った形で登場するようになる。もちろん、これまでも「ねじまき鳥クロニクル」にて戦時中ノモンハンの題材を扱ったりと、「暴力」「悪」の存在に対する姿勢を見せていたが。

そして新作『1Q84』でもカルト宗教やドメスティックバイオレンスなどの社会問題が扱われる。その新作発表の前にエルサレムで行った感動的なスピーチで村上氏は、「個人の魂の尊厳を浮かび上がらせるために小説を書く」と宣言した。番組クローズアップ現代「村上春樹 “物語”の力」は、村上氏が読者に向けて発したメッセージとは何なのかを読み解いていく。ほか、アメリカや中国のHaruki愛読者たちを取材し、それぞれの国が抱える課題や精神状況に対し、村上作品が何を投げかけているのかを探る。海外の青年が感じる村上春樹氏の著書への感想が興味深い。

◇クローズアップ現代「村上春樹 “物語”の力」
番組の購入価格:210円(税込)
視聴期間:購入後1日
購入期限:2009年7月24日
本編時間:26分
スタジオゲスト : 松田 哲夫 (ブック・コメンテーター)
朗読 : 栗山 千明、青木 崇高

NHKオンデマンド 「村上春樹 “物語”の力」