人は自然を生物をどう守るべきか「プロジェクトWISDOM」予告動画

2010年09月23日12時41分社会
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9月23日、BS1で放送の「プロジェクトWISDOM」は今や絶滅の危機に瀕する地球上の生物にスポットを当て特集、予告動画が公開されている。今年の4月から放送開始となった同番組は、Webで意見を募集して番組に反映させるという国際テレビ討論番組としてスタートした。東京のスタジオと海外を繋いでテーマについて専門家らがディベートを行う内容に注目が集まる。

これまでに「アフリカの子供に希望を!」「暴走するマネー」のテーマについて討論を繰り広げてきた同番組が今回着目したテーマは「生き物を守る"コスト"は誰が払うのか~途上国VS先進国~」。今年10月には生物多様性条約の第10回締約国会議(COP10)が名古屋で開催されるのを受けて、世界的に危機的状況にある地球上の生物を人類がどう守っていくべきかを討論する。
今年、12年ぶりに改定された「東京都レッドリスト」では、島しょ部を除く都内からゲンゴロウが絶滅した事が認定されるなど生物の衰退が際立って目立つようになっている。人が生きるために進めた開発や乱獲によって、人類以外の生物が絶滅に追いやられている現状は由々しき事態である。
ところが、COP10では2020年までに生物多様性の損失を速やかに食い止めるべきとのEUに対する途上国からの反発などが上がる事態になっている。これはCO2削減などの利害関係とも類似しており、生物保護のためには一定の開発を規制する必要性が出てくるが、これから産業の拡充などが求められる途上国にも先進国と同様の規制を行う事で経済発展を損なう可能性に繋がるためにどうしても先進国と途上国の間で意見の対立が出てしまう。
さらに、最近では「遺伝資源」を巡る問題も先進国と途上国に対立を生む原因となっている。「遺伝資源」とは食品および医薬品のもととなる微生物あるいは動植物の事で、多くの製品が途上国の遺伝資源を元に開発を進め、それがそのまま先進国の利益として計上されてきたという現状がある。資源を提供する途上国側から利益配分が不公平であるという声が上がり、これについて国際間でのルールや枠組みを作る事も今回の会議の課題となっている。
キャスターは野村正育と滝川クリステル、出演者にはブラジル外務省環境課 課長代理のマキシミリアーノ・アリエンゾ氏、ブレーメン大学地理学教授のミヒャエル・フリットナー氏など各国の知識人を集めて討論が行われる。

「プロジェクトWISDOM」は23日(木・祝)よる9時から放送。予告動画は、NHKテレマップMOVIEで視聴出来る。


NHKテレマップMOVIE プロジェクトWisdom