★「歴史ドラマ」を楽しむ⑭新ヒーロー登場?‐『チェオクの剣』 (後編)キム・ミンジュン

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城門【『韓ドラ』ここが知りたい!】 「冬のソナタ」に代表される一大ブームは影を潜めたが、韓ドラはひとつのジャンルとして成立しており、その中でも歴史ドラマはしっかりと固定ファンを掴んでいる。

ところが、静かに一部のファンの中で愛された韓国歴史ドラマが、2007年、またもや騒がしくなった!韓国で、
視聴率1位を連続35週にわたってキープした「朱蒙」というドラマの日本襲来(?)だ。 「朱蒙」は日本でも多くの視聴者を魅了した。

「朱蒙」の主人公はご存知ソン・イルグク演じるチュモン王子だが、古朝鮮を取り戻すべく戦ったチュモンの実父である、ヘモス将軍の“夢”を実現するための物語とも言える。ヘモス将軍のカリスマあふれる人間性とその風貌を眼にしたとき、誰かを思い出さなかっただろうか?・・・そう、キム・ミンジュンが演じたあの『チェオクの剣』の“ソンベク”だ。

時代考証を全く無視した髪型といい衣装いい、まさに“フュージョン時代劇”そのもの。この人物描写にはキム・ミンジュン自身が何度もアイディアを出し、「これまでの歴史ドラマの型を打ち破ったものにしようとした」と語っている。狙い通り、歴史ドラマの壁を打ち破ったみごとな人間描写となった。

時代背景は「朱蒙」の方が古いが、ドラマの製作は朱蒙=2006年、チェオクの剣=2003年と『チェオクの剣』の方がずっと古い。(年表参照) 脚本はどちらも売れっ子のチョン・ヒョンスが手がけている。ひょっとして彼は、「チェオクの剣」で志半ばで死んでいったソンベクを悼んで、「朱蒙」のヘモス将軍を描いたのかもしれない。

ソンベクを演じたキム・ミンジュンは、もともと人気モデルとして活躍していたが、デビュー作となったこの演技でたちまちトップ俳優の仲間入りをした。翌年には、「暴風の中に」「アイルランド」、その後は「プラハの恋人」「笑顔の記憶(原題:ある素晴らしい日)」「外科医ポン・ダルヒ」と立て続けにドラマをヒットさせている。

チェオクの相手役としては日本ではユンの方が人気が高いようだが、韓国ではキム・ミンジュンが演じたソンベクの方に人気が集まったという。
『チェオクの剣』のオープニングはいきなりラストシーンから始まる。チェオクとソンベクとの壮絶な対決シーンだ。剣を交えてはいるもののどうもこの二人ただならぬ間…。とドラマの冒頭で感じてしまったらもうおしまい。間違いなくこのドラマに嵌ってしまう。

『韓ドラ』ここが知りたい!で紹介した「海神」「ソドンヨ」「太王四神記」などと比べると、話題性や視聴率では『チェオクの剣』は少し遅れをとっているのは確か。しかし、近年の歴史ドラマの“迫力溢れるアクション、スケールの大きなカメラワーク、現代版に負けない甘~い恋の言葉…”。近年の歴史ドラマのルーツはひょっとすると、この『チェオクの剣』にあるのかもしれない。

新型歴史ドラマのパイオニアとなった、ハ・ジウォン、イ・ソジン、キム・ミンジュンの3人に最高の賛辞を送りたい!

(前編)ハ・ジウォン
(中編)イ・ソジン
『韓ドラ』ここが知りたい !

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