「善徳女王」見どころ⑬チュンチュの計略!ミシル陣営の分裂[40-42話]

特集 韓ドラここが知りたい 2倍シリーズ
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以下文中の登場人物は BSフジ[人物相関図]のページで、用語については「新羅王国」豆知識を参考に。

トンマン王女の婿選び、つまり次期王(副君)選びで大騒ぎする皆の前で、トンマンは結婚せず自らが王になることを宣言する。これまで新羅を手に入れるためには“王妃”になることだと信じて、何度も結婚を繰り返して来たミシルにとって、女の身で新羅の国王になるというトンマンの発想はまったく想定外のこと。この時、ミシルの中で何かが壊れはじめた。そんなミシルにピダムが、「王妃になることしか考えていないアンタと、はじめから王になることを考えていた僕のトンマン王女とは夢の規模が違うのさ!」と挑発の言葉を投げつける。しかしこの言葉が壊れかけたミシルの“何か”を刺激した。(40話)

ところで、ドラマの中では「女王など例がない」と繰り返し論議しているが、すでに(1)「善徳女王」ってで紹介したように、日本では40年以上も前に推古天皇が女帝となって君臨している。ムンノを殺害したヨンジョンがエジプトの例を出しているが、わざわざエジプトまで行かずとも日本に女王がいるではないか!この女王問題を含めドラマのストーリーが史実と大きく違うことについては、韓国でもネットなどで論争が起きている。しかし!しかしである。だからこそ、「善徳女王」は面白いのだ。ということで、今後も史実とは多少、いや大きく違うこともあるが、あくまでもドラマの話と理解してお付き合いいただきたい。

もうひとつ史実と大きくかけ離れているのでは?と気になったことがある。チュンチュの人物描写だ。後の武列王となるチュンチュ(金春秋)は「眉目秀麗の話上手の好人物」と伝わっている。しかしドラマの中のチュンチュはミセン公相手に酒、女、そして賭け事に遊びふけっている。ミシルはそんなチュンチュを味方に引き入れ、副君に立てようと目論む。トンマンと競わせて王室を分裂させようというのだ。
天下のミシルをうまくだますことは出来るのか?天下のミシルをうまくだますことは出来るのか?しかし、ミシルの操り人形を装いながらもチュンチュはしたたかだった。ソルォンの娘ポリャンと結婚し、ミシルの情夫=ソルォンとミシルの夫=セジョンを対立させようとしたのだ。彼は、初めから母チョンミョン王女を殺したミシルたちを許すつもりは無かった。ミシル陣営を分裂させることこそが彼の狙いだったのだ。

ミシルが和白会の場でチュンチュを副君に推すと宣言し、貴族たちが真智王の孫ではあるが今では真骨ではないと反対する。
そのときだった!調子に乗ったチュンチュが“骨品制を卑しい制度”と公言してしまった。策士策におぼれるとはまさにこのこと!トンマンの女王宣言以来元気の無かったミシル。ピダムの挑発の言葉に何かヒントをもらったミシルが、ついにひらめいた。“女王宣言+骨品制の否定”、さあミシルが何を思いついたか想像してみよう。…やはりミシルは凄い!

さて、ミシルの新たな野望については後にまわして、41話~42話ではミシルやミセン公の影に隠れていたソルォンとセジョンが表舞台に出てくる。これまでくすぶっていた“情夫vs夫”の戦いがついに顕在化する。互いに貴族の抱きこみ合戦が始まり、ついには軍事力も動かし一触即発の緊急事態にまで発展する。これでチュンチュの計略はみごと成功したかに見えた。
それでもミシルは動かない。誰よりもミシルをよく知るトンマンは、そんなミシルを怪しみ、不安がった。そんなトンマンの姿を見てピダムが動き出した。眠れる獅子を装うミシルの様子を探りに出かけたのだ。ところが、ミシルはピダムをオジ山の佳穏亭へと誘った。ここはミシルが何度も危機に瀕し起死回生を誓った思い出の地。ここでミシルとピダム、母子2人っきりで散策をする。この美しい映像は41話ラストと42話の中盤でたっぷり見られる。

初めて我が子の手をとって思い出の地を踏みしめるミシル。不審がるピダム。しかし、この時ミシルは自らが“女王”となる新たな野望を新羅の地に誓っ母息子で初めてのお出かけ!母息子で初めてのお出かけ!ていたのだ。ミシルがピダムを捨てたのは真智王に捨てられたから。捨てられなければミシルは王妃の座に就き、ピダムは次代の王となるはずだった。
ミシルは思い出の地で、我が子ピダムを前にしてかつて若かった頃の思い出話に花を咲かせた。“傾国之色(国を傾けるほどの美女)”というミシルの若い頃のあだ名まで教える大サービス振りに、ピダムもこの時ばかりはミシルの息子だった。しかし、真興王のつけたこのあだ名は、「ミシルの色欲がいつか新羅を滅亡に導くと」いう警告で、事実、ミシルは己の色香で何度も王妃の座を狙っては失敗を繰り返して来た。しかし、今自らが“女王の座”に就くことを誓ったミシルにとって、“王妃の座”はもはやみすぼらしい夢でしかなかった。そして、今となってはピダムを捨てる理由はどこにもなかった。いや、どの子より自分に似ているピダムという奇妙な青年が可愛くて仕方がなかったのかもしれない。
ピダムもまたトンマンへの想いを母ピダムに語った。そして、ペラペラとトンマンの三国統一の夢を聞かせてしまった。これがミシルの野望に火をつけるとも知らず…。ここからドラマのエンディングまでピダムの暴走がいたるところで見られる。

ところで、ドラマはピダムとチュンチュを実に興味深く描いている。ピダムを善と悪が共存する人物として、チュンチュを善と悪を超越した人物として。これだけ魅力的な人物が登場するドラマもそうはあるまい。ついに目覚めたミシルついに目覚めたミシル
42話ラストでミシルを訪ねたトンマンに、ミシルが新たな宣戦布告をする。さあ、次回からはミシルの猛攻が始まる!お楽しみに。





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(c) MBC 2009 All Rights Reserved.
2009年MBC作品全62話
キャスト:イ・ヨウォン(トンマン)、コ・ヒョンジョン(ミシル)、パク・イェジョン(チョンミョン)、オム・テウン(ユシン)
演出:パク・ホンギュン、キム・グンホン/脚本:キム・ヨンヒョン、パク・サンヨン