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「善徳女王」見どころ⑭王位継承をめぐる新たな戦い！［43-45話］

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以下文中の登場人物は BSフジ［人物相関図］のページで、用語については「新羅王国」豆知識を参考に。

ミシルがついに目覚めてしまった！女性の身で王位継承を主張したトンマン、骨品制度を否定したチュンチュ。

この2人の言葉がミシルの固定観念を取り払い、“女性＆真骨”とこれまでミシルが抱えてきた悩みやコンプレックスをすべて拭い去ってしまったのだ。これで晴れてミシルは王位を狙うことを決心した。そして、チュンチュの母チョンミョンも父も自分が殺させたということをチュンチュにささやいた。全てを知ったチュンチュは、ついにトンマンと手を結ぶことを決心する。
43話では、チュンチュがトンマンと初めて心を通わせるシーンもある。おばであるトンマンと亡くなった母を想い、チュンチュが涙し、そんな甥を優しく抱きしめるトンマンもまた涙を流す、心に響くシーンを見逃すことのないように。

さて、43話初めにミシル初めての土下座のシーンが登場するのでお見逃しなく。自らが王位を狙うことを夫、愛人、そし

て子供たちの前で宣言し、力を貸してほしいと哀願するのだ。これまで仰ぎ見ていたミシルが目の前でひざまずく姿を見て、前回の見どころで紹介した“夫＝セジョンvs愛人＝ソルォン”の対決も丸く治まった。ミシルにしてもトンマンにしても、このドラマのヒロインたちは、「男としての夢より、女の夢を叶えさせたい」と思わせる女性のようだ。ふと、山崎直子宇宙飛行士を思い出した。彼女もまた夫の支えで夢を叶えた女性だ。彼女のことについてはナビコンニュースで何度も取り上げているので参考にされたい。

話をドラマに戻して、トンマンとミシルの両陣営は、それぞれ貴族勢力の抱え込みにかかった。ここからはトンマンとミシルの頭脳戦を存分に楽しもう。

まずトンマンの急務は貴族勢力を分裂させること。そのために和白会議に租税改革案を提出した。この改革案は、それまで一律五割だった税率を、5千束以下は3割に、5百束以下は1割に、逆に5千束から7千束

は六割、7千から9千は7割、9千から1万2千は8割、そして、なんと1万2千以上にいたっては9割もふんだくろうという、なんともあこぎな案だ。しかし、これは5千以下の土地を所有する貴族にとっては却って税率が安くなるというしくみになる。ここで5千にしたのがトンマンの目のつけどころ！当時の貴族の平均土地所有数は3千というところ、つまり、トンマンの租税改革案で損をするのはミシル一族だけというわけだ。なるほど！うまい考えだ。なんだかこのところ注目されている「消費税の段階的増税」と重ねてみてしまった。（2010年7月現在）

10人の大貴族から構成される和白会議は全会一致で法案が通るので、ほぼミシル一派で牛耳られている会で、こんな改革案が通るはずもない。そこでトンマンは和白会議を多数決制にすることも発議する。しかし、これは当初から可決を狙ったものではなく、会議の無用さを知らしめることが狙いだった。

一方、ミシルはヨムジョンにピダムを隔離させ、その間にユシンの父・ソヒョンと故チョンミョン王女の義弟・ヨンチュンを和白会議に参加できないよう計らい、残りの8人の大等でトンマンを政務から退かせる案件を決議させようと企んでいた。これを阻止しようとユシンとアルチョンたちが、会議場前を閉鎖していた兵たちを追い払った。そしてユシンたちは武器を手にしたまま和白会議に入ってしまった。これがミシルの策略だったのだ。

ミシルはユシンたちの取った行動を「武器を手に和白会議場に乱入した反逆行為」とみなし、トンマンをその首謀者として逮捕令を下した。
通常こうした逮捕令は玉璽（王の印）がない限り発令できないのだが、ミシルから守るためソファが持ち出した玉璽を、チルスクが取り上げたのだ。
43話、44話と頭脳戦で楽しんだドラマがにわかに殺気立った。45話からは、反逆者の首謀者に仕立てられたトンマン逮捕のための一大捕り物が始まる。

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