★「歴史ドラマ」を楽しむ⑥『太王四神記』ペ・ヨンジュンは確かに王だった!

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【『韓ドラ』ここが知りたい!】 キム・ジョンハク監督は、主人公タムドクにペ・ヨ古式-兵隊
ンジュンを抜擢した理由を「これまで、韓国ではタムドク王を古朝鮮の領土を取り戻すべく戦った強い英雄“広開土大王”として描いてきたが、『太王四神記』では、優しさの中にあるカリスマ性で人心を掌握していく新しいタイプの英雄を描きたかった。
そのイメージにぴったり合うのはペ・ヨンジュンしかいなかった」と語っている。名監督をしてこう言わしめる俳優ペ・ヨンジュンの魅力はどこにあるのか?

『太王四神記』は数千年の時を越えてからみ合う運命と、切ない愛に自らの命を賭けた、優しく勇敢な王の生涯を描いた歴史ファンタージー。韓国ドラマ史上最高の制作費と5年ぶりのドラマ復帰となったヨン様ことペ・ヨンジュンが主演ということで、放送前から大きな話題を呼んだ。周りを固める俳優陣も実力派をそろえた。タムドクのライバルのホゲ王子を演じたユン・テヨンは、このドラマで大ブレークしたし、敵対する大長老役のチェ・ミンスの怪演は、ネットで大きな話題となり下馬評どおりの大ヒットとなった。

しかし、やはり何といっても主人公タムドク王を演じたペ・ヨンジュンがいい!これまで彼が演じた『冬ソナ』のチュンサンやミニョン、『四月の雪』のインス、『ホテリアー』のドンヒョク・・・どれも良かったが、韓流と韓国文化をアジア中に広め、文化勲章にも手が届くほどの人物となった今の彼に、この役はまさにはまり役!キム監督の賞賛の言葉に寄り添えば、タムドクの全てがペ・ヨンジュンの素顔で、彼こそ真の“神に選ばれしチュシンの王”というのは少々褒めすぎだろうか。

そう思わせるほど、タムドクのペ・ヨンジュンは風格があった。世を忍ぶ仮の姿で見せたダメ王子も気品があったし、壮絶な戦いのシーンも舞っているようで美しい。ケガに泣かされた今回の撮影、実際のヨン様がタムドクと同じく満身創痍になっていく・・・。こうなると、観ている側は頭では分かっていてもヨン様とタムドクが融合してしまう。

第22話のホゲとの最後の戦いでは、タムドクの指に痛々しい肌色の絆創膏があった。「ありえない!」なんて思ってはいけない。彼は「神に選ばれし王!」そんな細かいことにこだわってはいけないのだ。現実の彼のケガは相当の重傷だったらしい。この度を過ぎた(失礼!)役への入れ込み方こそが、家族(ファン)を虜にした彼の魅力なんだろう。

このドラマはアクションだけでなくロマンスの部分も押さえてある。おすすめしたいのは「第19話、タムドクを愛するスジニが、タムドクの背中に別れを告げるシーン」と、「最終話でやっと見つけたスジニに、王は宮に帰るべきだと言われるシーン」。どちらも、この後続くタムドクの台詞とそのまなざしに注目してほしい。
エンディングに関しては、「中途半端だ」「余韻があって良い」などネット論争で大いに盛り上がったようだ。確かに相次ぐアクシデントに尻すぼみ感は否めなかったが、これだけ話題をさらったドラマ、たとえどんな結末が来ようと、不満の声は上がるだろう。それならいっそ視聴者に下駄を預けたこの手法、個人的には「有り!」だと思う。

「…わたしは人を信じる。私の見果てぬ夢は、後世で誰かが成し遂げてくれると信じている」これはタムドクの最後の台詞。お城エンディングは視聴者自身が作ればいい。いろんな太王四神記があって、いろんなタムドク王がいていい。そして、いつか同じスタッフで本当の太王四神記を完結させて欲しい。

主役、監督二人が揃って、“まだ終わっていない。遣り残したことがある”と公言している。ペ・ヨンジュンは時代を現代に移してはどうかという提案もしている。パート2を期待しても裏切られることはないだろう。ちなみに、ペ・ヨンジュン自身の一番好きなセリフは、決戦に出かけるシーンで兵士達を前にし「死んではいけない。生きて私のそばにいろ。それが、王である私の命令だ」という言葉。うーーん、まさに王の言葉。

歴史背景については『韓ドラここが知りたい!』を参照。

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