ドラマ「仁‐JIN- 完結篇」波乱の最終回あらすじ-TBS

2011年06月30日12時01分ドラマ

「仁-JIN-」を2倍楽しむのコーナー。<その1>から続く

仁は、自分が江戸へやってきた時に咲を治療できる薬を持っていたかもしれないとみんなに告白し、四方を探し回ってもらう。恭太郎もすぐさま自宅へ戻り、栄に訳を話して畳を剥がしてまで家の隅々を探すものの一向に見つからない。仁と恭太郎は、恭太郎が始めて仁を見つけた本郷台地へ訪れ草むらを探していたが、そこへ再び頭のなかに龍馬の声が響いた。「戻るぜよ、先生!咲さんを助けたくば戻れち、先生の頭の中におるやつが言うとるがじゃ。先生はどこから来たがじゃ」との問いに、未来で仁が執刀した謎の男が錦糸町公園で保護された事を思い出し、その男こそ将来の自分の姿と確信した仁は、江戸の錦糸堀へ恭太郎と向かう。



龍馬の声に導かれて錦糸堀を訪れたものの、官軍の兵が不審者として仁たちに襲い掛かってきた。それを恭太郎が食い止めている間、仁は必死で目的の場所を探していた。這いつくばりながら進む仁の先に、崖とその先の暗闇が待ち受けていた。龍馬の「戻るぜよ、先生、あん世界に」の声に押されるように、意を決して仁は崖から身を投じるのだった。やっとの事で官軍を撒いて仁を追った恭太郎だったが、そこには仁の姿は無かった。代わりに薬入りの小瓶が落ちているのを見つけるのだった。

仁は、龍馬と二人で海岸にたたずんでいた。龍馬が突然海の中へどんどん進んでいく。「先生はいつかわしらのことを忘れるぜよ。けんど悲しまんでええ。わしらはずっと先生と一緒におるぜよ。見えんでも、聞こえんでも、おるぜよ。いつの日も先生とともに」との言葉を残して更に海に入っていく龍馬を追おうとするところで仁は目が覚めた。そこは仁が元居た世界で、自分は頭に包帯を巻かれてかつて見た謎の男と同じ姿をしていた。思い立った仁は、保管室へ向かっていた。自らが経験した過去を再現すべく、胎児型腫瘍のホルマリン標本と救急用パッキン、咲のためのホスミシンの小瓶をいくつか手にして非常階段へ向かった。そこへ江戸へタイムスリップする前の仁が追いかけてきた。逃げようとする包帯姿の仁と白衣の仁は揉み合いになり、階段から転落した白衣の仁は胎児型腫瘍の瓶と共に姿を消してしまった。江戸へタイムスリップしてしまったのであろう。手許にはホスミシンの小瓶が残っていた。「咲さん、すみません」と仁は涙するのみだった。
再び仁が気付いた時、また病室のベッドに寝かされていた。そこへ同僚の杉田(戸次重幸)が現れ仁が錦糸町公園で倒れており、運ばれてきた時には脳腫瘍も見つかったことを告げた。その腫瘍が胎児型腫瘍だったか尋ねると、普通の良性腫瘍だったと戸次は答えた。そして仁を執刀したのは杉田であったとも告げられた。自分が知る元居た世界とは微妙に違っている事に仁は思い当たった。入院中の仁は、研修医の野口(山本耕史)相手に「1人の医師が江戸時代にタイムスリップする小説を書きたい」と相談を持ちかけ、タイムスリップの仕組みについての解釈を聞き出そうとする。野口は、主人公がタイムスリップしたのは自分がいた時代の江戸時代ではなく、似た別の時代の江戸時代だったとする解釈を述べた。幾層にもパラレルワールドが重なる中、主人公が次々とタイプスリップするのは別の時間軸で、そのタイムスリップは永劫に繰り返されるという自説を野口は展開する。頭の中の胎児型腫瘍についてはバニシングツイン(双子の1つが胎内でもう一つの胎児に吸収される現象)だと設定するとよいと野口は言い、それらの案に頷く仁だった。
徐々に回復に向かう仁は、図書室へ向かって歴史書を紐解いた。そこにはペニシリンを発見したのはイギリスのフレミングだったが、日本では土着的に生産されていたという記述があった。そしてその中心となったのが仁友堂であり、そこで活躍した医師として佐分利や福田、八木に横松らの写真も掲載されていた。自分の知る過去とは違うと知り、さらに昔の仲間が後世に名を残す名医とされている事に仁は喜びを覚えた。しかしながら歴史書の記載には、仁と咲についての記述が見当たらなかった。
手がかりを探すべく、橘家のあった当たりの東京をさまようと、そこには「橘医院」と書かれた建物があった。感慨深げに看板を見つめる仁に、この家のものだと名乗る女性(中谷美紀)が声をかけてきた。その風貌は野風、そして未来と瓜二つであり、驚きつつも橘咲という人物について聞かせてもらいたいと仁が告げると、その女性は仁を招き入れた。
橘家の子孫であるその女性は、きょうだいに跡を任せて自分は医学史を専攻していると語った。その内容は次のようなものであった。咲は明治維新後に実家に戻って医院を開設し、当時の女性としては進んだ医術を施していたものの産婆程度にしか見られていなかったようであるということ。咲の兄の恭太郎の回顧録によると、かつて生死の境をさまよった咲は、恭太郎がみつけた薬によって奇跡的に回復したこと。恭太郎は坂本龍馬の唱えた船中九策の保険についての項目に痛く共感し、その後日本に保険制度を根付かせるべく奔走した人物であったこと。
そして、咲は親友の娘を養女にして終生独身であった事も明かされ、仁は胸が熱くなった。咲が養女にしたという娘の名は安寿といい、家族写真も残されていた。咲のその後を知って安堵した仁が帰る際、その女性が「揚げ出し豆腐はお好きですか」と尋ねた。さらに仁を待っていたような気がするとして、一通の古い書簡を仁に手渡した。この書簡こそが、その女性が医学史を志すきっかけになったものだという。仁が女性に名を尋ねると、「橘未来です」と答えた。帰って仁がその書簡に目を通すと、それは咲による筆で「○○先生へ」との書き出しで始まっていた。そこには仁の存在が徐々に記憶から薄れることに危惧した咲による必死の思いが綴られていた。そこで咲の気持ちを受け止めた仁は、咲を想って涙するしかなかった。仁は、この先タイムスリップした事を自分が忘れてしまうであろうと予測しながらも、自らの運命を受け入れた。
ある日、脳に腫瘍がある患者が運ばれてきて、それが橘未来だと知らされた仁は、自らが執刀医として名乗り出る。仁は未来を治療するため、手術台に立つのだった。(完)


ナビコンで掲載したあらすじは物語の流れを記したもので、各場面の醍醐味である登場人物が示すニュアンスや断片的に挿入される場面、文書の内容などは省略されています。詳細については、ナビコンの記事でもご紹介するTBSオンデマンドにてお楽しみ下さい。


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