トカラ皆既日食ライブ動画配信プロジェクトを各所で展開

2009年07月08日16時04分暮らしと文化

2009年7月22日に日食が起こり、日本では全国で部分日食を見ることができる。そのうち、奄美大島北部、トカラ列島、屋久島、種子島南部などの皆既日食帯と呼ばれる細長く伸びた地域・海域内では、皆既日食を観察することが可能だ。
日食とは、月が太陽の前を横切ることで月によって太陽の一部または全部が隠される現象で、太陽が月によって全部隠される場合には皆既日食と呼ばれる。
皆既日食になると、太陽のまわりにはコロナが広がり、太陽表面から吹き出ている赤いプロミネンスなども観察することができる。空は、皆既日食の程度により夕方や明け方のように薄暗くなり、明るい星であれば見ることができる。地平線近くも、夕焼け(朝焼け)のように空が赤く染まって見える。
こんな皆既日食が、日本の陸地で観察できるのは、1963年7月21日に北海道東部で見られた皆既日食以来、実に46年ぶりとなる。次回は、2035年9月2日に北陸・北関東などで見られるまで26年間起こらない。今回は、またとないチャンスであるというわけだ。
そんな皆既日食をライブ中継しようというプロジェクトが、トカラ列島で起こっている。
「トカラ皆既日食 7島 中継プロジェクト」は、十島村の7つの有人離島(口之島、中之島、平島、諏訪之瀬島、悪石島、小宝島、宝島)がブロードバンド級の回線を活用し、7つの有人離島から皆既日食映像を鹿児島大学学術情報基盤センターに中継し、鹿児島大学学術情報基盤センターから国立情報学研究所の学術情報ネットワーク(SINET3)を経由して全世界に向けてストリーミング配信を行う。
中継拠点数としては最多となる同プロジェクトでは、各島における中継機材の操作を小中学校の教員が行うほか、小中学校生徒による各島を紹介する映像を事前に配信することも計画している。
「SYNAPSE 2009 トカラ皆既日食ライブ中継プロジェクト」は、グッドコミュニケーションズが鹿児島県十島村との共同事業および鹿児島大学学術情報基盤センターの技術協力により、皆既日食を鹿児島県十島村から同時三元生中継する。P2P技術を活用することにより、最大1Mbpsの高品質で安定した皆既日食のライブ映像を視聴することができる。
この両プロジェクト以外でも、トカラ皆既日食 7島 中継プロジェクトのオフィシャルサイトで紹介されているようなプロジェクトが予定されており、7月22日の午前中は、インターネットで皆既日食を観察したいところだ。

トカラ皆既日食 7島 中継プロジェクト
SYNAPSE 2009トカラ皆既日食ライブ中継プロジェクト