貞純王妃の野望と不吉な予言!「イ・サン」23-24話見どころと予告動画-NHK

2010年09月02日21時00分ドラマ

民の暴動騒ぎで死傷者を出したことで英祖から摂政を撤回されたサンを、さらに追い詰める陰謀が貞純(チョンスン)王妃によって準備される。

23話と24話では、老論派の影のボス貞純王妃が、地方で大臣を勤めている兄のキム・ギジュを呼び寄せ次なる陰謀の準備をする。23話でついに貞純王妃の野望が明らかになる大事な回だ。
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【第23話】
韓ドラには不出来な兄が登場してヒロインを困らせるという設定がよくある。朝鮮王朝を揺るがした三大悪女「張禧嬪(チャン・ヒビン)」の兄チャン・ヒジェ、虐げられた妻が夫に復讐する「妻の誘惑」のク・ガンジェ(こちらは悪い人間ではないが…)など、歴史モノ、現代モノを問わず多い。貞純王妃の兄キム・ギジュがまさにこれで、今後この人物が、前出の二人の愚兄に負けず劣らず問題を起こすことになる。

ギジュは、サンの腹違いの二人の弟に接近した。一人は恩彦君(ウノングン)でもう一人は恩全君(ウンジョングン)。なんと気の早い貞純は、サンが廃位した後、この2人の内どちらかを即位させ、自らが摂政を行おうと考えていたのだ。これが貞純の野望だった。これを和緩(ファワン)に内緒でやっていたものだから、彼女が怒り出した。このあたりから貞純と和緩の間に微妙な空気が流れギクシャクし始める。

そんなことはまったく知らないサンは、英祖から何故改革に失敗したのかを懇々と諭されていた。ここで言った英祖の台詞が実に良い。「王がすべき第一のことは民を慈しむ心を持つこと。良い者も悪い者も、強い者も弱い者も全てを包み込む度量の大きさが必要なのだ」と。これを、家庭の親、学校の教師、会社の上司…と置き換えてみた。トップに立つ者はこうでなくちゃ!
さらに、英祖は「頭で考えるだけではダメだ」と、机上論で改革に当たったサンのやり方を完全に否定した。自己嫌悪の塊となって落ち込むサンは書庫に引きこもってしまった。さて、引きこもりのサンは何をしていたかというと…亡き父の好きな梅花図を描いていたのだ。
ところでこの絵だが、実際にイ・ソジンが描いたもの。イ・ビョンフン監督が絵に造詣が深いというのは周知のことで、イ・ソジンはその場で監督から手ほどきを受けた。それが筋が良くてそのまま採用になった。実際のイ・ソジンもサンと同じく実に多彩な才能の持ち主だ。

話をドラマに戻して、そんなサンを心配するソンヨンは、テスにあるものを託した。5日間引きこもったサンは、このあるものを見て立ち直る。さて、いったい、このあるものとは何なのか?これはドラマで確認されたい。
元気をもらったサンは動きだした!まずは、民の暮らしぶりを知るためにテスを連れてお忍びで市中を見て回ることにした。これこそ英祖が言っていた「頭で考えるだけではダメだ」の答えだった。

ある日、サンは市場で違法商人たちが苦しめられている場面に遭遇した。商人たちはサンの改革を批判する陰口をたたいている。ハラハラするテスを制止し、ことの成り行きを見守るサンの前に、一人の老人が現れ、陰口する商人たちと口論しだした。この老人こそが、今後のサンの政事に大きな影響を与えた人物である。

ところで、23話にちょっとした見どころシーンを見つけた。ソンヨンを目の敵にするタク画員が、ソンヨンを見直す場面が23話の中盤に出てくる。ここから、タク画員の態度が少しずつ変っていくので追い逃しなく。

【第24話】
身分を隠し老人に近づいたサンは、老人の現在の朝廷が抱える問題を鋭く見る眼力と、独創的な農機具と農法を実践していることに驚き、同時に教えを請うた。この場面、サンの身分を知らない老人は随分と失礼な態度をとる。それを謙虚に聞くサン、オロオロして見守るテス。この3人の掛け合いが実に面白い。また、老人に矢継ぎ早に質問をするサンが、まるで言葉を覚え始めた幼児が何でも知りたがる姿にダブって見えて愛しく感じられる。サンは、摂政を辞めさせられてから老論派の監視の目がなくなり、このところ実に穏やかにすごしている。ひょっとしてこの時期が、サンにとっては一番幸せな時期だったかもしれない。

しかし、テスは心配して夜も眠れない状態。老人が、サンが命の危険にさらされているととんでもない予言をしたのだ。しかも、「大勢の人が見守る中、火の海に包まれる」という具体例をつけたのだからさあ大変。

一方、貞純王妃は油断していなかった。今はサンを突き放しているが、英祖は未だにサンを信頼していると睨んで、サンの処遇を考えあぐねていた。そこにとんでもない陰謀を持ち込んだのが兄キム・キジュだ。これまで何度も失敗したサンの暗殺を、今度は自分がみごとに実行してみせると豪語したのだ。どうやら、近く行われるナレイという宴の場で、サンの暗殺を実行するらしい。

ホン・グギョンだが、彼は、例の暴動騒ぎの責任を取って辞表を出して、今では肥を集める生活をしながら浪人生活をしていた。23話では、辞表を出した後、ギジュに憎まれ口をたたいたせいでこっぴどく殴られている。このひどい仕打ち、いつか仕返しするのでご安心あれ。
ナレヒの準備に大騒ぎの宮中や図画署の中、どうしても胸騒ぎが収まらないテスは、ホン・グギョンを見つけ出し相談に行った。さすが切れ者のグギョン、「火の海、大勢の人」のヒントから、次の宴で何かがあるとピンときた。さあ、ここからサンを守るため、ホン・グギョンの隠密の指示の下、テスの活躍が始まる。

ところで、イ・ソジンの笑顔にぞっこんの筆者だが、テスを演じたイ・ジョンスの笑顔も実に良い。イ・ソジンが相手をまぶしそうに見る笑顔なら、イ・ジョンスのそれは輝く笑顔。ソンヨンを見つめるテスの顔はまるで太陽に照らされたように輝く。彼はバラエティ番組にもよく登場しており、その明るいキャラクターをイ監督が気に入り抜擢した。シリアスなドラマの中で、適度にコミカルで周りを明るくするテスのキャラクターはドラマに欠かせない、みごとなキャスティングだ。

さて、今回は図画署も大忙しな様子。その忙しさの原因はナレヒのせいだ。ナレヒとは、悪鬼を追い払う宮中儀式で、図画署では4日間で200枚の厄払いの絵を準備しなくてはならない。例年の倍の枚数とあって、パク図画署長が素晴らしいアイデアを出してきた。油紙を写し紙にして、茶母たちに下書きさせるのだ。ソンヨンからこれを聞いたサンは、自分のやった改革も役に立ったのだと感激し、ソンヨン相手に軽口をたたいたりする。

25話からは再びサンが悲劇に見舞われる。それまでの一時の安らぎの23、24話を見逃すことのないように。ドラマは9月3日(金)よる10時からのNHKBShiで放送。

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