東映の御家芸ともなった集団抗争時代劇であるが、『将軍家光の乱心 激突』では、なおかつ千葉真一がアクション監督を担当している。それだけに、争いの場面は迫力があるし、これまでにない新しい戦い方も披露されるのだ。
徳川三代将軍の家光(京本政樹)は長男・竹千代を嫌い、次男・徳松を溺愛していた。そのため、竹千代は佐倉藩に預けてしまっていた。
このままいくと将軍の地位は竹千代が継ぐことになる。そのことを懸念した家光は、重臣の阿部重次(松方弘樹)に竹千代の暗殺を命じる。
一方、佐倉藩では藩主の考えから、石河刑部(緒形拳)ら凄腕の浪人たちを護衛につけていた。石河は家光、阿部らと因縁があるようだった。
幕府の刺客たちと浪人集団との激しい闘争の火ぶたが切って落とされようとしていた……。
『柳生一族の陰謀』以来、東映は史実の間隙を縫うような「新解釈」時代劇を連打してきて、これもまたその流れにある。しかし、いつもながら徳川家光の役どころは良くないようだ。
こうしたアクション物には珍しい緒形拳が熱演しているほか、アクション監督の千葉真一じしんが敵役として登場し、見事な体技を見せてくれる。
荒唐無稽の一歩手前で踏みとどまるアクション時代劇の怪作
スタッフ: 原案:中島貞夫、松田寛夫/監督:降旗康男/脚本:中島貞夫、松田寛夫/音楽:佐藤勝/主題歌:「FAITHOFLOVE」THEALFEEキャスト: 緒形拳/織田裕二/千葉真一/松方弘樹/京本政樹/丹波哲郎/成瀬正孝/長門裕之/二宮さよ子/浅利俊博
(C)東映
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