[チャングムの魅力]キャストの魅力

特集 韓ドラここが知りたい チャングムの魅力
TVや動画サイトで繰り返し放送されている「チャングムの誓い」-いまさら、チャングムの魅力なんて思うかもしれない。しかし、朝鮮王朝を舞台とする歴史ドラマが、日本で数多く放送されている今だからこそ、チャングムの魅力をもう一度探ってみたい。

チャングムの生きた時代については、ドラマで知る韓国の歴史の「【李氏朝鮮時代】女たちの出番-チャングムが生きた時代」を先に読んでいただきたい。

ドラマ「大長今-宮廷女官チャングム誓い」は、一介の宮女から遂には王の主治医を勤めるまでに至った、実在の女性の波乱万丈の人生を描いた物語だ。ただし、残されていた記録はほんのわずかで、ドラマの殆どはフィクションだと言われている。時代を共有したドラマにどんな作品があるのかは表「ドラマの朝鮮王朝」で確認されたい。特に、「女人天下」「ファンジニ」「ホジュン」「張禧嬪」などのドラマは、「チャングム」を観ておくと理解しやすいかもしれない。

韓国、日本はもとよりアジアから世界中を魅了した「チャングム」のスタートは、決して恵まれたものではなかった。イ・ビョンフン監督は“企画段階”の時点で、ヒロインをソン・ユナにしようと考えていた。すでに、「ホテリアー」(ペ・ヨンジュン主演、2001)で人気女優となっていた彼女は、歴史ドラマの撮影が長期間に及ぶことなどを理由にこれを断った。その後も次々と断られ、最終的に当時すでにトップスターだったイ・ヨンエに決定したという“破れかぶれのキャスティング”だった。(このあたりの詳しい事情は、naviconニュース【韓国芸能】イ監督が語る「大長今」秘話!破れかぶれで決まったイ・ヨンエのチャングム!を参照)
ちなみに、ソン・ユナは、2006年作品「朱蒙」のソソノ嬢役でも第一候補に挙がっていたが、断っている。彼女は、ドラマ史に残る名作2本に肘鉄を食らわした女優ということになる。

とまれ、ヒロインとなったイ・ヨンエは、今ではアジア中で愛される国民的女優となったが、彼女のデビューは早く、小学生時代にはすでに雑誌モデルをしていたという。芸能界への正式なデビューは14歳で、当時“酸素のような女優”と称され、彼女の透き通った美しさを誰もが認めていた。そんな彼女が、日本でも有名になったのは、映画「JSA」のソフィー・チャン少佐役。軍服姿でも彼女の美しさは隠しきれなかった。彼女の美しさは外見だけのものではなく、役に取り組む真摯な姿や、慈悲深い行動から醸し出されているのかもしれない。(詳細は、「親切なクムジャさん」で、あの宮廷女官の“チャングム”イ・ヨンエが残忍な復讐鬼に変身!で。)

チャングム役でのイ・ヨンエには、みすぼらしい身なりが目立つ。宮廷に女官として登用されてからも、彼女の着衣は色あせている。特に、チョゴリには、ドンジョンという白い衿がついているのだが、彼女のそれは他の出演者のものに比べ、少々黄ばんで見えるものが多い。貧しさをあらわすためだろうが、これが却って彼女の透き通った肌の美しさを際立たせている。ライティングについても、自然光であれ、人工のライティングであれ、彼女の背後からあたることがよくある。彼女の場合、バックから光があたると耳までが透き通る。これが、彼女を一層美しく浮かび上がらせる。監督はこれを意識して撮影したのだろうか?機会があれば、ぜひ監督に訊いてみたい。

ドラマで、チャングムと心を通わせる両班の高級官僚ミン・ジョンホを演じるのは、チ・ジニだ。彼は、元フリーのカメラマンをしていた人物で、2000年にドラマ「ジュリエットの男」で主演に抜擢され、「21世紀のロミオ」と呼ばれたシンデレラボーイだ。彼はこの作品の後、大ブレークし、「波乱万丈ミスキムの10億作り」「春の日」「スポットライト」をヒットさせ、日本のドラマのリメイクドラマ「結婚できない男」に主演している。

ドラマの魅力のひとつは、なんといってもイ・ヨンエの魅力によるところが大きいだろう。しかし、彼女以上に貢献したのは、チャングムの子役を演じたチョ・ジョンウンだ。幼児といってもいいくらいの年嵩の彼女(日本式の数え方で当時7歳)の名演技に、どれだけ多くの大人が笑い、そして涙腺を決壊させられたか…。まだドラマを視聴していない方は、ドラマで彼女の天才子役ぶりをお確かめいただきたい。ジョンウンちゃんは、その後多くのCMに登場し、2007年には「王と私」で、ポドゥリ役のキム・ジョンミンの子供時代を演じた。

魅力たっぷりの俳優たちは、まだまだいる。今や日本でも人気の俳優・女優を紹介しよう。
多くの俳優たちが、おなじ朝鮮王朝が舞台の他の作品にも登場している。
※【役柄(人物紹介)】俳優名:「代表作」役名
【ソ・チョンス(実父)】パク・チャンファン:「宮」シン君の父、「ファンジニ」中宗王
【パク・ミョンイ(実母)】キム・ヘソン:「糟糠の妻」主人公ハン・ボクス
【カン・ドック(養父)】イム・ヒョンシク:「ソドンヨ」メクトス
【ドック妻(養母)】クム・ボラ:「春のワルツ」チェハの母
【ハン尚宮(師匠)】ヤン・ミギョン:「王と私」成宗王の祖母
【チョン最高尚宮(師匠)】ヨ・ウンゲ:「王と妃」シン氏
【イ・ヨンセン(親友)】パク・ウネ:「イ・サン-正祖大王」イ・サンの正室
【チェ・グミョン(ライバル)】ホン・リナ:「大王の道」第22代王正祖の実母
【チェ尚宮(仇敵)】キョン・ミリ:「朱蒙」元氏王妃、「張禧嬪」粛宗の母
【チェ・パンスル(チェ尚宮の兄)】イ・ヒド:「ホジュン」ク・イルソ
【チョン・ウンベク(菜園の上司)】メン・サンフン:「イ・サン」ナム・サチョ
【シンビ(内医院同僚)】ハン・ジミン:「イ・サン-正祖大王」ソン・ソンヨン
【中宗(11代王)】イム・ホ:「ホジュン」イ・ジョンミョン

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kandoratop【作品詳細】【「チャングムの誓い]を2倍楽しむ】
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キャスト:イ・ヨンエ、チ・ジニ、ホン・リナ、イム・ホ、ヤン・ミギョン、ヨ・ウンゲ、パク・ウネ、ハン・ジミン、キョン・ミリ
監督/演出: イ・ビョンフン、脚本: キム・ヨンヒョン