正義のために戦う男たちをファッショナブルに描いた『アンタッチャブル』

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結末は分かっているのだが、それでも引き込まれていくドラマというものがある。とくに勧善懲悪ものは、悪役が憎らしいほど強く、いくつもの苦難が主人公たちに用意されていればいるほど、手に汗握りつつ見入ってしまうのだ。
その意味で、すでに古典ともいえるエリオット・ネスVSアル・カポネの物語は、日本でいうところの忠臣蔵風の面白さがある。

1930年代のアメリカ・シカゴ。禁酒法の下、ギャングによる密造酒造りや地下酒場は華やかであり、ギャング同士の抗争も激しかった。その中で、アル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)が最も力をもっていた。
財務省からシカゴの特別調査官として派遣されてきたのがエリオット・ネス(ケヴィン・コスナー)。警察の上層部にもカポネに通じていることを知り、暗澹たる気持ちになる。
初老の警官ジミー・マローン(ショーン・コネリー)らの協力を得て、ネスはカポネの悪事を暴いていく。
ネスらのグループは「アンタッチャブル」と呼ばれるようになるのだが、カポネは彼らを抹殺するよう部下に命令するのだった……。

ケビン・コスナーの清廉さとショーン・コネリーの老練さが見事な調和をみせる一方、体重を増やし、髪の毛も薄くしててカポネ役に挑んだロバート・デ・ニーロが実に憎々しい。
衣装デザインをジョルジョ・アルマーニが担当しているが、俳優たちのさりげないスーツの着こなしもまた一見の価値ありだろう。

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