「屋根部屋のプリンス」最終回で明かされた真実と、世子イ・ガクを歴史の中で探す!予告動画案内。

2013年06月29日10時55分ドラマ
(C)SBS

最終回で明かされた嬪宮殺害事件はあまりにも悲しい結末だった…「屋根部屋のプリンス」最終回を見逃した方のために、事件の真相とイ・ガク(ユチョン)とパク・ハ(ハン・ジミン)のその後、そしてイ・ガクのモデルとなった(かもしれない)実在の人物について紹介しよう!予告動画はDVD公式サイトで公開。そのほか見逃した回のある方は、全話のあらすじと見どころ、ドラマ視聴に役立つ楽しい情報を紹介している【「屋根部屋のプリンス」を2倍楽しむ】を参考にされたい。

■最終回のあらすじ
テム(イ・テソン)の車にはねられ貯水池に投げ出されたパク・ハの体は、“うつぶせ”に浮かんだ。その光景を目撃したイ・ガクは、世子妃、嬪宮の死の場面を思い出した。イ・ガクの救命でかろうじてパク・ハの命は助かったものの、肝臓がひどく損傷し、すぐにも移植が必要。セナ(チョン・ユミ)は、一時は迷ったものの、実の妹パク・ハを助けるためにイ・ガクとこっそり連絡を取り、自分を連れて海外逃亡しようとするテムを止め、肝臓移植に臨んだ。テムがテヨン殺害未遂などの容疑で逮捕され、パク・ハの命を救ったセナは自らの足で罪を償うために警察に向かった。
これで現代での事件は片付いた。あとは本物のテヨンの回復を待つばかり。
イ・ガクたちは、パク・ハとの別れの準備、臣下3人は昔取った杵柄、いえ、朝鮮時代に培ったそれぞれの特技を生かしてあっという間に大金を稼ぎ、パク・ハに店をプレゼント。しかし、パク・ハの欲しいものは愛する人と思い出。それを記憶に深く刻むためにイ・ガクと結婚したかった。パク・ハの気持ちを理解したイ・ガクは結婚を承諾。2人きりの結婚式を屋根部屋のテラスで挙げた。愛の口づけをしたその時、イ・ガクは消えて行った…。
朝鮮時代では、事件の真相が暴かれ、臣下3人はオムライス屋で大儲け。イ・ガクは、瀕死のプヨンが遺した手紙を読み、パク・ハへの手紙を認め2人の秘密の場所に隠した。
300年後の現代でパク・ハは、「気が狂いたいほどパク・ハに会いたい。愛してるともっと言えば良かった。パク・ハ、愛してる。どうか元気で…」という世子からの手紙を受け取った。意識を回復したテヨンが、パク・ハの店にやって来た。この先2人がどうなるかは分からない。しかし、テヨンがパク・ハに一目ぼれしたあの一瞬まで時間を戻すことが出来た。

屋根部屋のプリンス■事件の真相
世子妃の父左大臣ホン・マンピルは、イ・ガクの異母兄ムチャン(武昌)君と謀反を考えていた。ムチャン君は、3歳の時、王妃であった母が廃妃され宮殿から追い出され、世子を暗殺して自らがその位置に就こうとしていた。そしてこのムチャン君こそが現代のテムの生まれ変わりだった。嬪宮の死は、ムチャンたちが計画した世子暗殺の犠牲だった。すべてが現代とつながっていた。
パク・ハの前世プヨンは、兄から姉に献上するようにと言われた白粉と、父から言付かった手紙を持って宮殿へ。宮中で転んでしまったプヨンは、こぼれた白粉にどこか違和感を覚えながらも、偶然来合わせた世子に助け起こされた。元々世子妃となるのはプヨンだった。それをセナの前世である嬪宮が、プヨンの顔にやけどを負わせ、自分が世子妃の席に就いた。しかし、本来結ばれるはずだった世子とプヨンは、義理の兄妹として穏やかに心を通わせていた。世子は優しく器用な世子妃を深く愛していたが、それは全てパク・ハの手によるものだった。
プヨンは姉の嬪宮に献上物を届けた際、父の手紙を読んだ姉の反応に何かしら不安を覚え、帰宅後、必ず持って帰るようにと言われた父の手紙を盗み見た。そこには、白粉が世子暗殺のためのヒ素で、夜食に持ってこられる干し柿に振りかけて世子を暗殺せよ、との恐ろしい命令が記されていた。プヨンは、すぐに宮殿へ向い、非常識を承知で夜分の謁見を申し出る。世子夫妻の前には、干し柿があった。プヨンは、世子から出されたクイズに正答し、褒美に干し柿をねだった。ヒ素を振りかけた姉の前で、世子を救うため、そして姉に殺人の罪を着せないため、自らの命をかけて黙々と干し柿を平らげる。
目的を達成したプヨンは、最後に命がけで愛した義兄ガクの姿を目に焼け付け、ふらつく足で芙蓉亭へ。世子の就寝を待って駆け付けた姉、嬪宮は、計画を台無しにした妹プヨンを責めるが、プヨンは、「世子を助けてほしい。毒殺計画が発覚すれば姉と一族が断罪されるから、自分が世子妃に変装して芙蓉池で溺死したことにすれば、世子の命も一族も助かる」と命がけの計画を姉に話す。プヨンは最期の力を振り絞り、手紙を屏風に隠して芙蓉池へ…。
その後、嬪宮はプヨンとして身を潜めた。

全ての真相を明かした世子イ・ガクは、屏風に隠されたプヨンからの手紙を読んだ。そこには、世子への深い愛が綴られていた。「何百年経とうと、貴方を愛しています」と。

世子たちがパク・ハの屋根部屋にタイムスリップした理由が全て明かされた。世子は、自分の暗殺と、本来結ばれるはずだったイ・ガクとプヨンの愛を取り戻すために300年の時空を超えたのだった。

■世子イ・ガクのモデルは?
このドラマは、まったくのフィクション。しかし、300年前…1710年頃といえば、当時の王は粛宗。韓国の歴史をよく知る人なら、いくつかのキーワードを繋ぎ合わせれば、一人の悲劇の王子にたどり着くはず。その前に、世子妃の父が何故、婿である世子殺害を計画したのか。ここから考えよう。
●暗殺の同機
世子妃の父といえば、将来最も力のある外戚になれるはず。これには当時の党派の争い(老論vs少論)が大きくかかわっていた。左大臣ホン・マンピルは、世子の母を廃妃し、服毒死を命じた張本人だった。だから、世子イ・ガクが王位に就いたその時、自分に報復するのではないかと考えムチャン君と手を組んだ。
●劇中描かれたイ・ガクのエピソード
① 書道に造詣が深い。(パク・ハとイチゴの収穫に出かけるシーンで紹介)
② 蟹アレルギー(祖母たちを屋根部屋に招待したパーティーで紹介)
③ 干し柿による暗殺(最終回で暴露)
以上を考えた時に、世子イ・ガクは、後の朝鮮王朝第20代の王、景宗(1688年 - 1724年没)で、その母は、朝鮮三大悪女のひとりでドラマ「張禧嬪-チャンヒビン-」「イ・サン」にも登場した“オクチョン”その人と推察できる。
景宗は、父粛宗と側室オクチョンの間に誕生したが、長男で粛宗の愛を一身に受け3歳で世子の座に就いた。聡明で、書道への造詣が深く周囲から愛されたが、母が王妃から降格、そして服毒刑に処せられ、父からも冷遇、寂しい青年期を送った。父の死後王位に就くも、たった4年で急死。その後、腹違いの弟、延礽君が王位を継ぐ。しかし、景宗の急死には、反対派閥による暗殺の疑いもあった。景宗は、当時の医学で相剋とされた蟹醤と柿を食べ、延礽君が医師の反対にもかかわらず参茶を薬として使い、命を落としたとも言われている。
これは有名なエピソードで、ネットで“景宗 朝鮮王朝”と検索すれば日本でも簡単に調べられる。劇中パク・ハが、イ・ガクのことを調べるため図書館で涙したのは、おそらくこの憐れな青年王、第20代王である景宗の資料を読んだと思われる。

ドラマ「屋根部屋のプリンス」ではこうしたエピソードがあちらこちらに盛り込まれている。そういえば、全体を観なおしたとき、ここで紹介したエピソードは、ほんのちょっぴり唐突感もあるかも知れないが、作り手は、こうしたことを視聴者に小出しにしていたのだろう。他にもあるかもしれないエピソードを探すのもまた、このドラマの楽しみ方だ。

そして、景宗の後に王位に就いた延礽君こそは、ドラマ「イ・サン」に登場する英祖なのだ。このあたりの党派の争いは、【「イ・サン」を2倍楽しむ】の(3)で詳しく紹介している。また、朝鮮時代の党派の流れをまとめた年表も用意しているので、気になる方はこちらをチェック⇒党派の年表

「屋根部屋のプリンス」は、ユチョンの初主演作「トキメキ☆成均館スキャンダル」と同様、歴史を知らなくてもフィクション時代劇として十分楽しめるドラマだが、こうした歴史の背景を知ったうえでもう一度見直すと、もっと深くドラマを楽しむことができる。こうしたドラマだからこそ、ユチョンのファンでなくても彼の作品に深く惹かれるのかもしれない。

「TBS韓流☆セレクト」での放送は終了したが、【「屋根部屋のプリンス」を2倍楽しむ】は、まだまだ続きます。ドラマを大いに盛り上げてくれた臣下3人組や、愛すべき適役、そのほかの登場人物についても紹介していくのでお楽しみに。

TBS「韓流★セレクト」番組サイト
「屋根部屋のプリンス」DVD公式サイト

kandoratop  【「屋根部屋のプリンス」を2倍楽しむ】

★本サイトで掲載されている記事、写真については一切の転載・複製を禁止いたします。

PR