9月6日、NHK・BSプレミアムのドラマ「酔いどれ小籐次」は第12回「父の背中」を放送、おりょう（比嘉愛未）の告白を受けた赤目小籐次（竹中直人）は有頂天でおりょうの新居探しを手伝う。その陰で、駿太郎とおこう（鶴田真由）は心を痛めていた。その矢先、小籐次の商い仲間であるおうづ（大後寿々花）が父が賭場で負った借金のために売られてしまうことが分かる。小籐次はおうづの為に早速賭場へ乗り込む。

[第11回「偽小籐次」あらすじ]
様々な出来事で、江戸では小籐次のことを「酔いどれ様」と呼び人気が高まっていた。果ては長屋にまで小籐次を見物にくる者達が押し寄せる始末であった。ある日小籐次はしばらく振りに研ぎ屋として露店を出した。久々におうづと蕎麦屋に出掛けた小籐次だったが、隣に居合わせた客は小籐次の悪評しか聞かないと顔をしかめる。詳しく聞くと、小籐次は研ぎの腕は下手な上に暴利を貪るというのだ。憤慨したおうづは、その噂を語った太郎吉（内田滋）に被害に遭った床屋に連れて行くように促した。太郎吉に案内されて床屋の主人に話を聞いたおうづと小籐次だったが、主人は小籐次を見てこれは小籐次ではないと言う。そして店の前を通りかかった浪人を見て、あれが自分が刃物を研いでもらった小籐次だと言うのだった。男は料亭に入り、小籐次を名乗って接待を受けていた。そこへ小籐次が踏み込み、剣の腕で本物である事を証明すると振りかぶる。しかし剣を交えるうちにその太刀筋から、男が幼なじみの北堀五郎兵衛（片岡鶴太郎）であると気付く。五郎兵衛は小籐次に会いたいばかりに小籐次の名を騙って小籐次が来るのを待っていたのだった。

小籐次は早速五郎兵衛を万八楼に連れていきおこうに紹介する。旧友と腹を割って笑顔で語り合う小籐次の様子に、おこうも目を細める。歓談した後、小籐次は五郎兵衛が妻を亡くし、婿入りした先の道場まで失いそうだと漏らすのだった。その日小籐次は五郎兵衛を長屋に泊めてやった。
翌日、町へ出た小籐次は瓦版屋の空蔵（山崎一）がおりょうが歌人になるために水野監物の元を辞したのは、実は水野のお手つきになったからだという瓦版を売ろうとしていた。小籐次は憤り、空蔵の瓦版を全て破り捨てて水野に事実を問い質しに行く。水野はその噂はでたらめであると語ったが、水野は勘定奉行への昇進が決まっておりそれに絡んで中傷されているのではと推察した。一方、おりょうは小籐次の長屋へ行き、背を向けて横たわる五郎兵衛を小籐次だと勘違いして自らの思いを告白する。五郎兵衛は小籐次を慕うおりょうの言葉を聞きながら、亡き妻と道場を借金のかたに取ろうとする商人との取り引きを思い返していた。道場を大事にしていた妻への気持ちから、五郎兵衛はある決心を固めた。

夜、小籐次は空蔵を万八楼に招きおりょうの噂を流した人物と接触するのは避けた方が良いと忠告し、水野から聞いた裏話を語って聞かせた。商売道具をふいにされて恨み言を言う空蔵だったが、おこうのとりなしもあってすっかり和解して小籐次と酒を酌み交わした。同じ頃、水野監物の配下の侍が辻斬りに遭うという事件が起きていた。斬った男は、赤目小籐次と名乗ったという…。

朝が来て、江戸の町には小籐次が辻斬りをしたという瓦版が出回る。同業の瓦版屋に食って掛かる空蔵だったが、目撃者も居ると相手は譲らない。時を同じくして小籐次も長屋から姿を消し、噂はますます広まっていった。おりょうは小籐次を探しに万八楼を訪れたが、おこうはおりょうが小籐次をかくまっていると思っていたと語った。おりょうはおこうに小籐次を想っているのではと尋ねるがおこうははぐらかした。空蔵たちが手を尽くして小籐次を探すと、小籐次は以前行灯作りで世話になった遊郭に身を隠していた。小籐次はおそらく五郎兵衛が自分を騙って辻斬りを行い、それは恐らく金のためで依頼したものがいるだろうと語って聞かせた。翌日、空蔵は辻斬りをしたのは五郎兵衛である事、その裏側に水野の昇進を阻むものの企みがある事などをしたためた瓦版を売りに出した。その頃、亡き妻と自分のしでかした事を思い涙で道場を磨く五郎兵衛のもとへ文が届く。辻斬りの一件で水野の屋敷に来るようにと書かれた内容に、五郎兵衛は夜更けに水野邸へ現れる。そこへ立ちふさがったのは小籐次であった。小籐次は五郎兵衛を断罪し、刀を抜いた。そして五郎兵衛は小籐次の前に倒れる。息を引き取る前、おりょうは心底小籐次に惚れていると言い残す。居合わせたおりょうは固唾を呑んで小籐次を見守るのだった。

「酔いどれ小籐次」第12回は6日（金）よる8時から放送。ドラマ公式サイト「次回予告・あらすじ」では予告動画が配信されている。放送翌日からはNHKオンデマンドにて見逃し配信も行なわれる。

◇BS時代劇「酔いどれ小籐次」｜NHKオンライン
◇NHKオンデマンド　酔いどれ小籐次