9月22日、NHKの大河ドラマ「八重の桜」は第38回「西南戦争」を放送、八重（綾瀬はるか）が新島襄（オダギリジョー）と同志社の運営に奔走している頃、ついに武士の制度が全廃された事で全国各地で士族による内乱が勃発する。新政府に次々に鎮圧された内乱の残党は、西郷隆盛（吉川晃司）を頼って続々と鹿児島へ流れていく。鹿児島でも士族の不平が高まり、ついに挙兵となる。鎮圧する新政府軍を率いるのは西郷の兄弟分でもあった大山巌（反町隆史）であり、政府軍には山川浩（玉山鉄二）、佐川官兵衛（中村獅童）、藤田五郎（降谷建志）らも従軍していた。

[第37回「過激な転校生」あらすじ]
新島襄と結婚した八重は、新居が出来るまで山本家で生活することになった。西洋の文化を貪欲に取り入れようと、八重はエプロンドレスを作り朝食にベーコンと卵を焼く。そして新島からは、以後「旦那様」ではなく「襄」と呼ぶように頼まれ、戸惑いながらもそれを実行するのだった。新居の建設について新島たちは大垣屋（松方弘樹）に相談するが、西洋式の建築に便所の話など、大垣屋は目を見張る。そして二人が八重さん、襄と呼び合うのを興味深く見つめ、この夫婦が持つ西洋の文化を発信していこうという志に感心するのだった。八重は初めてのベッドも体験し、どんどん西洋の文化や考え方を身につけていった。英学校の生徒たちは、世話役として新島と一緒に出勤する八重が新島の先を歩き呼び捨てする事に目を丸くして驚く。
英学校は全国各地で増えてゆき、同志社も生徒が徐々に増えてきていた。しかし生徒数が増えるに従って、生徒たちの習熟度に差がついてきていることから一クラスでの授業の運営が難しくなっていた。そんな折、新島のところへ熊本洋学校の生徒たちを預かって欲しいという依頼が届く。熊本は攘夷を叫ぶ元武士が多く、洋学校の生徒たちがキリスト教に改宗したことで廃校に追い込まれてしまった。新島は覚馬（西島秀俊）に相談するが、未だにキリスト教に反発する人の多い京都を考えて受け入れは断った方が良いと進言する。その矢先、一人の学生が新島を訪ねてやってきた。着の身着のままで山本家で倒れこんでしまったその学生は、新島を頼ってやってきた熊本洋学校の生徒だった。やつれきったその様子を見て、新島は熊本の学生たちを引き受けることを約束してしまう。
こうして、同志社に熊本からの学生達もやってきた。彼らは熊本バンドと呼ばれ、高い学力と強い結束力で他の学生たちを圧倒した。他の学生の勉強の進度が遅れているとあざ笑い、八重に対しては鵺（ぬえ）とあだ名を付けて馬鹿にするのだった。ある日、八重は熊本から来た徳富猪一郎（中村蒼）が具合悪そうなのを見かけて声をかける。薬を出し介抱する八重に、徳富は自分が新聞記者になりたいと夢を語る。自分に鵺とあだ名を付けた徳富が心を開いてくれたことで、八重は喜ぶ。
そのうち、熊本バンドたちとの軋轢から、同志社を退学する生徒が出てきた。新島は悩み、眠れぬ日が続いた。そんな新島に、八重は「良いものは良い」と思い受け入れる事にしたと打ち明けた。こうして八重に励まされた新島だったが、熊本バンドの学生たちから同志社の改革案を突きつけられる。その中には風紀の粛清と厳格化、更に新島の校長退任などが盛り込まれていた。新島は習熟度にクラスを分ける意向はあるが、学力の進度で退学にさせることはしたくないと明言した。己のために他者を排除する人は許せない、同志社の学生は学力によってやめさせられることは無いと涙を流して訴える新島に、熊本バンドたちはならば自分達が辞めると言って去ろうとした。そこへ八重が割って入り、自分達の学校を自分達で作る、その手伝いをして欲しいと彼らを執り成した。いきり立つ熊本バンドたちに、徳富が八重に渡された包みを持って現れた。生徒たちのために涙を流す新島は男らしいと思うと表明する徳富は、包みを開ける。そこには熊本バンドの全員のために八重が佐久（風吹ジュン）と共に作った羽織があった。生徒たちは羽織の袖を通してその暖かさを噛み締める。
翌朝、同志社には生徒たちが読めるように新聞が置かれていた。徳富はそれに手を取り、八重の心遣いだと気付く。新しい羽織を着て気まずそうに教室にやってきた熊本バンドの一団に向かい、八重は晴れやかな笑顔で「新島ヌエにございます」とあいさつし、何事もなかったように一堂を授業に追い立てた。そんな八重の様子に、学生たちの間にも柔らかな空気が流れるのだった。

大河ドラマ「八重の桜」第38回は22日（日）総合・よる8時から、BSプレミアム・午後6時から放送。再放送は総合で毎週土曜日ひる1時5分から。予告動画は番組公式サイト「あらすじ」で視聴出来る。放送翌日からNHKオンデマンドでは見逃し配信を行う。

◇NHK「八重の桜」番組サイト
◇NHKオンデマンド「八重の桜」視聴ページ
18時より見逃し配信開始（視聴価格：200円）