慶次（藤竜也）は「大ふへんもの」というのぼり旗を立て、派手な出で立ちで駿府の家康のもとへ向かった！そして新九郎（中村蒼）が石田三成の遺児であることを伝え、さらに石田家再建を認めさせた！NHK総合木曜時代劇「かぶき者 慶次」最終回（第11話）は18日（木）放送。NHKオンデマンドにて全話見逃し配信中。

民放テレビ局で時代劇はすっかりなくなってしまったが、NHKだけはつねに、上質な時代劇を制作しつづけている。18日（木）の放送で最終回を迎えた「かぶき者 慶次」は戦国一のかぶき者と謳われた前田慶次の晩年を描いたドラマ。主演は藤竜也。かつてギラギラしていた俳優も今ではすっかり好々爺となり、中村蒼、工藤阿須加、西内まりや相手に飄々とした、かつ存在感のある演技を見せてくれた。初回視聴率は6.9%、第2話5.5%、第3話6.0%、第4話5.9%、第6話6.4%、第7話6.3%、第8話5.9%、第9話5.3%、第10話5.9%、そして最終回は7.4%（ともにビデオリサーチ調べ、関東地区）となった。

石田三成の遺児を前田慶次が極秘で米沢の地で育てていた…という物語。それが史実かどうかは別として、とても面白いストーリー展開だった。戦国時代を生き抜いた一人の男と、戦争を知らない若い世代。そのギャップは今の世と何ら変わりはない。戦場という地獄を見てきた慶次だからこそ、命の尊さを若者たちに教えていた。その好々爺ぶりが、藤竜也によって演じられていたのだが、惚れ惚れするほどかっこよかった。

最終回、慶次は駿府にいる徳川家康に直接会うため「大ふへんもの」というのぼり旗を立てて一人出陣した。落合芳幾によって描かれた前田慶次の浮世絵にも、この「大ふへんもの」が描かれている。「大ふへんもの」とは、すごい不便なヤツ…つまり融通の利かないヤツ、という意味らしい。ドラマの中で慶次のことを頑固者、というより芯がブレない男として描かれていたように思う。

■最終回あらすじ
新九郎（中村蒼）と佐乃（西内まりや）が結納を交わすためには、新九郎が石田姓を名乗らなければならない。つまり上杉家に「石田三成の遺児」ということを知られてしまう…いや、知らせなければならなかった。
慶次（藤竜也）は「大ふへんもの」というのぼり旗を立て、派手な出で立ちで駿府にいる大御所さま（徳川家康：綿引勝彦）のもとへ出向く。そして家康に新九郎が石田三成の遺児であることを伝え、石田家再興を願いでた。家康は「豊臣家はいずれ滅びる。さすれば石田三成の子に用はない」と言って石田家再興を認めてくれた。ただし、米沢の地より出てはならぬ、という条件付きで。
一方、米沢城では新九郎が三成の遺児だということが判明し、大騒ぎに。年寄衆の荒木安綱（大出俊）は新九郎を捕らえよと命じるが、勝之進（工藤阿須加）ら新九郎と同じ道場に通う仲間は、新九郎を庇った。業を煮やした荒木は、勝之進らもろとも捕らえよ！　と命じるのだが、そこに慶次が現れた。家康からの御内書、さらに江戸屋敷の親方様からの書状を荒木に差しだす。そこに書かれていたのは、新九郎による石田家再建の許しだ出たということ。これをもって新九郎は晴れて「石田新九郎」と名乗ることができるようになった。
石田姓を名乗り、米沢城へ出仕する新九郎。無事、佐乃との祝言も終え、この米沢の地で上杉家のために使えることを誓った。
立派に成長した新九郎、佐乃を暖かく見守る慶次と妻・美津（江波杏子）だった。

NHK総合 木曜時代劇「かぶき者 慶次」最終回（第11話）は6月18日放送。再放送は25日（木）午後2時5分より。出演は藤竜也、中村蒼、西内まりや、工藤阿須加、壇蜜、笛木優子、田畑智子、前田美波里、角田信朗、伊武雅刀、火野正平ほか。NHKオンデマンドで見逃し配信中。

◇NHK総合　木曜時代劇「かぶき者 慶次」番組公式サイト
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　　【春ドラマ一挙紹介】　　【「かぶき者 慶次」各話あらすじ】

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