『吾輩は猫である』が大ヒットし金之助（長谷川博己）は作家一本でやっていこうとするが鏡子（尾野真千子）は猛反対！そんな中、金之助の養父・塩原昌之助（竹中直人）が突如夏目家に現れたのだが、目的は金か！？ NHK総合8日（土）夜9時「夏目漱石の妻」第8回を放送！予告動画は番組公式サイトで公開。

1日放送の第2回で、やっと「夏目漱石」らしく小説を書いた金之助（長谷川博己）。それが夏目漱石の処女作『吾輩は猫である』である。劇中にも登場した金之助の友人で俳人・作家の高浜虚子のすすめで、俳句雑誌『ホトトギス』に掲載したのが1905（明治38）年1月。好評を博し1906年8月まで連載が続いた。

「吾輩は猫である。名前はまだ無い。」という書き出しで始まるこの小説は、猫の目線で人間界を描いた小説で、最後は主人公の猫が飲み残しのビールを飲んで酩酊し、水がめの中に落ちて水死するという悲惨な終わり方をしている。

実際にモデルになった猫は1908（明治41）年に死に、漱石は親しい友人に猫の死亡通知を出したという逸話は有名。猫が亡くなる直前の様子を「猫の墓」（『永日小品』所収）として書き残している。

ちなみに猫の命日である9月13日は「猫の命日」という記念日になっており、東京都文京区向丘2丁目にある「夏目漱石旧居跡」には、猫の石碑がある。モデルとなった猫は水死ではなく、夏目家の物置に置いてあった古いかまどの上でひっそりと息を引き取っていたらしい。

■前回あらすじ
明治33年、英語研究のためイギリスに留学してしまった金之助（長谷川博己）。その間、鏡子は東京の実家の離れで暮らすことになった。金之助から手紙が届くのだが、筆無精の鏡子は返事を書かない。見かねた父・重一（舘ひろし）は鏡子に、異国の地で淋しい思いをしている夫に、手紙の返事を書くよう促す。そんな中、渡英先で金之助が、精神衰弱で様子がおかしくなったらしいとウワサを耳にする鏡子。

英国から届いた手紙を持って、鏡子は病身の正岡子規（加藤虎之助）のもとを訪ねる。金之助から子規宛の手紙と土産を渡した鏡子は、金之助のことを子規に相談する。子規は「これだけしっかりした手紙が書けるんだから大丈夫。ただ親に捨てられた過去を持つため、他人に対して敵愾心が強い。帰国したら奥さんが優しくしてあげてほしい」と鏡子を励ましてくれた。

明治36年、金之助は無事に帰国。そして金之助は東京の第一高等学校、亭第文学部の講師として採用され、一家は千駄木に家を借り新しい生活が始まった。

しかし、しばらくすると金之助が家族に暴力を振るうようになった。しまいには、鏡子や子どもたちを家からたたき出した金之助。乳飲み子を抱えた鏡子は、しばらく実家に身を寄せた。

鏡子は医者に相談すると、英国でのストレスが残っていて神経が過敏になっていると診断される。病気ならば家族が看病しなければ、と鏡子は千駄木に帰ることを決意。金之助もそれを渋々認めざるを得なかった。

一方、時の政権が変わって官職を辞することになった重一は、先物取引や株に手を出しあちこちに借金を重ねるようになる。矢来町の屋敷も人手に渡り、重一は鏡子に「金之助くんに借金の保証人になってくれるよう頼んでほしい」と頭を下げた。

しかし鏡子は「お父様を救うことはできません」と涙ながらに拒否。それを見ていた金之助は鏡子の弟で家督を継ぐ倫を自宅に呼び、400円を渡し「保証人になることはできないが、君と母上が生きている限り、私が守ってみせる」と頭を垂れた。

明治37年4月、日露戦争が始まった。その2年後、重一は55歳で生涯の幕を閉じた。

神経衰弱を患った金之助の症状は良かったり悪かったりを繰り返す中、ある日夏目家に一匹の野良猫がやってきた。珍しく金之助は「しばらく置いてやったらどうだ」と猫を飼うことを許した。

その後、金之助は一編の小説を書いた。それがかの有名な『吾輩は猫である』だった。

■第3回「やっかいな客」あらすじ
金之助（長谷川博己）が書いた『吾輩は猫である』は大ヒット。金之助は教師をやめ、作家一本でやっていこうとするが鏡子（尾野真千子）は猛反対。そんな中、金之助が幼いころ面倒をみてもらっていた養父・塩原昌之助（竹中直人）が急に夏目家にやってきて、以前のように親しく付き合おうと言う。しかし金之助は、養父が金目当てで近づいているのでは、と疑うのだが…。

NHK総合10月8日（土）夜9時、土曜ドラマ「夏目漱石の妻」（全4回）第3話を放送。再放送は10月14日（金）深夜24時10分より放送。作：池端俊策、岩本真耶、原案：夏目鏡子、松岡譲「漱石の思い出」。出演：尾野真千子、長谷川博己、黒島結菜、満島真之介、竹中直人、舘ひろしほか。第3回予告動画は番組公式サイトで視聴できる。NHKオンデマンドにて見逃し配信中。

◇NHK総合「夏目漱石の妻」番組公式サイト
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