学校を退職する決意をした日向（井上真央）は、和彦（工藤阿須加）とも別れ、新たな一歩を踏み出そうとする！二学期終業式で日向が生徒たちに伝えた思い、そして最期に日向が「許せない人物」の名を挙げるのだが…フジテレビ「明日の約束」最終回（第10話）は19日放送された。カンテレドーガにて放送終了1週間、見逃し配信中。

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毒親からのひどい仕打ちに苦しむ子どもの気持ちは、同じように毒親を持つ人間でなければわからない。産んでくれた親を恨むことはできない。だからといって親がしてきたひどい仕打ちを許すこともできない…そんな日向の心の葛藤が痛いほど伝わる最終回だった。

ドラマにハマった視聴者からは内容的にもおおむね高評価だったが、実際視聴率では最後まで苦戦を強いられた。初回視聴率が8.2％、2話6.2％、3話5.4％、4話5.8％、5話5.1％、6話4.6％、7話4.3％、8話6.0％、9話5.1％、そして最終回は5.8％という数字で幕を閉じた（数字はすべてビデオリサーチ調べ、関東地区）。

今ひとつ、視聴率が伸び悩んだ原因は何かを振り返ってみると、一環してテーマが重すぎたのではないだろうか。生徒の自殺からはじまり、生徒のいじめ、毒親の仕打ち、毒親の逆襲、恋人との破局などどんどん明るい要素が削られてしまった。

しかし最終回で日向が（井上真央）が下した決断は、日向の明るい未来へ繋がるものだろう。すべてのしがらみを裁ち切り、新たな一歩を踏み出す勇気に感動を覚えた視聴者も多かったはずだ。

NHK大河ドラマ「花燃ゆ」以来、2年ぶりの連ドラ主演となった井上真央。「明日の約束」でまた女優として磨きがかかったのではないだろうか。今後の活躍も期待したい。

■最終回（第10話）ネタバレあらすじ
日向（井上真央）は、霧島（及川光博）が圭吾（遠藤健慎）をクラスから孤立させるよう仕向けたことを真紀子に報告するため吉岡家を訪ねた。そこには息子の気持ちが理解できないと嘆く真紀子（仲間由紀恵）の姿があった。

短大卒業後すぐ見合結婚した真紀子。23歳のとき圭吾を産み、そこで初めて自分の存在意義を感じた。この子を守る、この子を幸せにする…そう思った真紀子は圭吾の全てを自分が管理することが圭吾の幸せに通じると信じていた。

しかし親からの一方的な愛情の押しつけほど、子どもにとって辛いものはない。圭吾の場合、愛人のもとに走った父の代わりに母を守らねばという強い責任感もあった。だから真紀子に逆らうことなく、真紀子の支配下に身を置かざるを得なかった。

日向は、圭吾が自殺する前夜、圭吾から交際を申し込まれたことを真紀子に打ち明ける。その時の日向は、それが圭吾からのSOSだと見抜くことができなかった。あの時、なにか圭吾にしてあげれば圭吾は死なずに済んだのかもしれない。

日向は真紀子に、圭吾は自由になろうとして死を選んだ。圭吾は誰を責めるでもなく、一人で死んだ。だからきっと、母親のことも責めていないだろうと言った。

和彦（工藤阿須加）から「ちゃんと御別れたしたい」と連絡をもらった日向。和彦は会社をやめ、もう一度医学部受験に挑戦すると日向に言った。死んだ兄の呪縛から逃れるためにも、兄がなし得なかったことをして親に認めてもらいたい。医者になることもまた、和彦にとっての夢だった。

そして日向もまた、大きな決断をした。母・尚子（手塚理美）に家を出ると告げた。当然のごとく激怒し日向に罵声をあびせる尚子。そんな母に日向は「いつの日か、私に謝ってほしい。それで私の心は救われるから…」と言う。「なんであんたに謝んなきゃいけないのよ！！！！」と絶叫する尚子。それでも日向は、長年母に言いたかったことを全部言えて、心が晴れ渡っていた。

二学期終了をもって学校を退職することになった日向。終業式で日向は生徒達に挨拶し、あることを語りかけた。日向は圭吾に死を選ぶのではなく、生きて母から逃げだすという選択をしてほしかったと言った。そして生徒達に、苦しみや悲しみから逃げだすのに死を選ばないでほしい。生きていれば、人は必ずやり直せるから…と語った。

フジテレビヒューマンミステリー「明日の約束」最終回（第10話）は12月19日に放送された。出演：井上真央／及川光博／工藤阿須加／白洲迅／新川優愛／青柳翔／神尾佑／馬渕英俚何／中林大樹／近江谷太朗／羽場裕一／手塚理美／仲間由紀恵ほか。

番組公式Twitterアカウントは「@yakusokuktv」。FODにて全話見逃し配信中。

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