【8/4公開】フワンソワ・オゾン監督最新作『2重螺旋の恋人』双子の精神分析医に翻弄されるワタシ…予告動画

2018年07月19日20時00分映画
©2017 - MANDARIN PRODUCTION - FOZ - MARS FILMS - PLAYTIME - FRANCE 2 CINÉMA - SCOPE PICTURES / JEAN-CLAUDE MOIREAU 

『スイミング・プール』『8人の女たち』のフランソワ・オゾン最新作『2重螺旋の恋人』が8/4より公開!原因不明の腹痛に悩むクロエ(マリーヌ・ヴァクト)は精神分析医ポール(ジェレミー・レニエ)のもとを訪れるのだが、2人はいつしか恋人に…しかしクロエは街中でポールそっくりの男と出会うのだが…予告動画は映画公式サイトにて公開。

ベルリン、カンヌ、ヴェネチアの世界三大映画祭の常連、いまやフランスを代表する名監督となったフランソワ・オゾン最新作『2重螺旋の恋人』が8月4日より、いよいよ日本で公開される。同作は第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品として上映された。

1人の女性と双子の精神分析医の物語。容姿は同じなのに1人は温厚で主人公クロエ(マリーヌ・ヴァクト)を優しく包む。しかしもう1人は傲慢な態度でクロエを支配しようとする。男たちは一卵性双生児でしかも2人とも精神分析医。どちらの男にも心惹かれてしまうクロエは、禁断の心の扉を開けてしまう。

主人公クロエを演じるのは、フランソワ・オゾン監督作『17歳』(2013)で世界中のメディアから絶賛されたマリーヌ・ヴァクト。本作ではまるで少年のようなボーイッシュな女性から、妖艶な大人の女性までを演じ好評を博した。マリーヌ・ヴァクトはクロエの心の変化を実に見事に演じきっている。

ポール、そしてルイという双子の精神分析医を演じたのは、『イゴールの約束』(1996)で国際的な注目を集めた実力派で、『クリミナル・ラヴァーズ』(1999)、『しあわせの雨傘』(2010)とオゾン作品に出演しているジェレミー・レニエ。本作では1人2役で真逆の人間を演じ、観客の心を鷲づかみにした。

双子の医者といえばデイヴィッド・クローネンバーグの『戦慄の絆』(1988)を思い出す。ジェレミー・アイアンズ演じたエリオットとビヴァリーも双子で医者、そして1人の女性を愛するという物語だった。

『戦慄の絆』の影響か、「医者」「双子」というキーワードだけで背徳なイメージが湧き起こるのは筆者だけだろうか。同じ顔をした2人の男、正確は真逆、それぞれに長所、短所があり2人の男に翻弄されるクロエはまるで3人でセックスしている妄想に駆られてしまう…まさにクロエは禁断の扉を開けてしまったのだ。それを見る観客も不思議な疑似体験を得ることができる。

本作は、単なる心理サスペンス的な映画ではない。フランソワ・オゾンが最後に仕掛けたどんでん返しに、観客の全員が度胆を抜くこととなるであろう。まさか!?というラスト、そしてミステリアスでエロティックな本作は、今夏一番おすすめしたい作品である。

■あらすじ
パリに住むクロエ(マリーヌ・ヴァクト)は原因不明の腹痛に悩まされていた。婦人科に通ったが改善されず、そこで紹介された精神分析医ポール・メイエル(ジェレミー・レニエ)の診察を受ける。

穏やかで心優しいポールのもとに通うようになり、心と体の痛みから解放されるようになったクロエ。2人はいつしか恋人になった。

一緒に暮らすことになった2人。クロエはポールの荷物の中にある古いパスポートを偶然見てしまった。そこに書かれたポールの名は「メイエル」ではなく「ドゥロール」。ポール本人に直接聞くこともできず、クロエの心の中に不審な念が芽生えてしまった。

そんなある日、偶然街中でクロエはポールそっくりの男性と出会った。その男性は姿形はポールと同じだが、正確は真逆。しかも職業がポールと同じ精神分析医だったのだが…。

監督・脚本:フランソワ・オゾン 原作:ジョイス・キャロル・オーツ「Lives of the Twins」 音楽:フィリップ・ロンビ
出演:マリーヌ・ヴァクト、ジェレミー・レニエ、ジャクリーン・ビセット、ミリアム・ボワイエ、ドミニク・レイモン
2017年/フランス/1時間47分/カラー/スコープ/5.1ch/原題:L’amant Double/ 日本語字幕:松浦美奈
©2017 - MANDARIN PRODUCTION - FOZ - MARS FILMS - FILMS DISTRIBUTION - FRANCE 2 CINÉMA - SCOPE PICTURES / JEAN-CLAUDE MOIREAU 
配給:キノフィルムズ  R-18

8月4日ロードショー『2重螺旋の恋人』映画公式サイト