デジタル上のミニシアター「ザ・シネマメンバーズ」今夏、台湾の3映画作家による青春映画を7本配信!

2020年06月05日16時57分映画

“好きな時に好きな場所で観られる、デジタル上のミニシアター”がコンセプトの映画配信サービス「ザ・シネマメンバーズ」は、エリック・ロメール監督9作品に続く、新しい配信作品としてラインナップを発表した。

新たに配信が始まるのは、台湾の3人の映画作家による青春映画7本。

7月配信の第一弾では、新作『あなたの顔』が劇場公開予定のツァイ・ミンリャン監督の初期3部作を、8月配信の第二弾では、チェン・ユーシュン監督作品と、台湾映画の代表格エドワード・ヤン監督の作品をお届け。

なお本作品群は洋画専門CS放送「ザ・シネマ」でも同月に放送予定だ。



台湾青春映画特集~ヤング・ソウル・レベルズを探して~
【ヤング・ソウル・レベルズを探して】
独特な夜の湿度や気怠い空気感、儚い光のなかで描かれるのは、行き場のない苛立ち、未来に対するそこはかとない不安や、抱え持った不満と閉塞感だ。ある作品ではそれはポップに表現され、ある作品ではやりきれない結末を迎える。うまくいかないことばかりだけれど、懸命に生きている若者たち。今を少しだけ変えたい。そんな衝動が形作っていく物語たち。

<7月配信開始 予定>
第一弾は、最新作の「あなたの顔」が6月に公開される、ツァイ・ミンリャンの初期3部作。
■ツァイ・ミンリャン監督作品
●『青春神話』(1992)※日本最速独占配信
各国の映画祭を席巻!台湾の鬼才ツァイ・ミンリャン監督が若者の刹那を映す青春群像劇
●『愛情萬歳』(1994)
大都会・台北の片隅で噛みしめる孤独。若者達の空虚な日々を写し取るミンリャン監督
第2作
●『河』(1997)
大都会に生きる家族の孤独と不毛な欲望を描く…台湾の鬼才ツァイ・ミンリャン監督第3作

大都会に生きる家族の孤独と不毛な欲望を描く、台湾の鬼才ツァイ・ミンリャン監督第3作。

《編成担当コメント 》 ■ツァイ・ミンリャン作品
【まなざしについて 】
エリック・ロメールの作風から一転して、ニコリともしない、全く異なるトーン。そう見えるかもしれないが、シンプルなストーリー、 BGM をほとんど使わない、グリッドを意識した構図、さらには生々しく向けられているカメラといった共通項がある。ロメールを 9 作品観た後の目でツァイ・ミンリャンの作品を見るとき、そのまなざしをより実感できるだろう。ツァイ・ミンリャンは、だいぶ生々しく、そして容赦がない。じっと見ている。ずっと映している。例えばロメールの作品を観ているときに、「まさにそこで行われていることにカメラを向けて撮られているのだな。」みたいに感じることがあったと思うが、その感覚で観るのが、味わい方のひとつではないか。ツァイ・ミンリャンのまなざしを味わおう。
【楽しむこと 】
雨のよく降る日本の夏とツァイ・ミンリャンの映画の持つ質感との組み合わせを是非試してもらいたい。もちろん、この相性をお気に召さなくても大丈夫。エリック・ロメールの 9 作品は今も全て配信中で、好きな時に、何度でも楽しめる。甘いものとしょっぱいものを交互に楽しむように観るのもいい。(ロメールも決して甘くはないのだけれども)

<8月配信開始予定>
第二弾は、この機会に是非観て欲しいチェン・ユーシュン初期2作、そして、見逃していた方も多いであろう、エドワード・ヤンの「台北ストーリー」と、もはやマスターピースである「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」の計4作品。
■チェン・ユーシュン監督作品
●『熱帯魚』(1995)
誘拐事件に巻き込まれた少年と誘拐犯一家の不思議な交流をユーモラスにつづった人間ドラマ。
●『ラブゴーゴー』(1997)※日本最速独占配信
台北を舞台に個性豊かな複数の男女が織り成す不器用な恋愛模様をポップに描いたラブコメディ。

《編成担当コメント》■チェン・ユーシュン作品
【笑顔の異端児】
ツァイ・ミンリャンとは好対象に、思い切りカラフルでポップな作品を撮っているのが、チェン・ユーシュン。例えば「熱帯魚」は、ツァイ・ミンリャンの「青春神話」と同じく、受験を前にした少年、訪れる偶然と出会いと出来事、それを通過したことによってこの先、なにかが決定的に変わってしまうだろうという予感が描かれるが、2作品は全く異なる方向へ振り切られた表現となっている。そして、「ラブゴーゴー」は、詳細は控えるが、人懐っこいビジュアルに油断していると、完全にノックアウトされる傑作なので、絶対に表面的なルックで敬遠することなかれ。

■エドワード・ヤン監督作品
●『台北ストーリー』(1985)※日本最速独占配信
経済成長の中で変貌する80年代の台北を舞台に、一組の男女とそれを取り巻く人々の
ドラマが描かれる。
●『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』(1991)
14歳の少年がガールフレンドを殺害した台湾で初の未成年による殺人事件をモチーフに
描かれた青春群像劇。

《編成担当コメント》■エドワード・ヤン監督作品
【マスターピース】
言わずと知れた台湾映画代表格のエドワード・ヤン。今回は、長編2作目にあたる「台北ストーリー」と、彼の名を世界的に知らしめた、「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」の2本をお届けする。エルビス・プレスリーの「Areyoulonesome tonight?」の歌詞の引用で、”A Brighter Summer Day”という英語の題名がつけられているということを覚えておくと、「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」は、より味わいが深くなる。よく晴れた夏の日に、想いがさまよっている。あなたは孤独なのですか?という青い感覚は、今回のどの作品にも共通するテーマのようにも思える。

「ザ・シネマメンバーズ」サイト

※「ザ・シネマメンバーズ」は、ミニシアター・単館系作品を中心に、大手配信サービスでは見られない作品を“映画が本当に好きな人”へお届けする配信サービスです。様々な理由で、見たくても見れなかった作品をいつでも・どこでも楽しめる!
毎月お届けする作品は、ごく限られた本数にるが、しっかりとセレクトした作品のみを提供。500円(税別)で1カ月、好きな時に好きな場所で観られる、デジタル上のミニシアターである。