【訃報】映画『おくりびと』を遺し、峰岸徹がおくられびとに

2008年10月13日10時17分映画

11日午後11時過ぎ、俳優の峰岸徹が肺がんのため65歳でこの世を去った!奇しくも最後の作品となったのは故人を美しくあの世へ送り出す納棺師の物語。公式ホームページでは、予告編や見どころなどの動画が用意されている。同サイトでは公式ブログもあり、韓国釜山映画祭での会見の様子や、第32回モントリオール映画祭でグランプリを受賞した記事なども掲載されている。

映画『おくりびと』は、ひょんなことから“遺体を棺に納める”納棺師になった主人公・大悟が、さまざまな死に向き合うことで、そこに息づく愛の姿を見つめていく感動の物語。主演は本木雅弘。

峰岸徹は、1962年峰健二の芸名で、東宝映画『高校生と女教師・非情の青春』で芸能界デビュー。ジェームズ・ディーンと石原裕次郎に憧れ俳優を志した峰岸は、第二の赤木圭一郎とも言われ、NHKの高視聴率ドラマ「若い季節」や東宝映画に出演して人気を博した。

1968年には大映と契約し、芸名を峰岸隆之介に改め、同年には製作者協会新人賞を受賞。1975年には芸名を峰岸徹とし、渋みあふれる貴重なバイプレーヤーとして数多くのテレビドラマや映画に出演している。

最近ではバラエティ番組にも出場したり、トライアスロンなどに挑戦したりとその活動の幅を広げたが、今年4月、持病の椎間板ヘルニアの手術の際に、肺がんであることが判明した。そのときには既に癌が腰にまで転移しており、手術不可能の告知を受けていた。抗がん剤の投与や、放射線治療を受け、8月に仕事復帰を果たしたものの、11日帰らぬ人となった。

故人の遺志で葬儀・告別式は、親族のみの密葬で営まれ、後日「しのぶ会」が開かれる予定。

俳優、峰岸徹は映画『おくりびと』を遺し、65歳の若さでおくられびととなった。

『おくりびと』公式サイト