映画『わたしは最悪。』濱口竜介監督、オダギリジョーら著名人からのコメントと本編特別映像解禁

2022年06月16日17時00分映画

2022年7月1日(金)より公開される映画『わたしは最悪。』より、濱口竜介監督、オダギリジョー、石橋静河、加賀美健(現代美術作家)ほか映画監督、俳優、アーティスト等から絶賛の声続々!本編特別映像も解禁された。



本作は、主人公の女性の20代後半から30代前半の日々の暮らしを描いた物語。第94回アカデミー賞®でも脚本賞と国際長編映画賞にノミネート!さらに、アメリカでは限定公開だったにもかかわらず、2020~2022 年公開の外国語映画の中で、日本でも大ヒットした『パラサイト半地下の家族』、『燃ゆる女の肖像』に続いて、スクリーンアベレージ第 3 位を獲得!他、数々の記録を打ち立て、世界の映画ファンを虜にし、第74回カンヌ国際映画祭では女優賞を受賞するなど、映画祭・賞レース19受賞&101ノミネートされている。(2022/4/29 現在)

本年度のアカデミー賞で、本作の最⼤のライバルとなっていた『ドライブ・マイ・カー』濱⼝⻯介(映画監督)はオスカー前に本作を観賞していた。そんな濱⼝監督からのコメントは「主役であるレナーテ・レインスヴェの持つユーモア・楽天性が映画を推進していく様が爽やかだ。好シーンを連発する恋愛映画の傑作と⾔える。だが実は「恋愛」の先の⾵景まで切り開いている点が最も感動的だ。「最悪」な「わたし」とはいったい誰だろう。彼⼥か、男たちか、それとも……」と絶賛、⼤九明⼦(映画監督)は「ユリヤに⾃虐の意図はない。⼈間なんてみんな最悪なんだからみっともなくても⽣きていくしかないって思わせてくれて、⼼癒される映画でした。それにしてもオスロの空、なんですかあれ。最⾼。⾏かせて。」、オダギリジョー(俳優)は「オスロに暮らす⼤切な友⼈の事を思い出した…ような気がした。上質な映画。」とコメントを寄せ、⽯橋静河(俳優)は「どんなに正しく⽣きたい、より良く⽣きたいと思ってもかならずどこかで失敗する。でもその失敗が、豊かな学びをくれるということを教えてくれる映画だった。」と寄せるなど、総勢13⼈からそれぞれの想いのこもったコメントが到著した!

「マーベラス」本編映像

同時に解禁される映像は“成績が優秀だから”という理由で、漫然とした気持ちで医⼤に通っていたユリヤがある⽇<⾃分を発⾒>、医学から⼼理学の道へと⼤胆に進路変更する様⼦を切り取ったもの。「これは⾃分じゃない」「私が好きなのは⼈間の内⾯や感情なの」―医学時代とはファッションも髪型をイメチェン!⾃分の⼼に正直に⼈⽣を選択し、意気揚々と⼼理学の講義に通い始める姿は、ポジティブ感と同時に彼⼥の不安定さや痛々さも感じさせ、<理想の未来探し>に翻弄されるシーン映像となっている。

■あらすじ
学生時代は成績優秀で、アート系の才能や文才もあるのに、「これしかない!」という決定的な道が見つからず、いまだ人生の脇役のような気分のユリヤ。そんな彼女にグラフィックノベル作家として成功した年上の恋人アクセルは、妻や母といったポジションをすすめてくる。ある夜、招待されていないパーティに紛れ込んだユリヤは、若くて魅力的なアイヴィンに出会う。新たな恋の勢いに乗って、ユリヤは今度こそ自分の人生の主役の座をつかもうとするのだが──。

■映画概要
監督:ヨアキム・トリアー 『テルマ』(17)、『母の残像』(15)
脚本:ヨアキム・トリアー、エスキル・フォクト
出演:レナーテ・レインスヴェ、アンデルシュ・ダニエルセン・リー、ハーバート・ノードラム
© 2021 OSLO PICTURES - MK PRODUCTIONS - FILM I VÄST - SNOWGLOBE - B-Reel ‒ ARTE FRANCE CINEMA/2021 /ノルウェー、フラ
ンス、スウェーデン、デンマーク/カラー/ビスタ/5.1ch デジタル/128 分/字幕翻訳:吉川美奈子/後援:ノルウェー大使館 R15+



【コメント⼀覧(五⼗⾳順/敬称略)】
★⽯橋静河(俳優)
どんなに正しく⽣きたい、より良く⽣きたいと思ってもかならずどこかで失敗する。
でもその失敗が、豊かな学びをくれるということを教えてくれる映画だった。

★伊藤さとり(映画パーソナリティ)
⾃分に翻弄されることで魂は輝くから 愛されるかではなく⾃分を愛せるかを⼤切に。 ⼥性だから謙虚であれ!を蹴り⾶ばしてくれる彼⼥と共に ⾃分にとって最⾼の私探しが出来る映画の旅へ。

★岡本夏美(俳優・モデル)
誰しも"わたしは最悪"と感じて、⽣きていくんだと思う。 何かを傷つけて、守って、傷ついて、強くなる。 こうして、分からない未来に向かって歩いていく。だから⾯⽩い。 最悪だから、最⾼もある。素敵でした。

★オダギリジョー(俳優)
オスロに暮らす⼤切な友⼈の事を思い出した…ような気がした。上質な映画。

★加賀美健(現代美術作家)
これが⼈⽣、それも⼈⽣、あれも⼈⽣、どれも⼈⽣、それが⼈⽣

★⼩島秀夫(ゲームクリエイター)
「私って、これでいいの?」。誰もが⼀度は抱くそんな⻘い痛みを、ユニークに、キュートに、切なく描く。前作「テルマ」に魅了されたひとりだが、本作はヨキアム・トリアーの監督としての才能を決定づける最⾼の⼀作。

★鈴⽊涼美(⽂筆家)
オンナ30歳、何かと不満。 男を捨てても、幻覚剤でキメても、凡庸な⾃分からは抜け出せない。しかし選び取るものだと思っていた変化は、実際は容赦なくふりかかってくるものだった。意外と残酷な現実を、私たちも⽣きてきたよね。

★⼤九明⼦(映画監督)
ユリヤに⾃虐の意図はない。⼈間なんてみんな最悪なんだからみっともなくても⽣きていくしかないって思わせてくれて、⼼癒される映画でした。それにしてもオスロの空、なんですかあれ。最⾼。⾏かせて。

★茶⼀郎(映画レビュアー)
「⼤⼈になっても判らない」⼈⽣における正しい選択。 ただひたすらに何かを待ち続ける“わたし”は、⾃分で⾃分の⼈⽣をコントロールできない。 そんな“わたし”の感情が、衝動が、⼈⽣をはみ出て爆⾛する最悪の瞬間、「最⾼だ!」とボロボロと涙が溢れました。

★中⽥クルミ(俳優)
30歳、⼥、独⾝。私は⾃分の⼈⽣の主役になれているだろうか? ふわふわと過ぎるファンタジーのような⽇々と、突然⾳もなくのしかかる現実。 ⽇本と離れたノルウェーでも、やってくる現実と、のしかかる課題 はまるで同じだ。 近くにいる⼈間に刺激され、⾃分と⽐較して、勝⼿に落ち込んだり考えすぎたりするユリヤ。彼⼥の姿に⾃分や友達を投影せずにはいられない。 オスロのおしゃれな街、モダンな⽣活。 静かに流れる映像の中には、決して派⼿ではないありのままの⽇常が存在していた。「最悪」な⽣き⽅は⾃分がどう捉えるか次第。

★ナカムラクニオ(6次元主宰/美術家)
「最悪」と「最⾼」の⼈⽣は、いつだって紙⼀重。 共感して、共鳴した。これこそ現代の<正直な>ラブストーリー。 ホントはみんな「わたしは最悪。」と思っているのかもしれない。

★濱⼝⻯介(映画監督)
主役であるレナーテ・レインスヴェの持つユーモア・楽天性が映画を推進していく様が爽やかだ。好シーンを連発する恋愛映画の傑作と⾔える。だが実は「恋愛」の先の⾵景まで切り開いている点が最も感動的だ。「最悪」な「わたし」とはいったい誰だろう。彼⼥か、男たちか、それとも……

★森ガキ侑⼤(映画監督)
誰もが望んでいる思い通りの感情で⽣きていない。 ⾃分に正直に⽣きるのはかなりの勇気がいる。 ⾃由に選択して⽣きていくことがいかに難しいのか? ⾃由は時に、不⾃由さを⽣んでしまう。 僕はこの映画をみて⾃分の中にある正直な感情から逃げていた のだと気付かされた。 そして、トリアー監督の繊細な演出、映像美、そしてほとばしる役者たちの吐息が 素敵な街並みと絡みあいながらも癖になる映画 出会えて良かった。