男がしみる。花形敬、かつてシブヤに伝説の都会派ヤクザがいた。花形敬…、その名は今でも、無宿渡世の中で伝説の人として生きている。暴力の世界に身を置きながら、戦いの場においては、生涯一度も銃も刃物も持たず、常に素手で相手を完膚無きまで叩きのめし、そのステゴロの強さと凄さは、ヤクザ社会でも死神のように恐れられた。終戦直後の飢えの時代から、日本経済が高度成長を続ける昭和30年代にかけての変動期を徒花のように咲き狂った若者たちの愛、友情、裏切り、闘いの嵐のごとき生き様を描く。原作は、本田靖春のベストセラー『疵・花形敬とその時代』(文春文庫)。
監督 梶間俊一(1988年 101分)
疵
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