JAXA、「こうのとり」2号機の「リロケーション」の話題と若田光一宇宙飛行士からのメッセージをダイジェストビデオで紹介

2011年02月23日16時36分暮らしと文化
HTV2が、ISSのロボットアームにより「ハーモニー」の地球
側のポートから天頂側のポートに移設される
(出展JAXA/NASA)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙ステーション・きぼう広報・情報センターは、「SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第126号」を公開、2月18日から19日にかけて実施された宇宙ステーション補給機「こうのとり」2号機(HTV2)の「リロケーション」の話題と、国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在が決定した若田光一宇宙飛行士からのメッセージなどを紹介する。

若田光一宇宙飛行士が、ISS第38次/第39次長期滞在搭乗員として決定した。
第38次長期滞在(約4か月間)は、フライトエンジニアとしてISSの運用、宇宙環境を利用した科学実験、きぼう日本実験棟を含むISS各施設のシステム運用を実施する。
第39次長期滞在(約2か月間)は、上記任務に加えてISSコマンダーを務める。日本人初のコマンダーの任務は、ISS長期滞在搭乗員全員の安全を確保し、ミッションを確実に達成すること。
同宇宙飛行士は、平成21年に約4か月半のISS長期滞在を行い、その後は宇宙飛行士訓練を継続するとともに、NASA宇宙飛行士室のISS運用ブランチ・チーフ、JAXAの宇宙飛行士グループ長として業務に従事してきた。

欧州補給機(Automated Transfer Vehicle: ATV)2号機「ヨハネス・ケプラー」は、フランス領ギアナ時間2011年2月16日午後6時50分(日本時間17日午前6時50分)にアリアン5ロケットにより、フランス領ギアナのクールー宇宙基地から打ち上げられた。
当初は、2月15日午後7時13分(同16日午前7時13分)に打ち上げられる予定だったが、アリアン5ロケットの推進薬の流量を示すデータに誤った値が生じた可能性があったことから打上げが1日延期された。
ATV2フライトは、欧州宇宙機関(ESA)のATV2号機を打ち上げて、ISSの「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)後方に無人でドッキングさせ、ISSに補給物資を運搬するミッション。
推進薬、酸素、食糧(米国、ロシアの宇宙食)、長期滞在クルー用の衣服、ESAの実験ペイロード、交換修理品・予備品、スペースシャトル「ディスカバリー号」(STS-133ミッション)の搭載品の一部、再突入データ収集器(Re-Entry Breakup Recorder: REBR)などを搭載する。

ISSでは、HTV2の補給キャリア与圧部からISSに物資を搬出する作業が続けられている。補給キャリア与圧部に搭載して運んだ物資輸送用バッグ(Cargo Transfer Bag: CTB)のうち71%がISSに搬出済みで、HTV2に搭載して廃棄するISSの不要品の積込み作業も並行して行われており、40%を搭載済み。
2月18日には、一時的にHTV2の結合ポートを変更する作業が行われた。この作業は、2月25日打上げ目標のディスカバリー号によるSTS-133ミッションに備えて行われるもの。
HTV2の結合ポートを変更することにより、ディスカバリー号がドッキングした後にペイロードベイ(貨物室)の搭載物をISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)で取り出すことが可能になる。
長期滞在クルーが操作するSSRMSにより、HTV2は「ハーモニー」(第2結合部)の下側(地球側)の共通結合機構(Common Berthing Mechanism: CBM)から上側(天頂側)のCBMに移動された。STS-133ミッション後には、再び、ハーモニーの下側のポートに戻される。
ビデオでは、リロケーション担当者のコメントも見ることができる。

ビデオライブラリ「SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第126号」


amazonで「宇宙」の関連商品を探す   楽天で「宇宙」の関連商品を探す