女である事を知られた寧温、役人として苦渋の立場に…BS時代劇「テンペスト」第2回予告動画と前回のあらすじ-NHK

2011年07月23日12時00分ドラマ

7月24日、NHKのBSプレミアムでBS時代劇「テンペスト」の第2回を放送、予告動画が公開されている。家のため、そして何よりも自分の為に性別を偽って生きる事を決意した女性・真鶴(仲間由紀恵)だったが、孫寧温の名で役人として生きる道を選びながら、その秘密を聞得大君(きこえおおきみ・高岡早紀)に知られてしまう。義兄・嗣勇(金子昇)を人質に取られに聞得大君のいいなりになってしまった寧温は、己の信念とは異なる決断を役人として行ってしまう。
自分の地位を確固たるものにしたい聞得大君は、寧温を脅して自分と対立する王妃(若村真由美)が失脚するよう仕向ける。味を占めた聞得大君は寧温への要求をエスカレートさせ、寧温は義兄を守るためと役人としての信義の間で苦悩する。自分らしく生きたいと願った真鶴はどう運命を選択するのか。

第1回「龍の子」あらすじ
時は幕末、琉球王朝。ある嵐の夜、一人の女(仲間由紀恵)が逆子による難産で苦しんでいた。激しい雨の中、雷がその家のガジュマルの樹は落雷で裂けてしまう程だった。屋内にはユタ(巫女)が生まれくる子について「その子を産ませるとこの世が乱れる」と告げていた。一家の主・孫嗣志(奥田瑛二)は生まれる子が男児である事を願い、紙に「孫寧温」と書き綴る。しかし生れ落ちた子は女児で、嗣志は愕然と崩れ落ちるのだった。

十数年後、琉球の海辺。少女が孟子を読み上げていた。そこへ赴任してきたばかりの薩摩の役人・浅倉雅博(谷原章介)が娘を見つけて琉歌を詠み上げた。その美しさを讃える内容に恥じらいながらも、娘は真鶴と名乗り、女が堂々と学ぶことが出来ない事を浅倉に嘆くでもなく呟いた。浅倉にとっては、学問を愛する美しい娘との出会いは、琉球の地への憧れと希望を更に増す存在であった。真鶴が仕出しの係として出入りした屋敷は、キリスト教の布教目的で琉球を訪れながらも軟禁状態にある英国の医師・ベッテルハイムの住居だった。ベッテルハイムの元に出入りする真鶴は、語学に長けたベッテルハイムから英語をはじめ様々な学問を吸収していた。
ベッテルハイムの屋敷から真鶴が帰宅すると、兄の嗣勇が父・嗣志から勉学が出来ない事を激しく叱責されていた。王府への登竜門である官吏試験・科試(こうし)のための学問を父に教えられるものの、勉学の苦手な嗣勇は満足に回答できずについには甕(かめ)に水を入れて外に立たされてしまう。真鶴は兄に駆け寄り、自分が男に生まれなかった事を詫びるのだった。難産の末に真鶴を生んだ母は間もなく命を落とし、孫家に男子が生まれないことで養子にもらわれてきたのが嗣勇だったのだ。孫家から何としても科試合格者を出したい嗣志の意向に添う事が出来ないと絶望した嗣勇は、ついに家を飛び出してしまう。嗣勇の家出を知って激怒する父に、真鶴は自分を清国から養子に迎えた宦官ということにしてくれと懇願する。自らが性を偽り科試を受け父の志を成し遂げると言い放つ真鶴の提案を嗣志は受け入れ、孫寧温という名を与えるのだった。そして浅倉が真鶴に読んだ琉歌の短冊を海に投げ捨てた真鶴は、髪を切り男として生きる事を選んだ。
18歳を迎えた寧温は、科試の最終試験の会場に居た。その試験の内容は、首里天加那志(しゅりてんがなし=国王)である尚育王(高橋和也)が自ら出した問題で、清国の内情を踏まえつつ、今後琉球国がどう対清政策を摂るべきかという内容だった。今の王府が抱える難問に対し、寧温は清国を後ろ盾にする冊封体制に依存しない独立路線を論じた。その頃、科試合格者を祈願して王朝では神事が行われていた。国王の姉であり神官である聞得大君は、裂けたガジュマルのある家に国家転覆を企む者がいるとのお告げを受ける。一方、いよいよ科試合格者発表の日、一次試験で寧温の次席であった喜舎場朝薫(塚本高史)が寧温に声を掛けてきた。今年の合格者は2人と発表され、周囲の全てがそれを朝薫と寧温だと考えていた。しかし合格者の名前に寧温が呼ばれる事はなかった。悲しみのあまり寧温はその場を走り去り、海辺で一人悲しみにくれるのだった。
気を取り戻して寧温が帰宅すると、そこに役人たちが待ち受けていた。国家転覆罪と称して嗣志と寧温を捕らえにきたのだった。役人たちは寧温が禁書である英語の辞書を持っている事と、科試の二次試験の答案で寧温が述べた政策が国家反逆の意があるとして父子もろとも捕まえてしまう。その夜、嗣志は初めて自分が科試にこだわり続けた理由を明かした。孫家は実は前王朝の子孫で、現王家の血族から追放されてしまった尚氏一族だった。お家復興のため、一時は清国に逃れて孫と名を変え、再び正統な王家となるために一族はこれまで科試に挑み続けてきたのだった。明日の命も知れぬ中、嗣志は初めて女としての寧温を認めずにいた事を詫びた。女児が生まれたことで失望した嗣志は子に名すら付けず、真鶴とは三歳の時に自らが付けた名前だったのだ。寧温に頭を下げた嗣志は、生き延びて行方不明の兄・嗣勇を王とする為に尽力せよと託す。
翌日、浜辺の処刑場に2人は連れてこられた。目の前で嗣志が処刑される中、何としても生きようと寧温は脱走を企てる。必死で抵抗を試みるも叶わず、再び捕らえられた寧温に白刃が振り上げられた。しかしその時王府からの使いが訪れ寧温の科試及第を告げ、辛くも一命を取り留めるのだった。寧温が急に合格となったのは、国王が全ての答案を検分する際に1枚足りない事を指摘し、異論であると省かれた寧温の答案が国王の目に留まったからであった。

かくて寧温は無事に琉球王府の役人として官職を得る事となる。寧温の任官の場で、国王は聞得大君の過剰な政治への関与を否定した。その頃、聞得大君のもとに真鶴の将来を予言したユタが捕まえられてきた。神女と対立する存在として煙たがられてきたユタだったが、ユタは聞得大君が偽者であると言って止まなかった。正統の聞得大君は第一尚氏王朝の血族が持つ勾玉を持っているべきであると主張するユタは、その勾玉を持つ者が辰年に生まれた女であると告げると聞得大君に殺害されてしまう。聞得大君は勾玉を持つ女を捜すべく全ての辰年生まれの女を捕らえて拷問にかけるものの、勾玉を見つける事は出来なかった。拷問による死者はキリシタンであったとして処分させる冷酷振りだった。
その頃寧温は難破した外国船の検分に出かけていた。遭難した英国人たちに寧温は面会するが、逆に襲撃を恐れた英国人たちに襲われてしまう。そこを一人の薩摩の役人が救いに現れた。その男こそがかつて少女時代の真鶴が出会った薩摩藩士の浅倉だった。浅倉もまた難破した異国船の検分に訪れたのだった。遭難した英国人たちが逗留している屋敷につくと、英語に長けた寧温が船員たちと交渉に当たった。寧温は一存で船員たちを英国に送り返すと答えるが、そこには怪我人を見に幽閉先から訪れていたベッテルハイムも居合わせていた。寧温を真鶴でないかと訝るベッテルハイムはフランス語やドイツ語で次々に寧温に問いかけるが、あくまでも自分は男で宦官になった身だと言い張る。そしてその場に居合わせた浅倉は「マヅル」という単語にハッとするのだった。浅倉は寧温を連れ出し、薩摩藩が英国人たちを奴隷にしたいと主張していると相談した。そして浅倉は真鶴との思い出も本人である寧温に語って聞かせるのだった。居たたまれなくなった寧温はその場を去ろうとするが、不意に崩れ落ちる。浅倉はその身を案じるが、寧温はそれを激しく拒否して去るように言い放つ。寧温の内股には経血が流れ落ちていた…。
王府は英国人たちについて薩摩の要求に答えるべきか、清国が主張する処刑を行うべきかで紛糾していた。寧温はあくまでも独立国として漂流民たちの保護を主張し、国王もそれを認めるのだった。寧温は役人として自分が果たした一つの役目を終えて満足していた。

それからしばらくして、尚育王を琉球国王と認める儀式が清国一行を迎えて行われ、その祝いの場で舞を披露する踊り手の中に失踪した義兄・嗣勇の姿を認めるのだった。冊封体制の中で正式に国王となった尚育王は、寧温を呼び出して国費が流用されている件について調査するように命じる。その件には御内原(うーちばら:琉球王朝にとっての大奥)が関わっているため、男の出入りが出来ないことから寧温が直々に調査するように命じられたのだった。
寧温が訪れた御内原は、女たちの権力が複雑に絡み合っていた。国王の母である国母(八千草薫)、それに反抗する王妃、対立する側室とそれを支持する聞得大君などの立場が入り乱れていたのだった。その後、聞得大君から申請された増築のための申請を寧温は却下した。聞得大君に直々に呼び出された寧温は臆する事無く対峙し、増築は国の財政上認められないと断固としてはねつけた。そんな折、嗣勇が寧温を訪ねてくる事を知らされ、2人は久々に対面を果たす。しかしその場面を役人である側室の兄に見つかり、聞得大君に密告される。聞得大君は嗣勇を捕らえ、寧温との関係を白状するよう拷問にかける。必死に耐えて口を割らない嗣勇だったが、騒ぎを聞きつけて飛び込んだ寧運は、兄を守るために自らが女であると告白する。証拠として着ているものを脱ぐように命じられる寧運は、意を決して帯を解く。その体は、聞得大君には龍に守られているように光り輝いて見えていた…

第2話見どころ
一筋縄ではいかない聞得大君に最大の秘密を握られた寧温が、己の正義と葛藤する姿が第2回の中心となる。これまでの役人としての姿勢と違う寧温に気付く朝薫、そして寧温の存在に深い関心を抱く浅倉などの人間関係も巻き込みながら寧温がどんな道を切り開くのか、新たな展開が待たれる。

BS時代劇「テンペスト」は24日(日)よる6時45分から放送。予告動画は番組公式サイトの「次回予告」で視聴出来る。

テンペスト|BS時代劇


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