対立する寧温と浅倉、その思惑は政治故かそれとも…ドラマ「テンペスト」第9回予告動画と前回のあらすじ‐NHK

2011年09月10日19時54分ドラマ

孫寧温として復帰してしまった事で役人と側室の二重生活を始めた真鶴(仲間由紀恵)だったが、兼ねてから琉球への介入を目論む薩摩の思惑は「真鶴」を救いたい浅倉雅博(谷原章介)と一致する。これまで琉球とは穏便な関係を築いていた浅倉が一転、その余波で清国派の喜舎場朝薫(塚本高史)は失脚する。薩摩の政治的思惑と浅倉の私情が絡み合い、寧温との溝は深まるのか。NHKのBS時代劇「テンペスト」の第9回「決別」は9月11日に放送、予告動画が公開されている。

第8回「ペリーとの対決」あらすじ
那覇の港に米国艦隊が大挙していた。上陸許可を求めてきた米国側と折衝するために、朝薫が王府の代表として米国艦内で会談を行った。代表のペリーとの交渉に臨んだ朝薫だったが会談は難航し、琉球政府は米国への対応を決めかねていた。朝薫は琉球へ米国が接近した狙いには大和の開国を狙うためと説くが、家臣たちは上陸拒否の姿勢を崩そうとしなかった。一方、真鶴は米国についての政策への考えをまとめていた。そんな折、真美那(上原多香子)が子を身ごもった事を知らされる。真鶴は大いに喜んだが、その結果としてこれまで阻止されていた国王(染谷将太)からのお召しが掛かる事になってしまう。

ついに真鶴が国王の寝所へ召される時が来た。真鶴はこれまで書きしたためていた政策の書を破り捨てた。大勢頭部(藤真利子)から会話をしないこと、目を合わせないことなどのしきたりを事前に言い聞かされたのちに国王のもとへ連れられた。真鶴の肩に手をかけた国王だったが、突然振り返って声を掛ける真鶴の行動に驚く。禁を破った事を詫びた真鶴が切り出したのは、国王は謁見せずとも上陸は許可して高級士官に宿舎を与えるとする黒船に対する譲歩案だった。いきなり側室から外交についての意見が出された事に驚く国王だったが、真鶴が孫寧温であることを告白すると怒り、思戸(ウミトゥ・二階堂ふみ)を呼びつけて事情は話さずに真鶴を監禁するように命じる。
琉球と米国の交渉に危機感を感じた薩摩は、浅倉を筆頭に琉球の装束をつけた薩摩藩士たちを王府へ送った。薩摩藩の代表として国王に謁見した浅倉は、かつての孫寧温の外交手腕を褒め称え、それを見てきた琉球王府が今どんな対応をするのかと迫った。一方御内原では真鶴の不在を不審に思った真美那が思戸に詰め寄るが、国王が前夜から離したがらずにいるので戻らないと告げたものの、真美那は却って安堵した。王府を抜けた国王はひっそり真鶴のところへ戻り、黒船とどう外交するべきか尋ねた。さらに宦官と偽ったのは父の意思かと尋ねる国王に、自らの意思で役人になったことを真鶴ははっきりと語った。真鶴は米国の意図が琉球に蒸気船の補給基地を作ることにあり、日本開国のための足場としたい思惑を見抜いていた。そして相手への敬意を失えば武力攻撃が始まるだろうと語っていた。その頃朝薫はペリーと再び交渉の場にあったが、まとめきることは出来ずに那覇港は砲撃され、アメリカ軍が上陸してきた。
王宮前まで軍隊に守られたペリーの一行が到着すると、それを出迎えた朝薫が王宮には軍隊は入れないとしてペリー以下数名の高官のみを招きいれた。首里城の美しさに感嘆するペリーたちを物陰から伺っていた浅倉たち薩摩藩士は、国王と謁見するならペリーたちを殺害するつもりで潜んでいた。しかし、ペリーたちを出迎えたのは孫寧温であった。国王から全権を委ねられたとしてペリーに対面した寧温だったが、ナイトの称号を持つ寧温の存在を知っていたペリーはその対応に満足していた。その後は米国大使らの歓迎会となり、寧温の兄・嗣勇も本来の踊り子として琉球舞踊を披露した。和やかな宴会の席で、寧温は朝薫と浅倉に国王からの恩赦を受けて首里に今朝戻ったのだと説明した。その後御前会議にも出席した寧温は、先に日本を開国させた後に必要な条約を結ぶと申し出て、矛先を大和に向けるように意見した。
その後ペリーと会談した寧温は、琉球がいずれ完全に独立をするためには王府は外交と治安維持だけを行い、商人の交易や外国人の居留などは認め、琉球を西洋と東洋の緩衝地帯として存在することに意義があると自説を展開した。琉球の美しさを全力で守ると訴える寧温の意図を汲み、ペリーはすぐさま日本へ向けて出航するよう指示を出した。同席していたベッテルハイムは、日本からペリーが戻った暁にはペリーに同行して香港へ行くと寧温に告げた。琉球を去るのが淋しいと語るベッテルハイムは、「今のうちにほしい本があればまたいつでも取りに来なさい」と言って寧温に微笑んだ。彼は真鶴が寧温である事に気付いていたのだった。

米国艦隊が琉球を後にしたことで王府は喜びに沸き、皆がカチャーシーで脅威が去った事を祝った。それを見守る寧温と朝薫は久々に言葉を交わし、二人の間のわだかまりもいつしか解けていった。ひと段落つくと、寧温は王宮から国王のみが通る通路を経て御内原へ戻り、側室の衣装に着替えて「真鶴」として真美那たちのもとへ現れた。真鶴が戻り喜ぶ真美那はあれこれと語りかけるが、そこへ思戸が現れ再び真鶴に国王が呼んでいることを伝えた。国王は、真鶴に向かって告白を始めた。かつて孫寧温に惹かれていたこと、八重山への流刑を決めた心の底には宦官に対して思いを寄せた自分に対する恐怖があったなどとこれまでの思いを語り始めた。そして寧温に瓜二つの真鶴を見た時にその思いが救われた気持ちがしたとも述べ、心から触れ合いたいと真鶴に告白した。しかし、真鶴はこの身は王命を賜ればいつでも側に参りますと答えて従属の意は示すものの、心の一線を崩そうとはしなかった。
ある日。浅倉は久々に孫寧温と2人きりで崖の上で対面した。浅倉はペリーが寧温の思惑通りに日本を開国させたと告げた。今後寧温が薩摩の動きも警戒しなければと政治の話を続けようとするのを浅倉はさえぎり、八重山から真鶴として戻ってきたのではなかったのかと問い詰めた。今となってはどうすることも出来ない寧温は、もう真鶴が戻ることはないと宣言した。絶望した浅倉は「あなたを本来の姿に戻すために琉球王国と戦う」と宣言して去っていくのだった。

第9回みどころ
浅倉を慕いながらも琉球に身を捧げる人生を選んだ結果、側室として身ごもってしまう真鶴。黒船来航以降の日本の歴史が怒涛のように流れるのは知られているが、その裏側で琉球はどんな選択を迫られるのか。歴史の動きが登場人物の心と裏腹にその運命を翻弄する。後は最終回を残すのみとなった佳境へ入る重要な回だ。

BS時代劇「テンペスト」は11日(日)よる6時45分から放送。予告動画は番組公式サイトの「次回予告」で視聴出来る。

テンペスト|BS時代劇


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