1月16日、NHKは木曜時代劇「鼠、江戸を疾る」第2回「盗まれた恋文」を放送、次郎吉（滝沢秀明）が身請けしていつもの生活に戻ったお豊（萩原みのり）はお染（濱田マリ）の営むやぶそばで働き始めるが、ある日近くで斬り合いが起こる。武士と町人の斬り合いで、負傷した町人はやぶそばに飛び込みそこで自害してしまう。次郎吉とお豊はその場に居合わせたが、出来心でお豊は町人の落とした財布を持ち帰ってしまう。

【第1回「鼠小僧、参上」あらすじ】
ある冬の朝。同じ長屋に住むお豊が、吉原に身売りするといって次郎吉に挨拶にやってきた。お豊の父は妻の薬代をと博打にばかり金をつぎ込み、ついにお豊まで売ってしまったのだった。お豊の父は、身勝手にもうちにも鼠小僧が来ればいいのにと投げやりに吐き捨てる。次郎吉は博打の借金なぞを鼠小僧が恵んでくれるはずもないと諌めるが、鼠小僧などいないと嘆く姿に心が悼む。その夜鼠小僧が江戸の町に現れ、岡っ引きの徳五郎（高嶋政宏）に見つかるものの鼠小僧は徳五郎と同じ呼び笛を使い追っ手をかく乱して無事に逃れた。大名屋敷から千両箱を一つだけくすねた鼠小僧は、長屋の部屋という部屋に小判をばら撒いて去っていく…一仕事終えて長屋に戻った次郎吉はすっかり熟睡していたが、小袖は大っぴらにねぎらう事が出来ずにそっとしておくしかなかった。
ある日、道場帰りの小袖は辻斬りに遭う娘・おすが（小島籐子）に出くわし、寸でのところで助け出す。おすがの命は無事だったものの、おすがが持っていた茶碗が箱の中で割れてしまったようだった。おすがは裕福な小間物屋の娘であり、父親の弥兵衛は娘を助けた礼を言いに次郎長の長屋までやってくる。弥兵衛はその時十両もの小判と茶碗の欠片を置いて去っていく。気になった次郎吉は弥兵衛を訪ねて店へ足を運ぶが、弥兵衛は割れた茶碗のせいで手討ちとなった後だった。次郎吉はおすがから、茶碗が新田藩から借り受けた由緒あるものであるということと、弥兵衛の茶会のためにと茶碗を貸したのが茶道師範の宗庵（西岡徳馬）であったと聞かされる。次郎吉は弥兵衛に託された茶碗の欠片から、茶碗は欠け接ぎがしてあり既に割れていたものだと察する。早速新田藩邸に忍び込んだ次郎吉は、新田の若殿が辻斬りの犯人であること、更にそれを煽っているのが宗庵であることを突き止める。元は若殿が割った茶碗を他人のせいにするため、おすがの一件は仕組まれたものであった。そして宗庵に付け込まれた若殿は、更なる辻斬りを重ねる。
新たな辻斬りの被害者となったのはお豊の父親だった。遺体を長屋に運んだ徳五郎は蕎麦屋で顔なじみの次郎吉を見かけ、辻斬りはばくち打ちばかり狙うせいで奉行所も追及を深めないと悔しげに内情を訴えるのだった。
しばらく後、深い霧の夜。新田の若殿が誰かを伴って辻斬りをすべく潜んでいた。そこへ現れたのは次郎吉だった。次郎吉は身をかわし若殿に目くらましをする。側にいた男は若殿を逃がし、自らが刀を取り出し次郎吉、そして小袖に襲い掛かった。その男こそが宗庵であり、おすがを襲った男だった。次郎吉は茶碗の一件を全て知っていると打ち明け、自分の願いを聞き届ける代わりに見逃すと取り引きを持ちかけた。一旦宗庵を見逃した次郎吉に、何故止めを刺さないかと小袖は食って掛かる。しかし次郎吉は、父の死を自分のせいだと悔やみ続けるおすがを救うことこそが弥兵衛の望みであるとしか告げなかった。
そして夜、次郎吉は新田藩に忍び込み若殿の髷を切り落としてしまう。翌日次郎吉は次に鼠小僧が現れるのは千鳥ヶ淵でないかと噂をばらまいた。夜更け、千鳥ヶ淵に現れたのは次郎吉の文によって呼び出された宗庵と新田藩の若殿であった。送りつけられた髷が若殿のものであると知った宗庵は自らの危険を察し、若殿にしばらく江戸を離れると告げた。若殿は自分が見捨てられたと思い激昂、錯乱し刀を宗庵に振りかぶった。二人が争っている最中、噂を聞きつけた町民や徳五郎ら奉行所の連中が続々と集まり、二人は捕らえられてしまう。いずれ、茶碗の一件も白日の下にさらされ弥兵衛の身の潔白も明らかとなるだろう…その刹那、淵の向こうに鮮やかな花火が次々と打ち上げられた。美しい夜空を見て、集まった町人たちはこれが鼠小僧からの贈り物だろうと喜んで見入るのだった。弥兵衛が置いていった十両を全て花火代に宛てた次郎吉に、小袖は兄らしさに笑みを浮かべる。その後、次郎吉は鼠小僧が置いていった金を使ったといって、吉原に行ったお豊を身請けするのだった。

木曜時代劇「鼠、江戸を疾る」第2回は16日（木）よる8時から放送。第1回「鼠小僧、参上」はNHKオンデマンドにて配信中、購入期限は1月23日（木）まで。

◇鼠、江戸を疾る｜NHK木曜時代劇
◇NHKオンデマンド｜鼠、江戸を疾る