「55歳からのハローライフ」…最終回は60歳の男たちのロードムービーだった!あらすじと次回作紹介!予告動画

2014年07月14日22時38分ドラマ

12日最終回を放送した「55歳からのハローライフ」は、原作も素晴らしいが、作り手のこだわりでよりパワーアップして毎回、団塊世代の苦悩、生きがいなどきれいごとではない現実を見せてくれた!最終回は、60歳の主人公と親友でホームレスの男たちのロードムービー…イッセー尾形と火野正平が圧巻の演技が光った最終回を見逃した方のためにあらすじを紹介!公式サイトには予告動画が公開されている。

「55歳からのハローライフ」は、出演する俳優も名優なら、演出もこだわりぬいたものだった。主人公たちが暮らす室内に始まり、小道具、ライティング、清水靖晃氏の奏でるサキソフォンの響きに至るまで一切手を抜かない強いこだわりが原作を超えるパワーと独特の世界感を感じさせてくれた。その演出にすっかりはまり、毎回、おなじみになったロケ地を指さし、前回の主役がどこでカメオ出演(ゲスト出演)するのか目を凝らし、ドラマと同じ飲み物に舌鼓を打った視聴者も多かったのでは?
そんな中、最終回にふさわしく、これまでのどのカメオより重要な役を演じたのが、前回の主人公の下総源一(小林薫)だった。ひょっとしてトラベルヘルパーとして、因藤(イッセー尾形)と福田(火野正平)を目的地までの送り届けてくれるのか?と勝手なストーリーを頭の中に思い描いた方もいたのでは?
また、コーヒー、プ―アール茶、紅茶、番茶と続いたキーワードとなる飲み物が最終回は水だったのもよかった。繊細な音で毎回、テレビを超えて飲み物の香りまで届けてくれた本作。最終回の火野正平扮するホームレス姿があまりにもリアルで、画面を通して匂ってきそうで、香り立つ飲み物はで胸が悪くなっていたかもしれない。
では、そんなリアルすぎる最終回のあらすじを詳しく紹介しよう。

■最終回「空を飛ぶ夢をもう一度」
60歳の因藤茂雄(イッセー尾形)は、勤務先の出版社がつぶれ、「ホームレスになるかもしれない」という恐怖や不安を抱え、水道工事の誘導員として生計を立てている。腰を痛めており、そろそろ事務職に就きたいとハローワークに通うも、老年でこれといった資格のない因藤はまったく相手にされない。
水道工事の誘導員をしていたある日、中学時代の親友だった福田(火野正平)に声をかけられる。キツイ匂いを放ち、ホームレスのような姿の福田は現場近くの高級住宅街で暮らしているという。体調が悪いという福田を立派な家まで送り届けた因藤は、卒業以来忘れていた親友との記憶が少しずつよみがえってきた。
一か月後、ひどい腰痛で仕事を休んで寝込んでいる因藤に、山谷の木賃宿の主から「福田が2か月も家賃をためたうえ、虫の息だと」、引き取り以来の電話が入った。一度は断ったものの、心配になり木賃宿に出向いたところ、福田は起き上がることもできない様子。因藤は、そんな福田から2つの頼みをされた。一つは、母に指輪を届けて、自分が死んだと伝えてほしい、というもの。その指輪は母が大切にしていたもので、これだけは換金できなかったらしい。
もう一つは、木賃宿から出してほしいというもの。
結局、因藤は福田を見捨てることができず、福田を彼の母のところまで連れていくことに。福田のなけなしの金でタクシーに乗るが、福田が吐いてしまい下車。バスに乗り換えるが、吐いた後の福田の匂いは尋常ではない。しかも、おもらしした上に飲んだ水が喉を通らず、乗客からは不満の声が…。そんな中、騒ぐ乗客を一喝してくれたのが下総源一(小林薫)だった。
何としても、福田自身の脚で母の元へ行かせようとしたが、結局、力付きて救急車を呼んで病院へ。面会に来た福田の母に事情を説明し、無事に母子の再会を果たすことができた。
それでも、因藤の生活は何も変わらない。相変わらず仕事が見つからず、水道工事の誘導員は老体に応える。そんなある日、福田の母から感謝の手紙が届いた。手紙には、「息子は、素晴らしい友人がいた。それだけでも生きた甲斐があったという言葉を残して命はてた」と。

因藤に救われた福田だったが、因藤もまた彼と出会ったことで、お金や見栄や社会的な地位など数字にこだわらない生き方を気づかせてもらったのだった。
「55歳からのハローライフ」は、NHKオンデマンドおよびGyaO!ストアで視聴できる。
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初老と呼ばれる年代を描いた「55歳からのハローライフ」の次は26日(土)より、明治時代に実在した夫婦の感動物語「芙蓉の人」を、松下奈緒と佐藤隆太主演で放送する。(全6回)


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