全てを失ったサラリーマン探偵!見逃した方のために「ペテロの葬列」最終回あらすじと見逃し配信情報

2014年09月16日23時00分ドラマ

バスジャックに遭ったお人好しサラリーマン探偵は、結局すべてを無くしてしまった…15日(月)小泉孝太郎主演のTBS「宮部みゆきミステリー ペテロの葬列」が最終回を放送した!最終回の視聴率8.0%(ビデオリサーチ)と、決して高い数字ではなかったが、ネットでは「今クール一番の作品!」とドラマを高く評価する声が多く聴かれた!そんなドラマの最終回のあらすじをご紹介、TBSオンデマンドでは17日(水)より最終回の動画配信を有料にて開始する。全話まとめて視聴できるセットプランもあるので参考にどうぞ。

本作は、ミステリーの女王・宮部みゆきの“サラリーマン探偵・杉村三郎シリーズ”の最新作で、シリーズ最高傑作と言われた同名小説が原作。日本屈指の大グループ企業・今多コンツェルン会長の娘婿となり、同コンツェルングループ広報室に所属する杉村三郎が、バスジャックに遭い、犯人自死で解決したはずの事件の全貌を、素人探偵然としたスタンスで元人質だった仲間と事件の全容を掴んでいく様を描く異色のサラリーマン探偵物語。昨年放送の「名もなき毒」に続くドラマ化第2弾だけに、原作者の宮部本人からの強い推薦でキャスティングされた小泉孝太郎は、完璧な杉村三郎になりきっていた。
宮部作品の人気作だけにストーリーの面白さは折り紙付きだが、ドラマのテーマを具現していく絵画を使った演出も面白く、キャスティングも見事だった。杉村役の小泉をはじめ、同僚で編集部の室井滋やムロツヨシ、バスジャックの元被害者たち役の峰竜太、青山美倫子、細田義彦、清水富美加、妻役の国仲涼子、エリート社員・橋本役の高橋一生、間野京子役の長谷川京子、そしてベテラン俳優陣の平幹二郎や柴俊夫、バスジャック犯の長塚京三、その他台詞の少なかった脇のキャストに至るまで完璧なキャスティングだった。だが、どうしても気になったのは、バスジャック犯を「おじいさん」と呼び、公式サイトの相関図にも「謎の老人」としたところだ。
近藤晃央が歌う主題歌『心情呼吸』(アリオラジャパン)もドラマを大いに盛り上げてくれた。
だが、視聴率は第1話の9.1%にはじまり、8.8%、6.3%、7.0%、7.8%、6.2%、7.2%、7.0%、7.1%、7.1%、そして最終回の11話 8.0%と、とうとう一度も二桁台に届くことはなかった。(ビデオリサーチ、関東より)
一話完結でないので途中からの視聴が期待しにくく、視聴率を伸ばしにくいとはいえ視聴者の反応から鑑みてこの数字は少々低すぎる。低視聴率の一番の要因は、放送時間にあるだろう。このドラマがもう少し遅い時間帯だったらと、このドラマファンとしては何とも残念だ。

ともあれ、ドラマは終了してしまった。もう一度観直したい方はTBSオンデマンドで、繰り返し観たい方は12月26日にDVDが発売されるのでお楽しみに。⇒ペテロの葬列 DVD-BOX(予約)

■最終回あらすじ
坂本(細田)が起こしたバスジャック事件により、警察は杉村(小泉)たちが羽田光昭(長塚京三)から慰謝料を受け取っていたことを知り、杉村たちは再び事情聴取を受けることになり、そのお金は、事件の詳細が判明するまで警察預かることになった。だが、騒ぎはこれだけでおさまらなかった。元人質たちが犯人からお金を受け取っていたことが世間にも知られると、「被害者面して、裏では大金をせしめていた」とネットなどで騒がれてしまった。

数日後、間野京子(長谷川京子)が広報室へ出勤。清田弁護士(野間口)から「間野はうそつきだ」と聞かされていた広報室一同は戸惑う中、京子は、自分の置かれている本当の境遇を皆に告白した。清田は京子をストーカーしていたのだった。

後日、森元常務(柴)の回顧録の完成祝いをレストランで開き、園田編集長(室井滋)たち広報室一同を前に、森は、妻・弥生(山口果林)との思い出を語り、妻が好きだった曲「テネシー・ワルツ」を口ずさみ、夫婦の歩みを感慨深く思い返すのだった。
そんなお祝いの後日、井手(千葉)から杉村に電話がかかってきた。井手の異変に慌てて駆けつけた杉村が見たのは、ベッドで安らかに眠る弥生と傍のドアで首つり自殺をした森の遺体だった。井手は、森の哀れな死を世間にさらしたくないと、森の遺体を隠そうと杉村に協力を強要。死者の選択した最期を尊重すべきだと、杉村はこれを断った。そんな杉村に井手は菜穂子と橋本の不倫現場の写真を送り付けた。この写真は橋本にも送られ、帰宅した杉村は菜穂子の口からこれが事実だと告白された。菜穂子は、「杉村がいなければ何もできない自分に気づき、いつか杉村が自分の傍から離れてしまうかもしれないという不安感から橋本と罪を犯してしまった」と言った。杉村は菜穂子の論理が理解できない。「自分だけが罪を犯した」という菜穂子言葉を聞いた杉村は、京子のことが頭をよぎった。罪を踏みとどまった杉村、1人で強く生きるために罪を犯してしまった菜穂子。杉村は離婚を決意した。

バスジャック事件に遭ったことで、愛する妻も、仕事も何もかも無くしてしまった杉村は傷つき、睡蓮で仮眠を取る。世話になったマスターと挨拶を交わし、広報室の同僚たちにも別れを告げた杉村は、1人旅に出ることに。
駅に向かう道、京子はベンチで杉村を待っていた。立ち上がり杉村に笑顔を向ける京子に、一瞥もくれずに杉村は駅への道を急いだ。


この物語は、私たちの心の奥底に潜む憎悪や嘘といった“悪”を突き詰めていく展開で、誰にも思い当たる部分があり、深く考えさせられる物語だった。重苦しいテーマではあったが、お人好しの杉村が築いた人間関係がドラマを温かくしてくれた。最終回、「娘の菜穂子を護る城壁として杉村に大きな犠牲を強いてしまった」と謝罪した今多会長(平)と杉村の関係は、舅婿の関係を超えた素敵な関係だった。相棒・手島(ムロツヨシ)との凸凹コンビにも好感が持てた。そして、筆者が何よりも気に入っていたのは、杉村と睡蓮のマスター(本田博太郎)との関係。最終回でやっと彼の名前が“水田大造”と分かった。手島(ムロツヨシ)に貸したランチ代を代わりに取り立ててくれたり、最終回前話に群馬まで車を走らせ死体発見まで手伝ったり、最終回の再会の約束には胸が詰まった。
また、京子との関係もなかなかよかった。独り身になりよもや…と心配したが、自分を待っていた京子に一瞥もくれることなく立ち去った杉村の潔さにしびれた。ぜひとも続編を期待したい素晴らしいドラマだった。ちなみに、原作では杉村の旅立ちを見送ったのは、杉村が尊敬する亡き探偵・北見の元妻と息子だった。
見逃した回のある方は、以下の【各話のあらすじ】で、全話の詳しいあらすじがあるので参考にどうぞ。

TBSオンデマンドでの視聴は、各話324円(税込み)、全話セットが1620円(税込み)。最終話は17日より配信。
DVDの発売は、12月26日より⇒ペテロの葬列 DVD-BOX(予約)

10月からの同時間枠は、仲間由紀恵と佐藤隆太の「SAKURA~事件を聞く女」を放送。秋ドラマはコチラのコーナーでまとめてご紹介⇒【2014年秋ドラマ紹介】

TBS「ペテロの葬列」
TBSオンデマンド「ペテロの葬列」視聴ページ






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