「大岡越前9」第7話、渡辺哲が老いた元火消しを熱演!娘の涙と忠相・高橋克典の人情裁き【ネタバレ】

10月18日20時18分ドラマ
NHKBS時代劇「「大岡越前9」第7話「父の木遣り唄」

高橋克典主演のNHK BS時代劇「大岡越前9」は、10月18日(日)に第7話「父の木遣(きや)り唄」を放送した。今回は、かつて町火消しとして活躍した父・松造(渡辺哲)と、老いた父の世話に悩む娘・おとき(柊瑠美)の親子愛が描かれた。父の命と夫婦の長年の夢を天秤にかける苦渋の決断、道を踏み外した若者を思う母親の涙、そして誰もが抱える家族への思い。大岡忠相(高橋克典)が下した、人の弱さに寄り添う温かな裁きが胸を打つ一話となった。NHKオンデマンドで見逃し配信している。



「大岡越前9」は、理性と人情を兼ね備えた高橋克典演じる大岡忠相が、笑いと涙で江戸の難事件を裁く正統派時代劇の第9弾。⇒【全話あらすじ・見どころ・豆知識】、【「大岡越前8」全話あらすじ】

■主要レギュラーキャスト
大岡忠相役:高橋克典
榊原伊織役:勝村政信
結城新三郎役:寺脇康文
雪絵役:美村里江
神山左門:嶋田久作
徳川吉宗役:徳重聡
 ほか

■第7話「父の木遣り唄」ネタバレあらすじ
大岡忠相(高橋克典)の妻・雪絵(美村里江)は、義母の妙(松原智恵子)が布団に粗相をしたと思い、忠相に同居を提案する。

一方、裏通りで小さな店を営む与平(芦田昌太郎)と妻のおとき(柊瑠美)は、かつて町火消しだった父・松造(渡辺哲)の世話に苦労していた。最近の松造は外出すると家への帰り道が分からなくなることが増え、夫婦は心配を募らせていた。

ある日、松造は銀八(福山康平)らのねぐらに迷い込み、そのまま誘拐されてしまう。銀八は与平夫婦が表通りへの出店を夢見て二百両を蓄えていると知り、松造の命と引き換えに金を要求する。

与平は、表店の市右衛門(なべおさみ)に納めた前金を返してもらおうとするが、長年の夢を諦めきれず、そのまま帰宅。夫の気持ちを察したおときは「父を諦める」と涙を流す。しかし、「おとっつあんに会いたい」と泣き崩れる妻を見た与平は、前金を取り戻して取引場所へ向かう。

ところが、おときは夫に金を持って逃げるよう叫び、自分は父と共に死ぬ覚悟を決める。銀八がおときに暴力を振るおうとした瞬間、松造が猛然と殴りかかった。それは、かつて江戸の町を守った勇敢な火消しの姿そのものだった。

そこへ忠相が町方を率いて駆けつけ、銀八たちを捕らえる。忠相は同心・筧甚内(金山一彦)の報告を受け、顔に大きな傷のある銀八について密かに調べを進めていたのだ。

お白州で、おときは父を見捨てようとした自分にも罰を与えてほしいと願い出る。しかし忠相は、年老いた親の世話の苦労は当事者にしか分からないと諭す。松造は娘の苦しみを理解していたからこそ、身を挺して守ったのだ。「耄碌しても親が子を思う気持ちはそのまま」という言葉が、おときの心に響く。

さらに忠相は銀八の母親を呼び入れる。幼い銀八が誤って頬に鉈で大きな傷をつけてしまい、それが原因で息子は虐められ、道を踏み外したのだと母親は涙ながらに語る。

その姿に心を動かされたおときは、父は誘拐されたのではなく、銀八たちに預かってもらい、食事や酒まで振る舞われたと証言。忠相は銀八たちに百叩きの刑を命じ、刑を終えた後は親元へ帰って悔い改めるよう言い渡す。

その後、与平は念願の表店を手に入れ、人を雇っておときが父の世話に専念できるようにする。店には市右衛門から贈られた看板が掲げられていた。

一方、大岡家で心配されていた妙の粗相は、夜中に布団でせんべいを食べ、お茶をこぼしただけだったことが判明する。

■第7話の見どころ
かつて町火消しとして活躍した松造が、年老いて道に迷い、娘夫婦の世話になる姿は切ない。しかし、娘が危険にさらされた瞬間、松造は迷うことなく銀八に立ち向かった。普段は頼りなく見えても、娘を守る父親としての本能は少しも失われていない。渡辺哲が演じる松造の勇ましい姿に、胸が熱くなる場面だった。

今回、特に印象に残ったのは、おときを責めることなく、その苦しみに寄り添った忠相の裁きだ。父親の命よりも夫婦の夢を選ぼうとした自分を責めるおときに、忠相は介護の大変さを理解し、これ以上自分を責めるなと諭す。親を大切にしたいという思いと、日々の暮らしの重圧。その間で揺れる家族の心情は、現代にも通じる普遍的なテーマだ。

誘拐事件の犯人・銀八にも、悲しい過去があった。幼い頃に誤ってつけた顔の傷によって虐められ、人生を踏み外したという告白は、銀八だけでなく、母親も「目を離した自分のせい」と長年苦しみ続けてきたことを物語る。その姿を見たおときが、父を誘拐した男たちをかばう証言をした展開も印象深い。罪を見逃すのではなく、百叩きの刑を科したうえで親元へ帰し、更生の機会を与える。忠相らしい人情裁きが光った。

物語の冒頭から描かれた妙の粗相騒動も、老いと家族を考える今回のテーマにつながっている。ところが、その真相は布団の中でせんべいを食べ、お茶をこぼしたという何とも微笑ましいもの。深刻な事件が続いた後だけに、大岡家らしいユーモラスな結末が心を和ませてくれた。

■次回・第8話「御禁制の女」
抜け荷を単独捜査していた左門(嶋田久作)が、短筒で撃たれ重傷を負う。左門は懐に南蛮渡りの花を持っていた。忠相(高橋克典)は、左門が最近出入りしていた料理茶屋にたどり着くが、美人女将のお葉(野波麻帆)はしらを切る。左門が書き置いた文から、お葉を愛人として囲っている松葉屋(成瀬正孝)の犯罪が浮かび上がり、松葉屋に捜査が及ぶ頃、お葉は謎の船頭・伊助(中本賢)と共に姿を消し、伊豆下田へ向かっていた。

【放送情報】
「大岡越前9」
2026年9月6日(日)放送開始
NHK BS、NHK BSプレミアム4K
毎週日曜 18:45~19:28
全8回

◇NHK|BS時代劇「大岡越前9」
◇NHK ONE「大岡越前9」