【女官時代③】(第6話~第28話あたりのネタバレあり)
チャングムは敵も多かったが味方も多かった。いや、一歩間違えば敵にもなりえる人物がどんどんチャングムの味方になっていくのだ。その中でもヨンセンは別格!チャングムの一番の親友だ。彼女は子供のころチャングムにやさしくしてもらったことにとても感激し、同時にチャングムの人となりに深く傾倒し、生涯親友としてチャングムを助ける。チャングムとヨンセンの二人の間には、嫉妬という言葉は存在しない!ハン尚宮とチェ尚宮との料理対決の際に、ヨンセンも相当がんばったのだが、お褒めの言葉は全てチャングムに集中した。ヨンセンの働きには誰も目を向けない。普通、こういったときヨンセンが「何よ!私だってがんばったのに!悔しいー!」となるものだが・・・。
ヨンセンだって、チャングムが島流しにあっている間に、こともあろうに王といい仲になって寵愛を受ける。これだって、チャングムから見れば、「アンタだって、チョン尚宮を死に追いやったチェ一族を恨んでるんでしょッ!何とかしなさいよ!」ってな具合になりそうだが・・・。
どうやら、この二人は互いを尊敬しあい、己の“分(ぶ)”をわきまえているらしい。これは、医女になってからのチャングムとシンビの友情にもいえることだ。

そして、才媛二人の心を蕩かしたニクイ男は、両班の高級官僚ミン・ジョンホ。グミョンが一族の命令に背いてまで、密かにミンを助けるのに対し、彼は実に冷たい!もはやチャングム以外の女性は目に入らないのだ。全く恋は盲目、哀れグミョン。

さて、話をドラマに戻して・・・チャングムとミン・ジョンホの二人が登場するシーンは、胸キュンポイントが満載だ。恋にオクテの二人が、恥じらいながら恋を育むシーンは「これぞ、歴史ドラマ!」。現代ドラマにはちょっと真似できない名シーンが満載。二人きりの場面では、自然を実にうまく利用している。第1話で、チャングムの(後の)両親の時もそうだったが、下手すると、俗っぽくなりがちな恋愛描写が、自然をうまく利用されたことで、二人の恋を深く、切ない恋慕にしている。二人の清らかな恋は最終回まで続くので、また紹介しよう。
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