クリント・イーストウッドが映画化した重厚なミステリー。『ミスティック・リバー』

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どうにも救いようのない、陰鬱たる映画がある…、 たとえば、この『ミスティック・リバー』などが、そうだ。
原作のデニス・ルヘインにはこうした陰々滅々たる作品が多いし、クリント・イーストウッド監督も『許されざる者』や『ミリオンダラー・ベイビー』を観る限り、根のところはかなり暗い気がする。当然、作品のトーンも予想通りである。
ただ、この暗さは聞き慣れた音楽のように、妙に心の襞に響いてくるのだ。

主人公は、幼なじみの三人である。犯罪社会とつながりのある雑貨店経営者のジミー(ショーン・ペン)、平凡な家庭人のデイヴ(ティム・ロビンス)、そして刑事のショーン(ケヴィン・ベーコン)。
実は、三人が少年のころ、デイヴが誘拐されて性的な凌辱を受けたことがある。その日を境に三人は離れ離れになっていた。
25年後。ジミーの娘が何者かに殺される事件が起きた。捜査にあたったのは、ショーンである。事件は複雑な様相を呈していった……。

骨組みはミステリーであるが、実は謎解きそのものにあまり意味はない。むしろ、三人と、彼らを取り巻く人々の過去と現在、その関係性がテーマである。友情や夫婦愛といった表の関係、しかし、裏には嫉妬や裏切り、憎しみなどが潜んでいる。そうした負の因子は、実は、誰の心の内にも隠されているのだろう。
  • 監督: クリント・イーストウッド
  • ショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケヴィン・ベーコン
  • 年月日 ~ 年月日

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