侠道一途に生きる男の群像を描いた正純任侠映画。『侠客列伝』『博徒列伝』『渡世人列伝』『博徒一家』等東映が自信を持って贈るオールスター巨篇。時は明治の中期、九州随一を誇る大親分の引退表明で巻き起こる一家内の跡目相続劇にのみ込まれた一匹狼の川船頭組頭が争いを鎮めようとするが、事態は一層悪化し、北九州一帯が波乱を呈していく・・・。男の生き甲斐のために手段を選ばぬ組長に若山富三郎、悪を承知の上で組長に尽くす代貸・松方弘樹、侠道を手本に歪んだ者を正そうとする一匹狼の川船頭組頭に鶴田浩二、掟を重んじスジを貫き通そうとする大親分の実子に高倉健、自分のみに忠実な暴れん坊に菅原文太、彼らの各々の生き様を主張しぶつかり合うといった従来の任侠映画とは一味も二味も違う期待の一作。監督 山下耕作（1972年 103分）