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MBC-TV 16部作 水・木曜日 ミニシリーズ ｢12月の熱帯夜｣ これは多層の多様な生き方を描いたヒューマンドラマである。一般的なドラマはメロが中心であるが、実際に生々しい日常ではメロという感情はあってもなくても関係がない。我々にはメロよりも食べるのがもっと重要で、夫との愛情より義母との葛藤の方がもっと深刻な問題だ。《12月の熱帯夜》は、ひょっとすれば現実を離れて単線的であるかもしれないメロドラマの限界を克服するため、並みの世相を溶け、個性的で魅力のある助演キャラクターの創造し、ドラマの量感をもっと豊富にしたのである。貧しい環境にも関わらず、家族だからすべてを献身し、犠牲する根強い家庭愛、死を目前にした父と、父よりも先に死ぬ息子の呆れ返るような最後の日々、嫁ぎ先の主導権をめぐった嫁達の権力争い、虐める義母に対し、反撃に立つ嫁などの様々なエピソードは庶民の現実を個性あるキャラクターを通し、爽快的に興味深く描写している。 女ー 夫も子供もいる。 彼女は賢母良妻で誰が見てもいい嫁である。そんな彼女が恋に落ちる。 やさしかった彼女がだんだん「悪い女」になっていく。 そしてついに彼女の恋はばれる。 彼女はもう誰々の家内でも、母でも、嫁でもない。 ただの「不倫の女」であるだけだ。 彼女は すべてのものを捨て、子供まで捨て、愛する男のところへとにげていく「本当に悪い女」になる。 しかし、彼女が愛する男は、 自分の命よりも大切な子供と引き替えに得たその愛を愛じゃないという。 彼女をおいて、彼女の愛をおいて、男は「ゲーム」だったという。友だちと彼女を誘惑する「かけ」をしたという。 自分を裏切って、他の男と結婚した初恋に対する復讐だったという。 27才の若さの自分に死刑を下した 神に対する復讐だったと、 死ぬ前の最後の遊びだったと、彼女でなくても誰であろうとよかったのだと、丁度、それが 彼女だっただけだと言う。 崩れてしまう女。 男ー頑張った。本当に頑張った。 足は汗で濡れ、手のひらにたこができるほど 絶えず 寝る時間ももったいないと思いながら、復学と休学を繰り返しながら、アルバイトにまたアルバイト、病気になった父の薬代に、問題ばかり起こす義理の弟の補償金に。 やっとのことで集めておいた登錄金は今度もなくなってしまい、彼はもう何年目4年生のままだ。 それでも彼は挫折しない。 死んでも不公平な この世との勝負で負けたりはしないつもりだ。 7年もつきあった恋人が他の男と結婚する。恋人の新しい男は金持ちの息子で羽振りのいいお医者様だ。 悲惨だがそれでも涙で訴えてみる。 彼女を愛しているから。 しかしその愛人の決意は揺れない。 あなたには未來がないと言う。彼女は間違った。 彼はまだ27才。彼には晴れ晴れとした未來がある。 かっこよく成功して彼女が間違っていることをみせてやる。 彼はもっと勘張る。 もっと汗をかいて、寝る時間を減らし、でも やはり 彼女の方が正しかった。傲慢無道な神は彼に未來を許さなかった。癌だと。これから3ヶ月ぐらいしか生きられないと、ベットに横たわっている彼の父より先に死ぬんだと。怒り、座絶し、あきらめている、そんな惨めなある日、彼女に出会った。 限りなく邪悪な気持で一人の女をおいて友だちと賭けをした。 そうだ、 気の向くまま樂しんでからジェームスディーンのようにこの世が終わるまで走ってみよう! 私の命の終わる最後の瞬間まで神のなすまま苦しみながら死んでいきやしない。 とうとう、彼女に向かう彼の危ない誘惑が始まった。