皇帝 李世民～貞観の治～全50話
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唐武徳三年七月（620年）、唐王朝開祖、李淵の次男―秦王・李世民は父の命を受け、洛陽へ出兵した。この戦は李氏王朝にとって重大な意味があった。この頃、唐はすでに関中を支配し、他の領主と天下を分けていた。
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李世民は弟・李元吉が尉遅敬徳将軍を辱めた件に腹を立てた。早急に尉遅敬徳を釈放し、丁重に謝罪した。李世民軍は次々と洛陽周辺の都市を攻略し、洛陽城を孤立させた。順調な戦況を聞き、唐王・李淵も喜ぶ。
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策士の魏徴は竇建徳に失望し、長安に行き唐の皇太子・李建成を頼ろうと決意する。李世民は武牢関の周囲に厳重に兵を配備した。李世民の計略は成功し、竇建徳と王世充の二人を一網打尽にし、唐王・李淵を感嘆させる。
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唐王・李淵が寵愛する二人の王妃は落城した城の宝物を集めるため洛陽に来た。李世民は王妃たちの行為に不満だったが、李元吉に王妃たちを護衛させた。宮殿の門で、李元吉は通行を止めた二人の衛兵を殺してしまう…。
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権利と地位への野望を抱く李元吉は、大きな陰謀を企んでいる。まず皇太子・李建成と協力して李世民を倒し、その後、李建成から皇位を奪おうという算段だ…。李淵は竇建徳を見せしめで殺そうとするが李世民は反対する。
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河北では、竇建徳の仇を討つため、竇建徳の昔の部下・劉黒闥が兵を挙げた。李淵は表立っては自分の失策を認めないが、内心では李世民のことをいっそう評価するようになり、李世民に劉黒闥の討伐を任せる…。
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李淵は二人の息子、秦王・李世民と斉王・李元吉と共に仁智宮殿へ避暑に行った。李建成は自分の勢力を拡大するため、秘密裏に慶州の楊文干に使者を送り、鎧を二百贈ろうとした。このことが李淵にも知られてしまう…。
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草原十八部が攻め込んできたという知らせが届いた。李淵はやむを得ず、獄中の李建成を釈放し、急いで長安へ戻り、李世民を討伐に向かわせた。李建成と裴寂はこの落ち着かない時期に李淵に遷都をそそのかす…。
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李建成と李元吉は李世民を排除したい気持ちがいっそう深まる。魏徴は「賊を捕らえるにはまずその頭目を捕らえるべし」と直接李世民を殺すよう進言する。李元吉は自ら買って出て、二人の兄を殺そうと決める。
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李世民を洛陽へ行かせることは皇太子・李建成にとって青天の霹靂であった。もし李淵が死んだら、東を制覇している李世民にはかなわない。不利な局面を逆転するため、李建成は皇太子の位を李世民に譲ると申し出る…。
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