モスクワ国際映画祭W受賞『四月の永い夢』、公開前に本編冒頭映像解禁!

2018年05月09日12時00分映画

映画『四月の永い夢』が、いよいよ今週末の5月12日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開!公開に先駆けて本編の冒頭映像が特別解禁された。

『四月の永い夢』は、カンヌ、ヴェネチア、ベルリンに並ぶ世界四大映画祭のひとつ、モスクワ国際映画祭において、昨年、国際映画批評家連盟賞とロシア映画批評家連盟特別表彰ダブル受賞の快挙を果たし、「詩的な言葉の表現と穏やかな映像を通して人生の大事なエッセンスを伝えているプライスレスな作品」と評価されるなど、海外の映画祭で絶賛された。

3年前に恋人を亡くした27歳の滝本初海。音楽教師を辞めたままの穏やかな日常は、亡くなった彼からの手紙をきっかけに動き出す。元教え子との遭遇、染物工場で働く青年からの思いがけない告白。そして心の奥の小さな秘密・・・

主人公の初海役を務めるのは映画『かぐや姫の物語』(かぐや姫・声)、『横道世之介』、TVドラマ「下町ロケット」、「おんな城主直虎」など様々な作品でその存在感を見せる朝倉あき。初海に恋する朴訥で誠実な青年・志熊を体現するのは、実力派俳優 三浦貴大。 監督・脚本は平成2年生まれの若き才能・中川龍太郎。17歳で詩人としてデビューした経歴を持ち、高く評価された前作『走れ、絶望に追いつかれない速さで』に続いて自身の実体験を踏まえながら、前作の鋭い感性とはまた異なる優しいまなざしで、喪失感から緩やかに解放されていく、主人公・初海の心の旅を描き出す。

公開された冒頭映像は、主人公のモノローグが印象的な映像。満開の桜と菜の花を背に、喪服姿の主人公・初海(朝倉あき)が佇む映像とともに、彼女のモノローグが始まる。今回、中川監督がその声に魅了されキャスティングを熱望した朝倉あきの表情が、憂いを帯びた声が主人公の喪失感を物語る。

原作本の映画化が多い昨今の中で、中川監督自ら執筆する脚本におけるセリフは本作の魅力のひとつ。語り過ぎず、さり気なく発せられる端正な言葉と、そこに込められた心情のリアリティ。観る者の心に響くそれらは、17歳で「詩集 雪に至る都」を出版した詩人、エッセイストにして、独学の映画作りで才能を発揮してきた経歴を持つ、中川監督ならではと注目を集めている。

本作冒頭映像を振り返り、中川監督は「春の霞が立ち込める中、桜と菜の花に囲まれた世界にぽつりひとり、喪服を着た女性が立ってこちらを見ている。そのイメージが浮かび上がったときに今回の映画を撮ることが自分の中で決まりました。撮影したのは2年前の春真っ盛り。撮影した午前中だけ見事に光が差しました。あの日に吹いた風を、是非劇場の暗闇の中で多くの方と共有できたらこんなに幸せなことはありません。」と改めてその思いを語る。 

前作の『走れ、絶望に追いつかれない速さで』(太賀主演)で、親友の自死をどのように受け止めていくかについて実体験をもとに描いたのに対し、いわばその親友の恋人の視点からの物語として、恋人を亡くした一人の女性が喪失感や心の棘から解放されていく姿を日常の輝きの中で描く『四月の永い夢』。その世界観にぐっと引き込まれる印象的な冒頭映像となっている。

■あらすじ
亡き恋人から届いた手紙――止まったままの私の「時」が動き出す…。
3年前に恋人を亡くした27歳の滝本初海。音楽教師を辞めたままの穏やかな日常は、亡くなった彼からの手紙をきっかけに動き出す。元教え子との遭遇、染物工場で働く青年からの思いがけない告白。そして心の奥の小さな秘密。――喪失感から緩やかに解放されていく初海の日々が紡がれる。

■キャスト・スタッフ
出演:朝倉あき 三浦貴大
川崎ゆり子 高橋由美子 青柳文子 森次晃嗣 / 志賀廣太郎 高橋惠子
監督・脚本:中川龍太郎『走れ、絶望に追いつかれない速さで』
製作総指揮:石川俊一郎/木ノ内輝 チーフプロデューサー:和田丈嗣 プロデューサー:藤村駿
撮影監督:平野礼 照明:稲葉俊充 編集:丹羽真結子
録音:伊豆田廉明 メイク・衣装:タカダヒカル ラインプロデューサー:佐藤宏 音楽:加藤久貴 挿入歌:赤い靴「書を持ち僕は旅に出る」
©WIT STUDIO / Tokyo New Cinema
2017 / 日本 / カラー / 93分 / HD 16:9 /5.1ch デジタル 製作:WIT STUDIO 制作:Tokyo New Cinema 配給:ギャガ・プラス

公式サイト