小林聡美、松重豊、斎藤汰鷹、平山秀幸監督が登壇した和気あいあいな『ツユクサ』初日舞台挨拶レポート

2022年04月29日20時38分映画

本日4月29日(金・祝)に公開初⽇を迎えることを記念し、初日舞台挨拶を実施し、小林聡美、松重豊、斎藤汰鷹、平山秀幸監督といった日本映画界を支える豪華キャストと監督が登壇し、楽しい雰囲気の中、完成披露では明かせなかったさらに深い撮影エピソードを語っ!映画予告動画は公式サイトで公開中だ。



<映画『ツユクサ』初⽇舞台挨拶 実施概要>
●⽇ 時:4 ⽉ 29 ⽇(⾦・祝)
●場 所:テアトル新宿(新宿区新宿 3 丁⽬ 14-20 新宿テアトルビル B1)
●登壇者:小林聡美、松重豊、斎藤汰鷹、平山秀幸監督

満席の観客を前に、小林は「GW 初日に、またこのような雨模様の中、映画初日にたくさんお越しいただきありがとうございます」と挨拶。松重は「『⾜元のお悪いなか』という挨拶をしてみたかったのですが、前の人が言ってしまうと言いづらくなってしまうので、小林さんが言うかドキドキしていたのですが(笑)今日はは皆さま足元の悪いなか『ツユクサ』初日にお越しいただきありがとうございます」と念願のセリフを交えつつ挨拶。斎藤は「GW が始まったワクワクと、みんなに⾒てもらえるワクワクで、めっちゃワクワクしています︕」と初々しく喜びを表現した。続いて、平⼭監督は「何年か掛けてこの企画をやってきて、ちょうど 1 年前に撮影が⾏われました。参加してもらったキャスト、スタッフ、関係していただいた全ての⽅に感謝いたします」と、⻑年温めてきた映画が無事に完成した喜びを噛み締めた様⼦。

公開初⽇を迎え、⼩林は「この映画はコロナ禍という状況ではありましたが、動き始めてからはトントン動いて、順調に完成まで進むことができて、本当に運が良かったなと思います。監督があたため続けてきた映画がやっと完成して船出の⽇を迎えるという、晴れがましい気持ちです」と笑顔を⾒せた。⼀⽅、松重は「GW の過ごし⽅が歳のせいか年々わからなくなってきているのですが、ちょうど『ツユクサ』のような映画を観たいなとおもいまして。そういうタイミングになったのかなと思います。この映画を通じて良い出会いがある、そんな気がしております」と気持ちを明かした。平⼭監督は「10 年以上前の企画でずっと考えてきたことが、このスタッフとキャストで、今、このメンバーでできたということが嬉しいです。10 年かかりましたが、今、このタイミングで完成した『ツユクサ』がベストです」と完成した映画への⾃信を⾒せた。

つゆくさ

映画を観たまわりからの反響を聞かれると、⼩林は「出てくる⼈たちみんなが、幸せな⽅向に向かっていく途中を切り取った、前向きな映画で『⼼があったかくなった』と⻑い感想メールを貰って嬉しかったです」と話し、松重は「いつもは『死ぬほど怖かったよ』とか⾔
われることが多かったんですが、今回は批評し⾟いんじゃないですかね︖あまり僕の⽅には批評が届いていないです」と明かした。

⼩林「松重さんって、よく分からない⼈で、よくわからないままここまで来たのが良かったのかもしれないです。役ではセリフが無くてもにじみ出てくる味があって、寡黙でも⼗分なのに、ご本⼈は結構お喋りで、お話しも⾯⽩かったりして、ギャップがあって、その辺りが魅⼒なのかなと思いました」と、松重の魅⼒を語ると松重は「ありがとうございます」と、少し恥ずかしそうに笑いつつも嬉しそうな様⼦。

そして松重は、⼩林とはお互いに⾎液型が少数派の AB 型で、「少数派同⼠、意⾒が会うことは多かった」と明かし、お互いの共通点を聞かれると、⼩林は「そっけない」と⼀⾔。松重も「淡泊」と同意で息ぴったりな様⼦⼩林が「お互いに興味が移りやすいから、もうこの話題に興味ないなっていうのも分かるので、そっとしておきます(笑)」と、現場での息のあった様⼦を明かした。
撮影中のエピソードを聞かれると、斎藤は「⼈⽣初の⾃転⾞のニケツで前に乗った⼈が松重さんだったという、貴重な体験をしました。背が⾼かったので、前が⾒えなかったです」と答え、場内の笑いを誘った。⼀⽅、松重も「斎藤君とは年齢差を感じないくらい、普通の男同⼠のくだらない会話ができました」と撮影を振り返り、斎藤も「よく『中におっさんがいるね』と⾔われます」と答えた。

⽇常にある、ささやかな幸せを描いた映画の内容に合わせ<最近感じた⽇常でのささやかな幸せ>を聞かれると、⼩林は「最近は朝起きて、空模様がきれいだとそれだけで幸せな気分になります。雲のかたちや、⿃のさえずりが良い感じだと嬉しくなります」と回答。松重は「撮影中に⼩林さんと美味しいアイスキャンディーの話しになって、ハマってしまって、そのアイスキャンディーがあんまり売ってないんですが、冷凍庫にちゃんとあるのを確認すると、『あぁ、今⽇もアイスがある。1 個⾷べよう』と些細な幸せを感じます」と明かした。続いて、斎藤が「学校が終わって疲れた後に、布団に⼊って寝落ちする瞬間が⼀番最⾼です」と答えると、松重も思わず「いくつだよ︕(笑)」と突っ込み、場内が笑いに包まれた。続けて平⼭監督が「私も同じで、冬の夜中にトイレから帰ってきて、もう⼀度、布団に⼊った時が最⾼ですね」と、斎藤の回答に重ねて答えると、さらに笑いが広がった。

映画で、芙美は隕⽯に衝突するが、その確率は 1 億分の 1 ともいう。そんな奇跡的な出来事を、幸運だと思うか、それとも不運だと思うかと聞かれると、斎藤は「あさりの味噌汁を⾷べた時に、たまに砂利が⼊っていると『ジャリっとしてラッキー︕』と思うけど、⼊っていなくても、『⼊ってない︕ラッキー︕』と、全部ラッキーと思っています」と答えると、⼩林が「すごい、禅のような答えですね」と感⼼した様⼦。続いて⼩林は「1 億分の 1 という確率だし、どんな⾵にぶつかったとか、友達に楽しく話せそうなので、私はあれくらい
の⼤きさの隕⽯だったら当たってもラッキーだなと思います」と答えた。松重は「起こった出来事を、⾯⽩く喜劇にするか、悲劇にするかは⾃分にかかっているとおもうので、なるべく喜劇にできるようにと思っています」と答え、「昨⽇、⼟いじりをしていたら腰を痛めてしまって。腰を痛めたなと思えば不運ですが、⼟いじりなんかで腰を痛めるなんて楽しい⼈⽣だなと思えたら、ラッキーですね」と答えた。

最後に、キャスト全員から観客に向けてメッセージが送られ、平⼭監督は「この映画の台本の中に、ほっこりする、ほくっとするというト書きがたくさん書かれていて、それが何なのかよくわからないまま撮影したのですが、撮影が終わって編集をしたら、『ほっこりした』という⾔葉をいくつか⾔っていただけて。みなさんにも、この映画を観て、ほっこり、ほくっとしてもらえたら嬉しいです」と、観客へ伝えた。斎藤は「僕の中にいるおっさんを隠して、⼦供っぽくしている僕をぜひ⾒てほしいです」と挨拶し、会場が笑いに包まれた。松重は「誰が犯⼈だとか探すわけでも、派⼿なスペクタクルもない映画ですが、帰りの電⾞の中で、あれはこうなるのかな︖どうなのかな︖とか、テイクアウトできる仕掛けがたくさんある映画だと思いますので、GW に皆様にもどうぞお⼟産にお持ち帰りいただければと思い
ます」と観客に伝えた。⼩林は「観る前なので、あまりここがいいとか⾔わずに、フラットな気持ちで観ていただいて、もし⾯⽩かったなと思っていただけたら、ぜひまた観ていただきたいし、周りの⽅にも薦めていただきたいです。この映画が超⼤ヒットとならなくても、皆様の中で⼼に残る⼀本になってくれたらなと思います」と観客にメッセージを送り、初⽇舞台挨拶は⼤盛況のなか幕を閉じた。

■映画概要
小林聡美
平岩紙 斎藤汰鷹 江口のりこ
桃月庵白酒 水間ロン 鈴木聖奈 瀧川鯉昇
渋川清彦 / 泉谷しげる / ベンガル
松重豊
監督:平山秀幸  脚本:安部照雄  音楽:安川午朗  主題歌:中山千夏「あなたの心に」(ビクターエンタテインメント)
配給:東京テアトル クレジット:©2022「ツユクサ」製作委員会

公式サイト
◇公式ツイッター:tsuyukusa_movie