「餌【ミッキ】」キム・ホンソン監督、次回作はメロドラマ?オフィシャルインタビュー到着

2023年12月22日17時00分ドラマ
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チャン・グンソク×ホ・ソンテ共演の超S級ノンストップ・クライムサスペンス「餌【ミッキ】」の演出を担当したキム・ホンソン監督のインタビューが到着した。予告動画などはYouTubeにて公開中だ。

「餌【ミッキ】」(監督キム・ホンソン)は、実際に起きた韓国史上最大の詐欺事件をモチーフに、犯人が死亡してから8年後、その人物が殺人事件の容疑者に挙がる中、これをめぐる秘密を探る。
【「餌(ミッキ)シリーズを2倍楽しむ】では各話のネタバレあらすじと見どころ、キャスト紹介などまとめている。



本作品は脚本が完成した後に演出依頼があったのでしょうか、それとももっと以前から企画に関わっていたのでしょうか。監督と「餌【ミッキ】」の関わりからお教えください。
キム・ホンソン監督:企画を始めたのは私で、作家さんと初期から作品の構成を進めました。時間をかけて練った企画です。

ドラマのタイトルを「餌【ミッキ】」とされた理由を教えてください。
キム・ホンソン監督:もともとのタイトルは「犯罪年代記」というものでした。ですが、「誰もが食いついてくる」という関係を表現する「餌」というタイトルのアイデアが出てきて、私もこれが一番作品に合うと思いました。作品を一言で表現できますからね。

本作を演出するにあたって、参考にされた映画や小説などはありますか?
キム・ホンソン監督:コーエン兄弟の『ファーゴ』ですかね(笑)。

被害額5兆ウォン(約5000億円)を超える巨額詐欺事件が舞台ですが、これは過去に実際に起きた事件、監督が描きたかった事件があるのでしょうか。
キム・ホンソン監督:チョ・ヒパルの詐欺事件*が、まず連想されるでしょうし、それと似たような詐欺事件も多く参考にしました。最近はデジタル通貨の詐欺もたくさん発生しています。心配を禁じえません。みなさんも気をつけてくださいね。
※補足情報
2004年から2008年にかけて、詐欺師チョ・ヒパルがマルチ商法や投資詐欺で4兆ウォンを騙し取った事件。ヒパルは中国に逃亡し、のちに死亡したとされたが、それを信じない人も多い。


物語は、2006年、2010年、2023年という3つの時代を行きかいながら展開します。その違いを映像的に表現するのは難しくなかったですか?
キム・ホンソン監督:うーん、やはり俳優たちがメイクを通じて時代を表現しなければならないので、時間と労力がかかりました。苦労したのは俳優たちです。そして、いい結果が出たと思います。

弁護士出身の刑事ク・ドハン、稀代の詐欺師ノ・サンチョン、被害者家族の記者チョン・ナヨン、この3人は監督から見てどんな人物だと思いますか。
キム・ホンソン監督:人は誰でも自分の立場からしか物事を考えられません。そして、それが善だと思い込みます。これが、ノ・サンチョンという人物を的確に表現する言葉だと思います。ノ・サンチョンはいつも、「俺が何か悪いことをしたか?」 と言いますね。これは他人の心が分からない人たちのよくする発言です。ノ・サンチョンは共感力がない人物なのです。

ク・ドハンは、共感力に乏しいという点でノ・サンチョンと似ています。しかし、彼は変化していきます。人の心に共感できるようになり、これまでの過ちを認識するのです。私は彼のような人物が、この世界では多数派だと思います。

チョン・ナヨンは被害者意識が強い人物です。それは、当然そうなるしかない状況に置かれたからです。しかし、彼女は単純に復讐するのではなく、別の方法を選択します。彼女も共感を求める人物です。もっと言えば、この作品全体が、「私たちは生きていくなかで、どれほど他者に共感できるか?」に焦点を合わせていると思います。そうなればなるほど、社会は良くなるでしょう。

ク・ドハン役にチャン・グンソクさんを起用した意図は? 監督はグンソクさんにどのようなイメージをもたれていましたか?
キム・ホンソン監督:鋭さ、それにキャリアを重ねて手にした円熟した演技力……。いろいろなことが複合的に作用していると思います。

グンソクさんは、この役を通じてこれまでのイメージを変えたいと思ったようですが、監督はグンソクさんにどのような演技を指導されましたか?
キム・ホンソン監督:演技が上手な人には、ただ場所を貸してあげればいいのです。そうすれば勝手に遊ぶでしょう。私は「楽しもう」と言ったんです。チャン・グンソクさんはもう学ぶ段階じゃなくて、円熟を求めていく段階です。だから、そのようにやっていこうと思いました。

ノ・サンチョン役にホ・ソンテさんを起用した意図は? 彼にはどんな演技を望まれましたか?
キム・ホンソン監督:「最高に悪い奴になれ」ですね。サイコパスとかじゃなくて、ただの悪い奴(笑)。

本作で一番撮影に苦労したシーン、一番記憶に残るシーンは何でしょう。その理由についてもお聞かせください。
キム・ホンソン監督:鬱陵島で撮影した最後のシーンですかね。なにしろ雪が多すぎて、撮影が本当に大変でした。でも楽しかったです。

俳優さんたちとの撮影現場の雰囲気はいかがでしたか? また、ムードメーカーはどなたでしたか?
キム・ホンソン監督:やっぱりチャン・グンソクさんでしょう。グンソクさんは経歴がすごいですよね。現場をいつも面白く、そして真剣に導いてくれました。

いつも演出をする際にこだわっている部分はありますか? また、本作を演出する際に特にこだわった部分がありましたら教えてください。
キム・ホンソン監督:作品の何かが、見てくださった人の役に立つことを願っていますね。小さくてもいいから、社会にメッセージが伝わればと。少しでもお役に立てればと思っています。

好きな日本の映画やドラマはありますか? また、演出してみたい日本俳優はいますか?
キム・ホンソン監督:木村拓哉。私たちの世代にはヒーローとして記憶される俳優です。私もファンです。

キム・ホンソン監督にとって、本作はどのような作品となりますか?
自分の考えを持ち、楽しく作った作品です。監督として、自分の名前をスタッフロールに掲げても恥ずかしくない作品ですね。

今後の計画や目標を教えてください。
キム・ホンソン監督:メロドラマを準備中です。また別の私をお見せできればと思います。

「最後に、日本の視聴者に伝えたい本作の見どころの紹介とメッセージをお願いします。
キム・ホンソン監督:日本でも、「餌【ミッキ】」と同じような詐欺があると聞きました。皆さんも少しだけ… 欲を少なくしたら、絶対に引っかからないと思います。すべては自分の欲望から始まるんです、忘れないでください。



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予告編
本編第1回特別公開

【作品詳細】【「餌(ミッキ)シリーズを2倍楽しむ】
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