Netflix「終末のフール」第12話:10日後に迫る小惑星衝突、アン・ユンジン、ユ・アインが選んだ終末の迎え方は…

05月05日21時23分ドラマ
Netflixシリーズ『終末のフール』Netflixにて独占配信中

小惑星衝突の日まであと20日足らず。人々が最後の瞬間を迎える準備をするなか、子供たちを守るという使命に燃えるセギョン(アン・ユンジン)は自分が信じる道を突き進む。

Netflixで配信中の「終末のフール」の最終第12話では、残された時間が少ない中でまた子供たちに危機が迫っている事を知ったセギョンが、最後の覚悟を決める姿が描かれた。
こちらでは第12話のあらすじと見どころ、感想と全体のまとめなどを紹介する。(ネタバレ)

【「Netflix」で独占配信の韓国ドラマ】



「終末のフール」は、小惑星が地球に衝突する200日後の未来を待つことしかできずパニックに陥った世界で、愛する人を守るためにトラウマを抱える元教師のセギョンが立ち上がる物語。

「終末のフール」は、小惑星が地球に衝突する200日後の未来を待つことしかできずパニックに陥った世界で、愛する人を守るためにトラウマを抱える元教師のセギョンが立ち上がる物語だ。

第12話では、遂に残された時間が20日となってしまう。人々が人生の整理をする中、セギョンは子供たちにまた魔の手が迫っていることを知り、ある決意をした。

ほんわかとした空気で始まった最終回だったが、蓋を開けてみればそこにはやはり絶望が広がっていた。大切な人を奪われた者の悲しみ、苦しみ、恐怖を植え付けられた子供たちを見てもまだ同じ事を繰り返し、生き残ろうとする人間の恐ろしいしぶとさと執念には嫌気がさした。
残された日がどんなに短くても、生徒を命懸けで守ろうとするセギョンは作中数少ない一貫性のある人物だったように見えた。正義を貫こうとしたが故に狂気に染まらざるを得なかったセギョンを思うと胸が張り裂けそうになる。

■キャスト
チン・セギョン役:アン・ウンジン
ハ・ユンサン役:ユ・アイン
ウ・ソンジェ役:チョン・ソンウ
カン・イナ役:キム・ユネ
 その他

原題:종말의 바보



■第12話(最終回)あらすじ
小惑星衝突まで残り52日となったこの日、最後の正月を過ごす人々。教会ではソンジェ(チョン・ソンウ)のオルガンとヨンジ(ユン・ソア)のチェロに合わせ、人々がお世辞にも上手いとは言えない聖歌を歌い、セギョンを含める一同はこれに笑顔を浮かべる。
そんな中現れたユンサン(ユ・アイン)に連れられたペク神父(カン・ソクウ)。皆が呆気にとられる中彼は、以前のように教壇に立ち、話し始める。その内容は支離滅裂なうえ、どんどんと錯乱していき、集まっていた人々からはため息が漏れていた。

そして時はあっという間に過ぎ、小惑星衝突まで残り僅か20日となってしまう。そんな中で再び横行するようになった子供を狙った人身売買。その標的となっているハユル(キム・ドヘ)は、ジンソ(キム・ガンフン)の家に身を寄せ、匿ってもらっていた。

その頃、後輩に軍を託してイナ(キム・ユネ)は除隊する。セジョンもイナ本人から除隊の事実を聞かされる事に。続けて、これまで語れなかった思いをイナから告白され、ハグと涙で別れる。
去り際、イナは銃弾入りの銃をユンサンに渡す。そして「自分で守って」という言葉を残して町を出て行く。

そして遂に小惑星衝突まで残り10日となった日、市民達は、それぞれ最期の迎え方を選び始めていた。そんな中、セギョンは生徒がまたもや人身売買の脅威に晒されていることを知る。これ受け、インテ(イ・フィジョン)から武器を受け取るセギョン。インテは「終末なのに何故こんなことをするのか」と問いかけるも、答えは返ってこなかった。

その後、生徒たちに会いに行ったセギョンは、大人に怯えきっている彼らの姿を見ることになる。特に狙われているハユルの怯えようは酷かった。そんなハユルの携帯には仕切りに「友達を連れてこい」というメッセージが送られてくる。言葉を失うセギョンに「危ない事はしないで」と懇願するハユル。これにセギョンは「3人が大人になるのを見届けるまでは死なない」と涙の滲んだ笑顔で返すが、既にセギョンの覚悟は決まっていたのだ。

セギョンが一向に帰らない中、不吉な夢を見たユンサン。何かを悟ったウンサンは、大量に火炎瓶を作り、ある場所へと向かう。

その頃、悪党達が集う船へと向かったセギョン。騒がしい船内に入ったセギョンは銃を構え、躊躇い無く悪人達を撃っていく。
同じ時、ユンサンは無理に笑顔を作って自転車を走らせていた。目的地が近づくにつれ、涙で崩れていく笑顔。
火炎瓶を持った彼が向かっていたのは、セギョンが乗り込んだあの船だったのだ。

■第12話(最終回)見どころ
最終回の見どころは何と言ってもセギョンとユンサンの最後の選択のシーンだろう。ユンサンが作ったバケットリストを1つでも多く達成するためにも使えた10日間。自分のことだけを考えて生きることもできた10日間。しかしセギョンは自分の信念に従い、命懸けで生徒を守ることに貴重な1日を使った。
それはウンサンも同様だ。自分でセギョンは守らなければいけない人ではなく、最期の瞬間まで共にしたい特別な人と表わしていた彼。
しかし最後の最後でウンサンはセギョンがいる危険の中に自ら飛び込んでいった。これはセギョンを守れるものなら守りたい、そこでセギョンの命が尽きるなら自分も共に逝きたい、という2つの思いが込められた行動と解釈した。ウンサンの中でやはりセギョンは守りたい人に変わりなかったのではなかろうか。
終末の中でも希望と安心感を与えてきた無邪気なユンサンの笑顔が、涙に濡れ、歪み、崩れていく様子は絶望を描いたこの作品のラストの表情に相応しかった。

■まとめ
救いがない結末となるであることが推測できるタイトルに相応しく、絶望で始まり、絶望で終わった「終末のフール」。
悲しい結末を迎えると想像していても、絶望の緩急、未来がない中で必死に前を向く人達を見ていると不思議なことに、もしかすると小惑星が衝突しない奇跡的な未来が来るのではないかという希望を抱いていた。
人の優しさや努力が描かれるたび、こんなに頑張っている人達が、後数十日でいなくなってしまうなんて、幸せだってある世界なのに、こんなに尊い世界なのに壊れるわけがない、という逃避的な考えに陥る自分がいたのだ。

しかし、これを砕いたのがセギョン達を最後まで苦しめた悪党たち。状況がどれだけ好転しても、そのタイミングを見計らった害虫のように湧き出て、人々の微かな平穏を奪った彼ら。

世界が終わる事を知り、自暴自棄になる気持ちも分からなくはない。助かりたいと思う気持ちも当然のものだ。だがそれを、人を傷つけ、陥れ、命を奪う理由にしていることがたまらなく気持ち悪かった。

皆がセギョンやユンサン達のように、少しの希望と思い遣りを持つことができたなら、どれほど幸せな思い出が増えただろう。もしかすると救われた命もあったかもしれない。
そんな可能性が芽生える間もなく、あの混沌とした世界を生きることを余儀無くされたセギョン達を思うと悲しくてたまらない。

結末がハッキリとは描写されずに終わった「終末のフール」。この終わり方は賛否を呼びそうだが、彼らの未来を色々と推測できるこの幕引きは多くの絶望に触れた視聴者への気遣いとも受け取れる。

セギョンとウンサンの結婚式の日に飲むはずだったあの果実酒の瓶と思わしき瓶で作られた火炎瓶が、彼らの命まで燃やしていないことを祈りたい。

「終末のフールはNetflixにて2024年4月26日から全12話一挙配信開始した。

終末のフール | オフィシャル予告編 | Netflix【日本語字幕 CC】

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